ココロセラピストが語る!『誰も助けてくれない! なんて薄情なんだ!? ~いいえ。あなたにはあなたという味方がいます~』

ピンチは孤独?

ピンチになったときに困るのは、ピンチから脱する方法が見えてこないことです。
少し考えて打開策が出てくるようなことは厳密にはピンチでも何でもありません。

つまりピンチな状況というのは、極端に言えば「打つ手なし」の状態のことを指します。
もちろん、それはあくまでも主観です。
打つ手が本当にないかどうかは別問題です。
もしかしたら、自分が見落としているだけで、ピンチを脱するヒントが目の前に落ちているかもしれません。

さて。ピンチの時は問題そのものも大きなストレスなのですが、実はもうひとつ大きなストレスがあります。
それは、ピンチの問題が大きければ大きいほど、助けてくれる人が減ってくることです。

「悩みがあれば聞くよ?」なんていつも言っている割に、いざ本当にピンチになって話しをしたら「そうなんだぁ」とか「大変ですね」で片づけてしまったという経験はありませんか。
もっと酷いと「あちゃー……」とか、もはや言語ではない返事(コメント?)だったり、無言になってしまったり、ということもあると思います。

これがまたものすごく精神的にキツイのです。
まったく役に立たない助言をされても有難迷惑なのですが、なんとか話しを聞かなかったことにして、この場を立ち去りたいという相手の深層心理がチラホラ垣間見えると、悲しさが倍増したりしますよね。

そうすると、ピンチを脱する解決策が見つからないことと、仲間に見捨てられてしまったような孤独感で二倍苦しくなるというか。そういうことはありませんか?

それによって、改めて仲間に見捨てられてしまうほど大ピンチなのだと思えて来て、次第に苦しみは二倍どころでは無くなってしまいます。

 

軽率な意見を言えない時もある

「では、TATSUMIさんは、どんなに難しい問題を抱えた人でも、相談してきたら助けてあげるんですか?」と思った方もいらっしゃると思います。

残念ですが、助けてあげません。
正直に言えば相手にもよります。
我が身がどうなっても構わないくらい大切な人であれば、ピンチだろうと大ピンチだろうと助ける覚悟はあります。

ただ、こんなことを言うと軽蔑されるかもしれませんが、自分の人生を賭けるほどリスクの大きな悩みに安易に介入できません。
あからさまに誰でも思いつくような助言をしても迷惑なのはわかっています。
そうすると、中途半端に介入して相手を結果的に追い詰めてしまうよりは、申し訳ないけれど距離を置こうかなと思ってしまうと思います。

特に大ピンチの人はメンタルも低下していますので万一、何らかの行動や決断を促すような発言をうっかりしてしまって、それが上手くいかなかったら「君が言ったから従ったのに、よけい状況が悪化したじゃないか!」なんて言われてしまったら、たまったものではありません。
ピンチの本質が消えて、関わった人が狙われてしまうという事態が生じてしまう可能性もあります。
そんな結末だけは僕としては避けたいです。
それが嘘偽りのない本音です。

カウンセリングをして本人の心の内を整理整頓するお手伝いはできますが、相手の代わりに問題を解決してあげたり、解決方法を考えてあげたりする事はできない場合も多いです。

だから、僕は安易に「僕に何でも話して!」とは言っていません。