有名ハンバーガー店に見る『捨てる技術』〜感情美人への道Vol.90

皆様こんにちは。 今日は、ある有名ハンバーガー店の歴史から『捨てる技術』について見て行こうと思います。

わたくしの過去記事を読んで下さった事がある方、「理想的な意思決定をする時に、捨てなければいけないもの」何か覚えていますか?

『サンクコスト(埋没費用)』ですよね。
これは過去にかけたお金・時間・もしくは誰々に尽くしたなど、今となってはそれにこだわっても何も意味のない事柄を指します。

 

ところが、人は「切り捨てる」事ができません。

それは「今持っているもの」の価値を過剰に見積もる「保有効果」の心理が影響しているから。

特にビジネスに関しては、生産的でないもの・赤字を垂れ流しているものをいかに早くカットできるかが大切です。
これに関して、横須賀の『TSUNAMI』というハンバーガー店の飯田社長が、興味深いお店の歴史を話していました。

(以下朝日新聞より抜粋)

飯田社長は最初造船の仕事に就くが、ほどなくして趣味のサーフショップをドブ板通りに開店(1979年)。
何度も訪れたメキシコの経験から、店の一角を改装してホットドッグとバーを始めたが、やがて全面的にメキシコ料理店にシフト。
ただ、売り上げは鳴かず飛ばず。

そんな時(2008年頃)、知り合いの米軍関係者が店に来て「横須賀には海軍カレーがあるけど、ネイビーバーガーはどう思いますか?」と尋ねた。

その瞬間「これはいける!」と鳥肌が立ち、すぐに妻と都内の有名グルメバーガー店をはしごして研究。
一方で、横須賀市が米海軍横須賀基地からネイビーバーガーのレシピの提供を受け、観光振興策として売り出す企画も進んでいた。

そして2009年1月、「ヨコスカネイビーバーガー」の売り出しがスタート。販売当日、店の前には客の行列ができ、多い日には150人が並んだ。「一夜にして時代が変わった」と飯田社長。(抜粋終わり)

 

今や店の看板商品となったハンバーガーは、累計販売数が60万個を突破。

従業員も35名で、年間売上高はなんと約2億円! だそうです。

私も、実はここのお店が大好きなんです。
でも、こんな歴史があったとは知りませんでした。
飯田社長が「サーフィンの店止められるか!」「うちはメキシコ料理店なんだよぉ!」と言っていたら、ハンバーガー店の今の成功はない訳ですよね。

お知り合いの経営者や、講演会でお話を伺う経営者の方で素晴らしい活躍をされている方は、成功体験以上に失敗体験を持っています。

成功する過程では必ずうまく行かない事や失敗する事がありますので、「このラインを割ったらすぐ撤退する」という「損切りライン」を明確にし、実行するのが大切です。

私たちが何か選択する時は「余計なこだわりをいかに捨てられるか」これに限るなと思いました。

 

TSUNAMI横須賀ネイビーバーガーのサイト
http://navyburger.com/

 

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