感謝とガラケー
ガラケーの話をします。
昔、ガラケーが普及され始めた頃、すごいことがありました。
ガラケーを普及させたかったからだと思いますが、企業さんたちが頑張って、なんと！ 無料で携帯電話を入手できた時代があったのです。
ワクワクするしありがたいですよね。
文明開化の音が聞こえた瞬間です。
新しい機種が出れば簡単に機種変更できました。
壊れても、新しいモノに変えれば良いだけなので、そんなに悩む事もありませんでした。
とってもステキな時代がやってきた……ように思えました。
道端には壊れたガラケーが落ちていました。
今の時代では考えられませんよね。
簡単に買い替えられる代物ではないので大切に使いますし、壊れても修理しますよね。
酷い人になると、ちょっとイライラしただけで、ガラケーを壁に叩きつけたりする人もいたそうです。
これ、今の時代に本当に同じことできると思いますか。
何故そんなにガラケーを雑に扱えるのか、捨てられるのかというお話です。
簡単に言うと無料、あるいは格安だからです。
でも、考えてみて下さい。
ガラケーでもスマホでも良いですが、たとえば「100円あげるから作ってよ」と言われてできるのかという話です。
作り方なんてわかりませんし、材料費だって絶対に100円ではできませんよね。
本当はものすごく価値のあるモノなのに、価値を理解できなくなっていたのです。
だからこそ、感謝の気持ちを忘れて携帯電話を乱雑に扱う人が増えてしまったのです。
これはガラケーに限った話ではありません。
私たち人間は常に幸せを追い求めています。
それは良いのですが「感謝は幸せに含まれない」と勘違いしてしまうと大問題に発展してしまうのです。
時代が便利になるのは素晴らしいことです。
でも、感謝を忘れてしまうと、人としてどうなのかというレベルにまで落ちてしまうのです。
しかも個人個人から感謝の気持ちが薄れてくると、巡り巡って地球に迷惑がかかるのです。
あまり遡ってもキリがないですがバブル時代は、ある意味、もっとすごかったです。
私たちの生活派どんどん豊かになりました。
「捨てることこそステータス」みたいな時代でした。
物もお金もたくさんあったので、無駄遣いをしまくるとカッコイイと勘違いした人が増えてしまったのです。
今でも『ダンシャリ』を勘違いしている人は「捨てるとカッコイイ」と思い込んでいて、バンバン大切なモノを勢いで捨てて「すっきりー！」とかSNSで投稿なんかして、後で後悔したりしますよね。
今でいう『3R』なんて、当時の人からしたら、それこそ無駄だと本気で勘違いしていたかもしれません。
リデュース（Reduce）、リユース（Reuse）、リサイクル（Recycle）。
今では重要なワードですよね。
感謝を忘れるという病
ちなみにせっかくなのでお金の話をしますね。
私たちって無料大好きじゃないですか。
私も大好きです。
でも、ガラケーの話を思い出して下さい。
無料で便利は嬉しいのですが、一歩間違えると感謝の気持ちを忘れてしまう危険性も潜んでいるのです。
ということはですよ。
政府とか企業とかが良かれと思って無料サービスを増やしてくれたとして。
本当はものすごくありがたいのですが、それによってハイエナのような人たちが増えて「どうせタダだんだから、じゃんじゃん利用しよう！」と必定以上にエゴむき出しになったら。
この必要以上に、という個所が重要です。
ガラケーで言うなら、本来ならば無料で貰えても大切に使うべきですし、ちょっと壊れたれたら道端に捨てるとか、イライラしたら投げつけるとか、絶対にしたらダメですよね。
バチあたりですから。
でも「無料だし、いいじゃん……」という心の在り方になってしまうと携帯電話を提供してくれている人たちが大損害になってしまいますよね。
最近では救急車をタクシー代わりに使う人が増えて社会問題になっていますよね。
あれだって本来必要な人が必要な時に使えないとダメなのですが、無駄に使われ過ぎるといざというとき困ってしまいます。
救急隊や救急車の経費だってばかになりません。
わかりやすいのでお金の話をしましたが、水や空気だってそうですよ。
本来、何よりも感謝しなければならない大切な存在なのに「無料、使い放題」と勘違いしているから、巡り巡って環境汚染につながってしまったのですよね。
時代が進んで便利になって行くのは大歓迎です。
でも、私たちの心が未熟だと、時代が進めば進むほど、イヤな時代になってしまうのです。
労働問題が悪化しているのもそうです。
私たちのエゴが暴走し過ぎているから負の連鎖がブラック会社を助長して、残業代がでないのに長時間労働とか、そういう問題につながってくるのです。
感謝の心をみんなが持っていれば、割に合わない労働につながるような言動はしませんし、みんな定時に帰れるのです。
物だってお金だって感謝して大切に使えば案外平和に暮らせるのです。
何かを相手から奪う快楽よりも、相手を尊重し、感謝し、提供する温かいハートを持てれば、もっと幸せになれるのです。
ワクワクを「自分さえ良ければ周囲がどうなろうと知ったことではない！」という解釈してしまうと、新時代は暗黒時代になってしまいます。
ワクワクと感謝の本質を！
暗い話題を持ち出してしまいましたが、逆に言えば、みんなが本当の豊かさとは何かに目を向けて、ワクワクして小さなことにでも感謝できれば、簡単に新時代を良い時代にできるのです。
自分のニーズやウォンツを満たすためだけにクレーマー化するのを辞めて、相手がどれだけ頑張っているかを認めてあげられる人を目指しましょう。
些細なことでも相手に「ありがとう」と言いましょう。
小さなミスには笑顔で水に流してあげる広い心を持ちましょう。
そういうココロを循環させれば令和はきっと、ステキな時代になると思いますよ。
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