新・神々の履歴書14回  「どろろ — 醍醐景光が契約した鬼神は誰?」 赤き竜・カバラの大天使サムエル・下巻

どろろ

キリスト教文明ではドラゴン=悪魔なので、ドラゴン崇拝は火あぶりものです。ただでさえ、ユダヤ人は迫害されていますから、生活の知恵としてそこは伏せておいたのかもしれません。特に、サムエル(レッドドラゴン)やルシファー(ブルードラゴン)は、まさに悪魔扱いされているので、ばれたらたいへんだったはずです。

それに比べて、東洋では竜は崇拝の対象ですから、日本は、ユダヤ人にとっては、堂々と彼らの信仰を貫けるありがたい国だったのです。

 

富と繁栄の大天使ルシファー・権力と偉業の大天使サムエル

さて、本題に戻りましょう。

「どろろ」では、景光は、「天変地異や飢饉、隣国の侵略から領地を守るために鬼神と契約した」という話になっています。契約の動機は人助けであり、「百鬼丸の生贄は、大勢の民のために一人を犠牲にした」だけだというのです。

領民も、景光の妻子も、このロジックにすっかり騙されて、「昨今の天変地異や戦乱」は、「生贄にされたはずの百鬼丸が実は生きていたため」で、「再び国家の安寧を手に入れるためには、百鬼丸を葬り去らねばならない」と、思い込んでしまいます。

悲劇の弟・多宝丸に至っては、実の兄の殺害を将来の領主たる自らの使命として、破滅していきます。
でも、ちょっとまってください! これは、まったくの詭弁です!

「国を富み栄えさせる」のはルシファーの職能であって、サムエルの職能ではありません。
サムエルの職能は、「権力と大きな偉業を成し遂げること」なのです。

契約の際に、景光ははっきりといっています。
「我が名を天にとどろかせ、我に天下をにぎらせよ!」と——そう! これこそが、契約の本当の目的なのです。

もちろん、醍醐の国は経済的にも富み栄えているわけですから、12の鬼神の中には、ルシファーもいたことでしょう。とはいえ、「額に憑く憑依の仕方」や、「契約の際の景光の言動」からして、主たる契約主はサムエルなのです。

景光は、「カバラの大天使・6の印をもつレッドドラゴン・赤き飛竜・サムエル」と契約したのです。

「どろろ」は実話ではなく架空の物語ですから、ルシファーのイメージとサムエルのイメージが、ごっちゃになっているのかもしれません。
それにしても、多くの点で私の経験と重なるところがあり、「いったい、なぜ手塚治虫はこのことを知っていたのか?」驚くばかりです。
芸術家のインスピレーションには驚かされます。

どろろ

 

サムエルとルシファーは、日本のあちこちに祀られている

現実でも、サムエルとルシファーは、一緒に祀られていることがよくあります。

富と権力は大変相性がいいのでしょうか。
冒頭にお話しした二人にも、サムエルだけでなくルシファーもいました。
ちなみに、お二人とも経営者で、野心的な側面を持つ方でした。

サムエルとルシファーは、日本の神社や修験道、お寺にも、よく祀られています。日本はキリスト教の国ではありませんから、実際には、鬼神としてではなく、神様や天部、龍として祀られています。古の時代に渡来ユダヤ人とともに伝来したカバラの大天使たちが、日本の神様として祀られているのです。

そのせいか、日本人には、ルシファーやサムエルが憑いている人が大勢います。

昨今では、スピリチュアルや、自己啓発、成功法則をもたらすセミナーなどで、カバラは大人気ですから、そういったルートからの方もいることでしょう。

経営者や、起業家を目指すような野心的な方々には、魅力的な2点セットなのかもしれません。
もちろん、ふつうの方は、ルシファーもサムエルも見えませんから、自覚はしてないことでしょうが……

物語では、醍醐の繁栄は束の間、結局は、領地も一族も、みな破滅してしまいました。契約の代償は生贄ではなく、自分たちで払わなければならないのです。手塚治虫はそこをいいたかったのでしょうか……心に刻むべきところです。

 

浄化・魔除けの神様、サムエル

ついでながら、サムエルの職能には、浄化・殺菌というのもあります。前にもお話しした通り、除霊には、より強い魔物を呼んで弱い魔物を払ってもらうというやり方があります。
そのせいか、浄化や魔除けアイテムに、サムエルが召喚されて入れられているのを見ることがあります。

先日も、サムエル入りのアロマをお部屋で炊いて、「子供が40度の高熱を出して寝込んだ……」という方が来ました。赤き竜サムエルは、決してファンタジーではなく、我々の健康状態に影響をおよぼすような実在するエネルギー体なのです。

「え? サムエルって巨大な飛竜なのにアロマにはいるの?」

いえいえ、彼らは3次元の生き物ではありません。巨大スクリーンで見た映像も、スマホで見ると小さくなりますよね?この3次元の世界は、彼らにとって、たんなる端末にすぎないのです。

ですから、アロマの中に入るサイズから、石の後ろにいる赤い蛇、湖の上を舞う巨大な飛竜まで、様々な大きさで現れます。姿は変われども、その性質は一貫しています。

エネルギーの総量として、サムエルは巨大なのです。

 

戦国大名と赤き竜サムエル

醍醐景光は、天下布武を狙って、赤き竜・大天使サムエルと契約しました。では、実際に歴史上の戦国大名はどうだったのでしょうか。

以前、明智光秀は青き竜ルシファーと契約したことをお話ししました。ルシファーは富と繁栄の大天使なので、すでに偉業を成し遂げた後、国の経済的繁栄を願うのならばわかるのですが、これから天下を取ろうとするときには、ちょっと違うように思います。彼はちゃんと意味が分かって、契約したのでしょうか?

天下布武といえば、信長です。そして、その忠実なる家来、天下人・太閤秀吉もそう、彼らはサムエルと契約しています。
このお話は別の機会に。

マユリ

 

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