実りの秋のオススメは!?
すっかり秋が深まってきましたね。
涼しくなってきたせいか、よく眠れるようになった気がします。
とはいえ、夏の疲れを引きずりやすい時期でもありますので、油断せず体調管理に気をつけてくださいね。
体調管理のために、食事に気を遣うという方も多いと思いますが、忙しいとついつい手抜きしたくなるかもしれません。
油断していると、ついつい間食が増えてしまったり、レトルト食品で簡単に済ませてしまったりしそうです。
たまになら良いかもしれませんが、度重なると健康を害することもありますので、なるべく規則正しい食生活を心がけましょう。
せっかく食べるなら、身体に良いものを摂るようにしたいですね。
『実りの秋』なので、旬の野菜や果物を摂るのも良いと思います。
旬な食材って、とても美味しいですよね。
旬の食材が美味しく感じるのは、その時期に必要な栄養素を持っている食材を本能的に必要としていることを理解しているからなのです。
季節関係なく年中、好きな食材が手に入りますが、ぜひ旬の食材を積極的に摂るようにしましょう。
旬の食材は、その時期にたくさんとれるものでもあるため、流通量が増えて単価が安くなります。
お得にお買い物して健康も手に入れてくださいね。
秋と言えば、果物も美味しいですが、そのなかでも柿がオススメです。
というわけで、今回は柿についてお話しますね。
柿は栄養が豊富
柿には栄養が豊富に含まれています。
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほどです。
文字通り、柿が赤くなる秋は過ごしやすい天候です。
そのため、体調を崩す人も少なくなり、医者は商売にならず青ざめてしまうという意味です。
また、医者がいらなくなるほど、柿健康効果が高いという意味合いもあります。
柿はビタミンが豊富に含まれています。
柿1個で1日の必要量をほぼまかなえるくらいのビタミンCを含んでいるそうですよ。
喉の粘膜を強くしてくれますし、ウィルスに対する抵抗力もつきますので、疲労回復や老化防止にも効果的です。
これからの季節の風邪予防にぴったりですね。
アルコールの分解作用があるタンニンも含まれているので、二日酔いにも効果があると言われています。
お酒を飲む前に先手を打って柿を食べておくのも良いと思います。
悪酔いしたくない方は、対策として覚えておくと良いですよ。
柿にはカリウムも含まれているので、高血圧の方やむくみが気になる方にもオススメです。
ただし、冷え性の方や塩分が不足している方は食べ過ぎに注意してください。
適度な塩分は、身体を温めるためにも必要です。
しかし、柿を食べ過ぎてしまうと、尿と一緒に塩分の排出を促してしまうので気をつけてくださいね。
柿に限った話ではありませんが、何でも食べ過ぎたら害になります。
たくさんの種類の食品をバランス良く食べることを意識してみてくださいね。
美味しい柿の選び方
まず、柿のへたの部分をチェックしてみましょう。
へたがきれいで4枚そろっているもの、葉の色はなるべく緑色が残っているものが良いです。
そして柿の実にへたが張りついていて、隙間が無いものを選んでください。
隙間があると虫が入り込んでいる可能性があるようです。
次は実をチェックしてみましょう。
形が整っていて、全体に濃いオレンジ色に色づいているものが良いです。
そして手に持ったとき、ずっしりと重みがあるもの、しっとりした張りのある皮のもの、柔らかすぎないものを選んでください。
柿の旬は9月頃から12月頃までで、10月頃が出荷の最盛期です。
ちょうど今が食べごろなので、ぜひ美味しい柿を食べてみてくださいね。
柿といえば正岡子規
最後に、『芸術の秋』ということで柿にまつわる俳句のお話をしようと思います。
秋の有名な俳句があります。
「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
作者である正岡子規が、柿という秋の果物を季語に秋の訪れを実感して詠んだ有名な俳句です。
法隆寺に立ち寄った後、茶店で一服して柿を食べていると、次の瞬間、法隆寺の鐘が鳴り、その響きに秋を感じたといういう意味です。
とても理解しやすく、なんとなく情景を思い浮かべやすいですよね。
柿という季語から秋を感じ、そこから趣がある法隆寺の秋の美しさをしみじみと感じることができる素晴らしい俳句だと思います。
実際に、正岡子規は柿が大好物だったそうです。
正岡子規と仲が良かった夏目漱石が「三四郎」という作品の中で、そのことを書いています。
果物がたいへん好きで、いくらでも食べられる子規は、あるとき大きな樽柿を16個も食べたことがあると。
樽柿とは、渋柿を酒の空樽を用い酒樽に残ったアルコール分によって渋抜きして甘くした柿のことです。
柿が大好物だった正岡子規は樽柿も好んでいたそうですよ。
それにしても16個も食べてしまうなんて、それだけでもビックリですが、無類の柿好きであった正岡子規は柿にまつわる句を他にも詠んでいます。
「柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな」
「渋柿やあら壁つづく奈良の町」
これらも同じ頃詠まれた句で、よほど奈良や法隆寺と柿の取合せが気に入ったようです。
そして晩年には、「我死にし後は柿喰ヒの俳句好みしと伝ふべし」(私が死んだら、柿食いの俳句好きと言ってほしい)という句も残しています。
2005年、全国果樹研究連合会カキ部会が「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」が詠まれた10月26日を『柿の日』に制定したそうです。
この先もずっと、柿と共に岡子規の素晴らしい俳句は末永く詠まれると思います。
きっと天国で正岡子規も喜んでいることでしょう。
柿を食べながら。
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