ロンドンからこんにちは。前回の続きです。
「資産」が資産にならない日本
わたしは日本で家を購入するメリットを全く感じなかった。
まず、日本の家は購入しても価値がどんどん下がるからだ。
これは海外の目線で見ると資産とは言えない。
日本は地震などの自然災害も頻繁にある国なので家の購入はリスクがある。
日本で夢のマイホーム、憧れのマイホームと言う言葉をよく聞くが、どのあたりがそうなのか、資産価値のない家を購入することはローン何十年の現実を考えても夢や憧れとは相反するので違和感がある。
確かに東京は一人暮らしの部屋の賃貸でも高いので、家族で住むならば家を買うほうが賢い選択なのかもしれないが、地方都市ならば比較的安い価格で家を借りることができる。
子供が生まれてわかったことだが、賃貸だとやりにくいことも自分の家だと自由にカスタマイズできるので、それは持ち家の魅力だろう。
しかし、外国に比べて日本は賃貸物件の対応が恵まれているので、賃貸暮らしでも屈辱を味わうこともあまりない。
日本特有の〝お客様は神さま〟文化があるので、至れり尽くせりのサービス精神のある丁寧な不動産屋が多い。
ロンドンだと悪質エージェントの絶好の餌食になることも!
ロンドンだと家も買えない貧乏人が文句を言うな! と言われているような貧富の差を感じる仕打ちに遭うことがある。
現在、ロンドンで借りているフラットはイギリス人のオーナーさんで、とても親切な対応をしてもらえた。
毎月1250ポンド(2019年7月のレートで約17万円)が家賃代で消えるのが辛くて引っ越すが、金銭的な事情がなければ悪くない物件だったと思う。
ちなみにわたしが住んでいるロンドンのゾーン2エリアだと1ベッドルームで17万円の家賃は平均価格で決して高くはない。
リビングが狭くはないので、「この広さなら1250ポンド、安いかも!」と同じロンドンに住む友人が言ったくらいだ。
しかし、フラットシェアの時は酷かった。
悪質なエージェントは儲けのためにギュウギュウに人を詰め込むので、6人でユニットバスをシェアしていた。
シャワーとトイレが同じ場所にあるので、誰かがシャワーを浴びていればトイレに行くことができない。
様々な物は壊れていて当たり前。
備品のクオリティーは低く、電球は爆発した。
まるで発展途上国で暮らしている気分だった。
お前らなんか、壊れた備品がお似合いだ! と言われているかのようにも感じた。
カナダから来た女性は「ロンドンのフラットシェアは刑務所にいるみたいだ」と言っていた。
ロンドンは古い物件でも家の価値が右肩上がり!
家を購入するメリットはロンドン時代に不動産会社で働いていた日本人女性の著書にも書いてあったが、ヨーロッパで家を持つことは〝だいぶお得〟だ。
まず 、築 100年以上の物件であっても価値は建っているエリア 、内装の良し悪しで決まる部分が多く 、特に大都市ではよっぽどのことがないと価値は下がらずむしろ上昇傾向にあるのだ!
英語で資産はpropertyと言うが、propertyの価値がイギリスに来てはじめてわかった。
個人的にはproperty(資産、財産)はheritage(遺産)にならないと本当の資産とは言えないと思っている。
人生で一番大きな買い物ではないのかと思う〝家〟が、我が子に譲る時に価値がある存在であって欲しい。
日本の家は高級ブランド品と同じで、いくら綺麗な状態でも新品に一番価値があるが、ヨーロッパでは右肩上がりで年月が経っても価値が下がることはない。
25年前、ロンドンで買った家が5倍の価格になった話
25年前にロンドンで家を買った日本人女性が「今5倍の価格になった」と教えてくれた。
仮に2千万円で購入したとして、今なら1億円で売れるのか。
「わたしは住んでいただけだけど」と言っていたけれど、これぞ寝ているだけでお金が貯まるって話だ。
続きは次回! お楽しみに!
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