〜なんでアイツばっかり! 嫉妬で苦しくなったら高校球児を見習おう 〜 感情美人への道Vol.112

人の成功や幸せをつい妬んでしまう貴女。嫉妬をプラスのパワーに変える方法をお伝えします。

嫉妬は誰にでもある感情

嫉妬や妬みは、実は一番向き合いにくい感情です。
「私って怒りっぽいの!」「本当に心配性なんだ」とは言えても、「私、かなり嫉妬深いんです」とはなかなか言えませんよね。

その底には「嫉妬は浅ましいもの」「立派な女性は嫉妬なんてしない」というイメージがあるからかもしれません。
でも、「怒り」や「不安」が必要な感情であるように、「嫉妬」も人間には必要な感情なのです。

では、私達はいつ「メラメラ」してしまうのでしょう。
嫉妬心が生まれやすくなるのは、次の3パターンです。

1.似た様な環境にいた誰かが、少し上に抜けたとき
2.格下に追い抜かれそうになったとき
3.同業の誰かが活躍したとき

この3つ全体を通して、嫉妬は同性に対してより強くなります。
皆さんも、過去についメラメラした経験を思い出すと、この3つの条件に必ず当てはまっているはず。
といっても、嫉妬の感情にフタする必要は全くありません。
要は、嫉妬を「自分の成長ツール」に変えてしまえばいいからです。

 

嫉妬をネガティブパワーにする人とポジティブパワーにできる人の違い

では、嫉妬を「他人を攻撃する道具」にする人と、「自分を成長させる燃料」にできる人は何が違うと思いますか?

決定的な違いは、自分の視線が「横の他人」に向いているか、それとも「自分の将来」に向いているかです。

嫉妬深く相手を貶める人は、常に他人を蹴落とす事ばかり考えています。
当然いつも真横を眺めてばかりいて、他人を潰したり邪魔する事に余計なエネルギーを費やしているのです。
でも「あの人が頑張っているから、私も頑張ろう」と思える人は、あくまで「今の自分」と「未来の自分」で比較をしています。
そう捉えられる人は、他人を蹴落とすために無駄な時間を使いません。
そんな事をしても、自分の実力はちっとも向上しないと知っているからです。

 

高校球児に学ぶジェラシーマネジメント

嫉妬心や妬みの歪みを取る認知行動療法も色々あるのですが、今回は甲子園でたくさんのドラマを見せてくれた高校球児にそのヒントを学びたいと思います。

私が注目したのは、準優勝に輝いた秋田代表・金足農業高校3年生の川和田優斗(かわわだ・ひろと)君です。
金足農は、予選から一度も先発メンバーを変えずに甲子園決勝まで上り詰めた事も大きな話題となりました。
野球部員の3年生は全部で10人。
そして川和田君は、3年生でたった1人だけ背番号をもらえなかったのです。

投手として入学した川和田君は、1年秋に怪我をして外野手に転向。
しかし守備が苦手で、他の9人と力の差があったそうです。
でもその差を自覚しているからこそ、練習では道具の準備や片付けを率先して行いました。
レギュラーメンバーと同じか、それ以上に努力を積み重ねて来たのでしょう。

甲子園に来てからベンチを外れると知った時は、皆の前ではこらえたものの、コーチの前で大泣きしたそう。
私は感情のマネジメントを仕事にしていますが、仮に私が川和田君と同じ状況だったら夜も眠れないほど悔しいでしょうし、野球さえ嫌いになってしまうかもしれません。

でも、川和田君はベンチのすぐ横にあるボールボーイの場所で、自分の役割をしっかりと果たしました。
そして密かに自分のチームを一生懸命応援したそうです。

 

「相手を応援できるか・喜べるか」が分かれ道

実は、勝った相手を「応援する・一緒に喜ぶ」というのが、ジェラシーマネジメントの肝になります。
もちろん勝負ですから「自分が勝ちたい!脚光を浴びたい!」と思うのは当然ですが、結果が出た後に勝者へ賛辞を贈るのは、自分の感情をマネジメントする上でとても大事なポイントになります。

なぜなら「相手の方が優れていた」という現実を受け入れる事が、次の一歩を踏み出すきっかけになるからです。
すると自然と意識は「横にいる他人」ではなく、「将来の自分」に向かいます。

過酷な競争にさらされている高校球児からは、大人である私達が学ぶ事がたくさんありますね。

参考資料
『「嫉妬する女はブスになる」問題 』サンマーク出版 柊りおん
『嫉妬の心理学』光文社 詫間武俊
『なぜ他人の不幸は蜜の味なのか』幻冬舎ルネッサンス 髙橋英彦
朝日新聞2018年8月22日朝刊

 

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