『サルでもわかるハリィー先生のアヴァンギャルドな東洋医学講座』第五話~オキシトシンはスピリチュアルなホルモン?~

ヒトの鼻にオキシトシンを噴霧すると、そのオキシトシンを噴霧されたヒトの情動が安定して不安感が消失するという驚愕のデータも出て来ている

 

ハリィー先生とトリ子さんのサルでもわかるイントロ談義

ハリィー先生(以下 ハ)
「う~ん、だいぶ良くなってきたねぇ。トリ子さんの『活きた凝り』のほぐれ方が、以前よりも随分と速くなったよ」

トリ子さん(以下 ト)
「先生にそう言ってもらうと、スゴク嬉しい! ほんと身体が軽くなって、疲れ方が最近は昔と比べて全然違うわよ。なんというかスタミナが付いてきたっていうか、身体の『持ち』がいい。やっぱり凝りも学習するのかしらね?」

「おっ、トリ子さん、その『凝りが学習する』って言葉は、とっても良いコピーだね。そう凝りも皮膚も筋肉も臓器もみんな学習してると思うよ。だから、何度も繰り返し治療していると、身体は治療という入力に素早く反応するようになる。長く治療している身体は、ほんの少しの治療刺激の入力で、簡単に効果が出るようになる。
さらに言えば、そうした長年の治療情報の入力が蓄積すると、体質まで変えることができる。これが長期間の治療による『バタフライ効果』なんだね」

「複雑系の科学で流行った『蝶の羽ばたきが竜巻になる』というアレね。システムにおける初期の小さなゆらぎが最終的には非常に大きな効果を生むという仕組みを、先生はいつも治療やヒトの生理現象に応用して考えるわよね」

「1回の治療で魔法のように症状が軽くなる場合もままあるけど、それはあくまで限定された症状に関してで、普通は治療というものは、もっとロングスタンスで行っていくものなんだよ。
でもそういう長期的な養生の視点での鍼灸指圧は、まだまだ一般化していない。
だから啓蒙も『ミツバチの囁き効果』を期待して、こうして地道にコツコツと声を上げていくんだよ」

「アレッ、その『ミツバチの囁き効果』という言葉は初めて聞いたわ。英語に直すと『ビー・ボイス・エフェクト』かしら? そんな言葉が複雑系の科学にあったっけ?」

「ないよ。だって私が発案して今初めて使った言葉だもん(笑)ミツバチという小さな生き物だって、一匹では卑小な存在だけど、たくさんの仲間が集まってブンブンと羽根を広げて筋肉を動かして体温を上げて、一斉にみんなでスズメバチに飛びかかれば、巣を襲ってきたスズメバチをその体熱で殺してしまうことができる。
ヒトはひとりひとりは小さい存在かもしれないけど、その小さなひとりひとりがブツブツと声を上げて、情報を発信していけば、やがて世論を動かすほどの大きな声になるはず。自分の啓蒙運動はきっといつかそうなると信じているんだよ」

「ハリィーの囁きはやがて人類72億人の耳に伝わるほどの大音声になって、日本を、そして世界を熱く変革する! かっこいいじゃん、先生(笑)」

「でしょー?  はい、気を良くしたところで、ビー・ボイス・ハリィー旋風『サルわか』シリーズ第五話の開講です!」

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オキシトシンはスピリチュアルなホルモン?

「ねぇ、ハリィー先生、ここんとこ、愛情ホルモンとしてホットな話題を提供しているオキシトシンについての集中講義が2回、続いたよね。オキシトシンの作用といえば陣痛促進と射乳反射しか知らなかったけど、実はオキシトシンには傷の治りを速くする作用や、学習能力をアップする頭を良くする作用すらあることが先生の講義で分かった。
この二点だけでも、けっこう衝撃的なんだけど、まだまだ何かオキシトシンには隠された秘密があるのかしら?」

「そうだね、まだまだあるといえばあるね。でも、そんなに結論を急がないで、ちょっとゆっくりとしたペースでハナシを進めていこうよ。なんせアドベンチャーの旅路は長い方が楽しみも増えるし」

「そうよねぇ、豪華客船で旅してるそんな気分かしら(笑)」

「クイーン・エリザベス号ならぬビー・タイフーン・ハリィー号かね」

「えっ、なにソレ? なんだかハリケーンに巻き込まれそうだわ、アハハ(笑)でも、先生、基礎知識としてもう1回、聞いておきたいんだけど、そもそもオキシトシンは身体のどこで産生されて、どんな風に作用しているの?」