■味の効用part.15~6つの味とドーシャの関係(ピッタ編その1)~ インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.131

★《酸味》→悪化させる

酸味がピッタを悪化させる理由は、

・酸味は主に「地」と「火」要素から構成され、「液状」「油っぽい」「湿っている」「熱い」質があります。
そしてこれらの質は、ピッタを悪化させえるすべての質です。
こういった「熱い」質によって、もともと熱いピッタの熱がさらに増大されます。
また、「湿らせる」質が、体内の水分保持を引き起こし、体をむくませることがあります。

・酸味の酸性質は、胸焼け、潰瘍、過剰な熱、消化管のヒリヒリぴりぴり感、他のピッタ型の兆候を引き起こす可能性があると考えられています。

・目と歯の感受性を敏感にし、悪化させることがあります。

・かゆみ、かぶれ、にきび、湿疹、乾癬などの皮膚トラブルを悪化させることがあります。

・ピッタの強い食欲をさらに刺激し、過剰な代謝を扇動させることがあります。

・蠕動運動を刺激し、排泄のサイクルを加速させます。

・ピッタの鋭敏さをさらに増大させるため、ピッタ型のネガティブな感情(怒り、批判、嫉妬、利己主義など)を誘発します。

 

★《塩味》→悪化させる

(ピッタを悪化させがちなポテチ「ソルト&ビネガー」味)

塩味がピッタを悪化させる傾向がある理由は、

・塩味は、ピッタの構成要素と同じ「水」と「火」要素から構成され、「重たい」「油っぽい」「湿っている」「熱い」質がすべて共通しています。

・新陳代謝を刺激するため、過敏症、嘔吐、潰瘍、および腸の炎症のようなピッタ型消化問題を悪化させる可能性があります。

・塩味の「熱くする」質は、喉の渇き、炎症、過剰な熱を悪化させ、ピッタ型の皮膚トラブルを刺激し、灼熱感を引き起こします。

・「湿らせる」質が、体内のナトリウムと水分保持につながることがあります。

・血液に対する親和性があり、血圧を上昇させたり、あるいは出血性疾患を悪化させる可能性があると考えられています。

・ピッタの増大と深く関連した髪の状態、「白髪」と「薄毛」を進行させます。

・過敏症を引き起こす可能性があります。

 

★《辛味/刺激性の味》→悪化させる

6つの味すべての中で、最も「熱い」質を持つ辛味。
この味がピッタをいとも簡単に悪化させかねないことは、簡単に想像できるかもしれませんね。

・辛味は主に「空気」と「火」要素から構成され、「熱い」「乾燥させる」「軽くする」「鋭くする」質があり、これらの質はすべて、ピッタを悪化させる質です。

・辛味のもつ激しい刺激性は、循環を増加させて発汗を促し、過剰な渇きを引き起こします。
また、過剰刺激により、吐き気、胸やけ、潰瘍、腸の不快感、消化官の炎症、下痢を引き起こすまでに至ります。

・血を薄くし、血管を拡張します。

・皮膚の状態を悪化させ、灼熱感を引き起こす可能性があります。

・生殖組織を燃やしてしまい、生殖能力を消耗させることがあります。

・軽さと上向きの動きを促進するため、共通の質を持つピッタの傾向を悪化させます。

・過剰な積極性や競争心、過敏性、怒り、嫉妬のようなピッタ型感情を簡単に誘発します。

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一般的に、体を熱くし、ピッタを悪化させがちな食べ物や飲み物には嗜好性があります。

とり過ぎはもちろんおすすめはしませんが、今のような寒い時期に限っては、体を温めるのに有効なので、寒い時期のうちにこういった味を堪能しておくのがベストです。

◎次回「ピッタ編その2」に続きます。

 

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(トップ画像/スパイシーフードはピッタの大敵)