『モナコ舞踏会』に参加できる女は幸せなのか?〜感情美人への道Vol.91

皆様こんにちは。今回は女性のお姫様願望をくすぐる「舞踏会」を取り上げたいと思います。

ゴージャスなドレスと宝石を身にまとい、高級車で会場に乗り付け海外セレブと同じ空間を共有する舞踏会、あなたは行ってみたいですか?

 

先日、あるテレビ番組で「セレブの習い事に潜入」という特集を放送していました。

そこで『モナコ舞踏会』に参加するための講習費100万円を払い、チケットを手に入れるためにプロトコルマナーや歩き方などを熱心に学ぶ見目麗しい方達が登場していました。

ちなみに、『モナコ舞踏会』というのは『薔薇の舞踏会』とも呼ばれ、1954年に当時モナコ王妃だった元・ハリウッド女優のグレース・ケリーによって設立されました。
毎年3月に開催され、現在の主催はアルベール2世とキャロライン妃です。

当然この舞踏会には誰でも参加できる訳ではなく、先述の講習を受講してもその4分の1の人しか参加チケットを入手できないそうです(ちなみにチケット代金は38万円で、滞在費航空費は別途)。

こういう話を聞くと、大方「なんでそんな所に行きたいのかなぁ?」と思いますよね。
番組でも同じ質問が出ました。
するとある男性は「日本では成功しているけど、モナコでは圏外。だから自分を奮起させるために行く」と言っていました。
また看護師をしているという女性は「私は世界一幸せな女になると決めたから参加します」と答えていました。

もちろんモナコ舞踏会はその方にとって「世界一幸せになる女」の一条件なのかもしれませんが、残念ながら「幸せになる」事と「舞踏会に行く」事はほとんど相関性がありません。

皆さんは、「世界一幸せな人」ってどんな人だと思いますか? スーパースター? ヨーロッパあたりのロイヤルファミリー? 自社株を大量保有する経営者?

どれも違います。
米国の科学者が認めた「世界で一番幸せな人」は、マチウ・リカールさんという男性で、フランス生まれのお坊さんです。

 

根拠は脳の活動にあります。

脳と感情の関係を研究する脳神経科学者リチャード・デビッドソン博士は、幸福感・喜び・気力の充実など、肯定的な感情を持ちやすい人は、大脳皮質の前頭葉の一部(理性を司る”新しい脳”です)、左側前頭前野の活動が活発であるという事を突き止めました。
* 逆に、右側の前頭前野が活発な人は、悲しみ・心配・悩みといった否定的な感情を持ちやすいのです。

マチウ氏はこの「脳科学から見る幸福度」を測る調査実験に参加し、「利他と思いやりの瞑想(慈愛の瞑想とも呼ばれます)」を実践中に脳波を測定した所、前頭前野の活動が左側に大きく偏り、それまでの被験者とは見た事のないレベルで脳波の変化が記録されました。

これを元に、マチウ氏は世界一幸福な人物と呼ばれるようになったのです。
結論を申し上げると、舞踏会に参加する参加しないに関係なく、「自分の脳を、幸せを感じられる状況に持って行けるか」が幸せになれるかどうかの境目になります。

幸せになるのにお坊さんになる必要はなく、「利他と思いやりの瞑想(慈愛の瞑想)」を実践する事で、誰でも脳に変化を起こせます。
繰り返し行うことによって、脳の回路が変化し、肯定的な感情が定着しやすくなるのです。

また、舞踏会に参加する自分を「他の人より秀でている」と思うようでは、幸せからは遠ざかります。
なぜなら利他の瞑想では、自分と人の境をなくす事が重要だからです。
また、物質的な快楽を舞踏会に求めているのであればそれも逆効果。
物質を保有して得られる幸せは、快楽順応の心理によってあっという間に消えてしまうからです。

舞踏会に参加する・しないは個人の価値観ですが、幸を感じるには、まずは「自分の脳を変えて行く必要がある」という事をぜひ覚えて頂きたいと思います。

参考資料:
『PRESIDENT 2016年10月号』

 

《柊 りおんさんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/2012102201/?c=17188

 

(写真はすべてイメージです)