過去世のお話 — 妖精編・続編 — 空想の世界に住むポピーちゃんその後

ポピーのユニークさに疲れると真顔で言う夫……

母親の私から見ても、ポピーは幼い頃から本当に変わった子でした。
同年代の子供との接触を嫌がり、ひとりを好み、人間関係を築く感性を持ち合わせていないように映りました。

また音に極端に敏感で偶然の音楽に涙ぐんで泣き出すことが頻繁にありました。
アイコンタクトが苦手で、話しかけてくる時でも目線はどこか別の場所。
「心ここにあらず」はしょっちゅうでした。

4歳になる頃から、笑っては泣き出す、ヒステリーのような行動を見せるようになり、家族が疲弊し始めていました。
スペクトラムを疑いセラピストに相談するも、ポピーが幼すぎて診断が付かず、手探りの毎日でした。

雅恵さんにセッションを依頼し、雅恵さんが来訪するその日、ポピーには「お友達が来るよ」とだけ伝えていました。
雅恵さんが車から降りてくるのを見た途端、ポピーは強烈に一目ぼれ。一瞬でなついてしまいました。
自分から近寄り手を差し出して握手を求め、先に立ってドアを開けると、早く早くといった様子で自分の部屋へ案内します。

雅恵さんはやさしくボディコンタクトで距離を縮めながらポピーを見守ります。
ポピーが席を立った際にテーブルにあったムーミンの本を指して、「この子はこういう存在だったの」と雅恵さんがひとこと。

小さなポピーは、かつて妖精だったのです。

ポピーが人間とは全く異なる存在である妖精だったと知らされ、その事実は、今までの問いに答えを与えてくれました。
妖精は自然界と人間界をつなぐ存在。
生後3ヶ月位の頃、風に揺れる木々を顔を上げて眺めていた様子を思い出します。
自然を愛し、競争を好まず、慈愛の心を持つポピーは、確かに子供の世界で生きにくいことがあるのでしょう。
時間を気にする、やるべきことをやる、空気を読む……

ポピーの問題は、社会適応に必要な要素が欠けていることに起因します。
スペクトラムと重なる部分でもありますが、社会の規則に馴染まない、社会の規則を理解できないのは、彼女が自然界に近い魂を持っていることに起因していると解釈できます。