本当は絶世の美姫!? 雪の結晶の如き美貌を持つ姫神☆磐長姫神3

驚くほどの美姫だった磐長姫神に教えていただいた聖滝へ車を走らせ、案内看板のある空き地に停車する。

 

「寒~!」

先ほどより気温が下がってきたようで、吐く息の白さが増した。
案内看板を読み、嘗てこの地に天の国があり、磐長姫神と木花咲耶姫神の美しい姉妹が暮らし、倭国の国王瓊瓊杵神に木花咲耶姫神が見染められて結婚の儀が行われたという伝説に胸がワクワクする。
こうして全国的には知られていない伝承や伝説、神社や聖地に出会うのも神社巡りの楽しみの1つだからだ。

 

「縁結びの滝かぁ。」

有名な神々の名前もえる場所ではあったが、他にこの地を訪ねる人もいなければ、地元の方も見かけなかった。
それは少し残念な気もしたが、独り占めできる嬉しさの方が勝っていて、足取りも軽く聖滝への道を進む。

「しかし、これ、1人で行くのは寂しい場所ね。寒くて良かったかも……。」

熊除けの鈴も持ってはいなかったし、これだけ寒ければ蛇も虫の心配もしなくていい。
ただ、靴も山登り専用の物ではなくかかとの低いブーツ、コートの下はニットにひざ丈スカート、いわゆる軽装だ。

「ま、この道なら大丈夫でしょ。」

意気揚々と進む私だったが、この後ちょっと軽装で来た事を後悔するのだった。

続く。

 

《沙久良祐帆さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/sakurayuuho/?c=88928