春菊は「食べる風邪薬」、美味しく食べて元気に冬を乗り切ろう。おすすめはサラダ。

春菊

鍋料理に欠かせない春菊

寒いですね。そんなときはホカホカの鍋料理が食べたくなりませんか。冬といえば鍋料理が思いつくほど、出番の多い料理です。鍋料理って、野菜をたくさん食べられてヘルシーなのが魅力ですよね。そして、調理も簡単。ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富な野菜をたくさん食べることで美容にも最適です。また身体が温まり、代謝が向上してダイエット効果も期待できるので、一石二鳥です。

毎日でも飽きないほど様々なレシピがありますので、鍋料理でしっかり身体を温めて元気に過ごしていきましょう。今回は鍋料理の定番野菜、春菊についてお話しします。

鮮やかな緑色で存在感抜群な春菊は定番中の定番である白菜に比べると好き嫌いが分かれますが、鍋料理に欠かせない存在です。それもそのはず、春菊はとても栄養満点な野菜だからです。美味しく食べるコツについてもお話ししますので、ぜひお役立てください。

トップクラスの栄養を含む春菊

春菊には緑黄色野菜ではトップクラスの栄養素が含まれています。実は、漢方では「食べる風邪薬」と言われるほど、高い効果があることで知られています春菊には、咳や痰を抑え、喉や肺などの呼吸器系を守り、免疫力を高める作用があるからです。疲労回復や免疫力の向上、美容にも効果的なので、とてもおすすめです。

春菊は名前の通り、キク科キク属の野菜です。春菊の旬は11月〜3月頃です。冬に旬を迎える野菜なので、いまが食べごろです。とはいえ、冬が旬なのに、なぜ「春菊」と呼ばれるのか疑問ですよね。実は、一般的に菊の花は秋に咲きます。春菊は春に黄色い花を咲かせることから「春菊」と呼ばれるようになったそうです。そして、葉が菊に似ているからです。

春菊は抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富です。皮膚や粘膜、髪の健康維持、呼吸器系や視力を守る働きがあります。また、骨の形成に必要なカルシウム、貧血予防に役立つ鉄分などのミネラルが豊富です。マグネシウム、リン、葉酸なども豊富で、健康を維持してくれます。春菊といえば独特の香りが特徴ですが、あの独特の香りの成分は「ペリルアルデヒド」と言い、自律神経に作用して免疫力を高めてくれます。また、胃腸の調子を整えて活性化したり、咳や痰を抑えたりする効果もあります。

春菊って、少しクセのある野菜ですが、とても栄養価の高い野菜なので、春菊のクセが苦手だという方にもぜひ食べていただきたいです。案外、食べている内にハマってしまうかもしれませんよ。そのクセこそが春菊の最大の魅力であり、栄養なのですから。

美味しい春菊の選び方

まず、色が濃く、鮮やかな緑色のもの、ツヤがあるものを選びましょう。また、葉先までシャキッとしている元気なものを選びましょう。鮮度が落ちてくると色あせて黄色みをおびてきます。そういったものは避けてください。

茎は細い方が柔らかいため、美味しく食べられます。茎が太いものは育ち過ぎで、葉が厚くて固いものが多い傾向にあります。しっかりと張りがあり、根本まで葉がついているものを選びましょう。切り口の断面のみずみずしさもチェックしてください。さらに、香りが強いものを選びましょう。香りが強いものほど新鮮です。

春菊の保存方法

春菊は乾燥を防ぐため、濡れた新聞紙やキッチンペーパーなどにくるんで、ビニール袋に入れてから冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫に入れる際には、畑で生えていた状態を保つように立てて置くのがポイントです。コップやペットボトルの上部を切ったものなどを利用して、立てて野菜室で保存してください。2〜3日を目安に食べ切るのがおすすめです。

寝かせて保存すると茎が曲がりやすくなり、傷みが早まってしまう原因になります。また、栄養価や甘みも減ってしまうので、必ず立てて保存してください。

冷凍保存も可能です。冷凍すれば1か月長持ちします。春菊は、水で洗ってぺーパータオルでしっかりと水気を拭き取ってください。食べやすい大きさに切って、冷凍用保存袋に入れてください。茎の先端の茶色い部分は切り落としておきましょう。空気を抜いて袋の口を閉じ、冷凍庫に入れてください。茹でて食べる予定であれば、新鮮なうちに茹でて保存しましょう。

下茹でしてから冷凍した方が食感や香りを保てます。塩を入れた熱湯で30秒~45秒程度サッと固めに下茹でして、すぐに冷水におとしてから水気をよく絞ってください。4~5cm程の食べやすい長さに切って、小分けにしてラップに包んだり、密封容器に入れたりして冷凍庫に入れてください。下茹でしているので、和え物やお浸しなどに使う場合は自然解凍し、味噌汁などの汁物には凍ったまま入れてOKです。

春菊の美味しい食べ方

実は、加熱しなければ春菊の苦みはほとんど感じられません。加熱することによって苦みを感じるようになるのです。そのため、春菊といえば鍋料理で食べるイメージですが、サラダにして美味しく食べることもできるのです。生の春菊は葉が柔らかく、香りも良いので噛むごとに豊かな風味を味わうことができます。あの独特の苦味も生だと強くないので、サラダにぴったりなのです。

サラダで美味しく食べるコツは、香りが強くて葉先に張りがある新鮮な春菊を選ぶことです。そして、サラダが水っぽくならないよう、しっかり水気を拭き取ってください。さらに、食べる直前に調味料と和えることをおすすめします。調味料と和えて時間が経つと春菊から水分が出て、しなしなになってしまいます。必ず、食べる直前に調味料と和えてくださいね。

サラダ以外にも、炒め物やお浸し、ナムルなどにしても美味しいです。ただし、春菊はクタクタになるまで加熱してしまうと、アクが出て黒く変色し、苦みが強くなってしまいます。しゃぶしゃぶのようにサッとお湯にくぐらせる程度(10秒くらい)にとどめるのが美味しく食べるコツです。苦みが抑えられますし、春菊ならではのさわやかな香りとシャキシャキした食感を楽しめますよ。

少しクセのある春菊ですが、栄養満点で幅広いレシピに活用できる野菜です。ぜひ、様々な食べ方で気軽に楽しみながら、旬の春菊を味わってくださいね。





  

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