免疫を高める食品選び〈2〉~100歳以上生きた人たちが多かった文化の中で 食べられてきた食事~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.84

トップ画像は動物由来と植物由来のタンパク質の例です。

この9種類の必須アミノ酸をすべて含む食品は「完全タンパク質」と呼ばれています。

■「完全タンパク質」:

完全タンパク質のほとんどは動物由来で、これには「魚」「卵類」「哺乳動物の肉」「鳥類の肉」「乳製品」があります。

■「不完全タンパク質」:

植物由来のタンパク質のほとんどは、必須アミノ酸が一つ以上欠けていることから、「不完全タンパク質」と考えられています。

不完全タンパク質は、9つの必須アミノ酸がすべて含まれているわけではない食品なので、体のニーズを満たすためには十分ではないことから、完全になるために他の植物性食品と組み合わせて食べることが基本となります。

例えば、米と豆の組み合わせは、完全タンパク質を作るために、2つの不完全タンパク質を組み合わせた、古典的な植物性食品ベースの食事となります。

不完全タンパク質には、「ナッツ&シード類」「豆類」「野菜類」「全粒穀物類」があります。
植物性のタンパク質源を組み合わせる場合のルールは簡単で、穀物や植物性タンパク質源に、ナッツ&シード類かまたは豆類のいずれかと一緒に組み合わせるだけです。

また、これらの組み合わせは、一日を通じて別々にとってもよく、同時に食べる必要は必ずしもありません。

 

★人々が100歳以上生きた文化の中で食べられてきた伝統的な食事

(日本の伝統長寿食は「赤飯」?)

面白いことに、世界中で平均寿命が100歳を超えた人たちが多かった文化では、なんと、日々の食事の中に含まれる動物性タンパク質はたったの10%程度だったのだそうです。

こういった文化の中で生きた人々は、毎食ごとに豆や他の植物由来のタンパク質を食べ、一日のタンパク質の合計摂取量は食事の30%近くだったといわれています。

人々がより多くの肉を食べるようになったのは、ヨーロッパへの移住に伴い、狩猟のスキルが発達したことと関係があります。

国際的ベストセラーの本「EAT WHEAT」https://www.amazon.com/Eat-Wheat-Scientific-Clinically-Proven-Approach/dp/1683500113の著者でアメリカ人のアーユルヴェーダ医師・ドクタージョンによれば、米あるいは穀物類、野菜類、タンパク質を組み合わせる理想的な割合は、季節によって変化させることが理想的で、季節ごとに次の割合で食べることをすすめています。(左の数字は一回分の食事に含める割合値)

<春&夏>
2分の1:その季節にとれる野菜
(季節ごとに異なる野菜を組み合わせること)
4分の1:でんぷん質
(穀物、ジャガイモ、根菜、塊茎、果実が含まれます)
4分の1:タンパク質
(動物由来と植物由来のタンパク質源の両方が含まれます)

<秋&冬>
3分の1:その季節にとれる野菜
(季節ごとに異なる野菜を組み合わせること)
3分の1:でんぷん質
(穀物、ジャガイモ、根菜、塊茎、果実が含まれます)
3分の1:タンパク質
(動物由来と植物由来のタンパク質源の両方が含まれます)

☆ヘルシーに食べるポイント:
ギー、バター、ココナッツオイル、オリーブオイルのようなヘルシーなオイルを各食事に加えましょう。

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インドの家庭では、ムング豆のカレーと米の組み合わせが伝統的によく食べられていますが、この「豆」と「米」の組み合わせは、まさに長寿を促す植物性の完全タンパク質入り日常食。

日本でいうところの「お味噌汁」と「ほかほかご飯」に近いですね。
別ヴァージョンとしては、お赤飯もイイ線いってます。
お祝いのときだけでなく、ぜひ日常的に食べておきたいご飯です。

 

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