心も身体も癒してくれる香りの効果
良い香りに一瞬で癒されたということ、ありませんか。それは香りが脳の「考える」部分（大脳新皮質）を通さず、「感じる」部分（大脳辺縁系）に瞬時に伝わるからです。ちなみに、そのスピードは0.2秒以下だと言われています。痛みが脳に伝わるのが約0.9秒なので、いかに早いかわかりますよね。
嗅覚は五感の中でも、遥か昔から存在する原始的な感覚器とされています。視聴覚の情報と違い、嗅覚の情報は「考える」部分（大脳新皮質）を経由せず、「感じる」部分（大脳辺縁系）にダイレクトの伝わります。そのため、香りをかぐと何の香りかを判断する前に感情が動くので、効果をすぐに実感できるのです。
このように脳にダイレクトに働くのは、人間の五感の中で嗅覚だけです。香りって、とても気軽に楽しめます。普段の生活に香りの癒しをどんどん取り入れてみましょう。香りといっても色々ありますが、おすすめは天然の精油の香りです。
精油は自律神経、内分泌系（ホルモン）、免疫系に働きかけ、心と身体のバランスを整えてくれると言われています。そのため、梅雨のだるさをスッキリさせ、心と身体のバランスを整えてくれるのに最適なアイテムなです。ぜひ取り入れて、精油の香に癒されながら、心も身体もリフレッシュしましょう。
部屋に香りの癒しを
精油の活用方法はとても簡単です。ディヒューザーやアロマストーンなどのアイテムがなくても、家にあるもので楽しむことができます。精油をハンカチやティッシュに１～２摘たらして、机の上や枕元に置くだけでOKです。それだけで、香りに包まれたリラックス空間を作ることができます。とても気軽にできますので、やってみてくださいね。
寝る前に枕元に置いておけば、安眠効果も高まります。ラベンダー、オレンジ、グレープフルーツなどがおすすめの香りです。（注意：精油を使用する際、妊娠中の方、持病をお持ちの方、敏感肌の方、その他使用に不安のある方は専門家や専門医にご相談の上、ご使用ください。なお、動物への使用はおやめ下さい。）
芳香浴もおすすめ
芳香浴も家にあるもので楽しむことができます。アロマポットやディフューザーがなくても大丈夫です。必要なのはマグカップとお湯だけです。60℃～70℃くらいお湯をマグカップに注ぎ、その中に精油を1～3滴ほど入れてください。
芳香浴をする際、目を閉じて、深呼吸するようにゆっくりと蒸気を吸い込んでください。気持ちがほぐれ、リラックス効果を得ることができます。（注意：芳香浴をする際、顔を近づる場合は必ず目を閉じてください。精油の成分が目の粘膜を刺激する場合があります。）
ハーブティもおすすめ
日頃から何かしらの不調を感じること、ありますよね。病院に行くほどではないけれど、ちょっとした不調をなんとかしたいという人におすすめなのがハーブです。人間の不調の背景には、ストレスが存在する場合が多いです。強いストレスを受け続けると、自律神経の働きやホルモンの分泌が乱れたり、心身の不調が出たりすることになるのです。
どうしても表面に現れている症状を抑えることに注目しがちですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。そんなとき、ハーブが役立ちますよ。ハーブは、不調の背景にあるストレスを和らげることで、全体的に体調を整え、症状を改善へと導いてくれます。
また、とても手軽に楽しむことができます。食品やお茶として摂取するハーブのほとんどはセルフケアに使いやすいのです。ハーブを使ったケアにはいろいろありますが、おすすめはハーブティです。生のハーブでも、ドライハーブでもOKです。
最近では、レストランのドリンクバーにハーブティが置いてあることもあります。そのようなサービスを利用したり、スーパーなどに売っているティーパックで試してみたりするのも良いと思います。香りに癒されながら、ハーブティの効果で心も身体もリフレッシュしましょう。
暑い季節のおすすめはレモングラス
ハーブティと言えば、カモミールやラベンダー、ローズヒップなどがポピュラーですが、暑い季節のおすすめはレモングラスです。レモングラスとは、イネ科のハーブです。レモンにも含まれる「シトラール」という成分が入っていて、レモンに似たとてもさわやかな香りがします。レモン同様、気持ちをリフレッシュさせる効果があります。心と身体に安らぎを与えてくれるレモングラスティーは、ノンカフェインなので寝る前に飲んでも睡眠の妨げにならず、安心です。消化促進や胃もたれにも効果的です。
また、レモングラスの精油もありますので、色々な方法で香りを楽しむことができます。殺菌、抗菌、消臭効果が高いので、虫よけとしても活用できます。お部屋はもちろん、お家の中の気になる場所や、靴や衣類の抗菌や消対策臭に役立ちます。虫よけ対策にもなりますので、これからの時期におすすめの香りです。
香りの癒しをもっと感じ取って
よく、「考えるより感じろ」という、ブルース・リーの名言を聞くことがありますよね。まさに、頭で考えるのではなく、心で香りを感じ取ってみましょう。心惹かれた香りがいまのあなたに必要な香りなのです。精油を選ぶとき、効能も大事ですが、ご自分の好きだと感じる香りを選んでみてください。そうすることで、自ずと必要な効能のある香りを引き寄せることにもなりますよ。
今回はレモングラスをおすすめしましたが、自分にとって心地良いと感じる香りであることが最も大切です。心地良いと感じない香りの場合、かえって逆効果になることもあります。色々な香りを試して、心で感じたまま選べば癒し効果倍増です。まだまだ過ごしにくい季節は続きますが、楽しみながら香りの癒し効果を取り入れて、リフレッシュしてくださいね。
