こころを癒すことは、玉ねぎの皮を剥くのと同じ
脳の中を書き換えてしまえばいいのです。
と前回にお話しました。
脳の中にしまわれた傷つきや、思い込みなどは無意識に作られて、脳の奥に刻まれてしまっています。
さて、では書き換えという事はどうすれば出来るのでしょう?
そこが問題です。
「傷つき苦しんでいる」状態の自分しか知らない脳は「傷つき苦しんでいる」状態から物事を見ることしか出来ません。
だから、まず、傷ついている自分を「知る」ことが大切になるのです。
講座を開催すると、「自分は傷ついていた」ということに初めて気づいた! と、皆さん驚かれます。
「そうか! 私は父に叱られて、こんなにも悲しかったのだ!」
「子供だから気づかなかったけど、あの親の態度はひどいものだったのだ」
「お母さんがいつも私に命令ばかりしていて、とても辛かったのだ」
という風に気づきを起こされるのです。
記憶には「記銘」「保持」「想起」という三つのプロセスがあります。
「記銘」は覚えること。脳にインプットする事。
「保持」は、脳がその情報を維持し続ける事。
「想起」は脳の中にある情報を引き出す事です。
パソコンにファイルを保存しているのと同じ事ですね。
この記憶というものを、脳というパソコンの中にある沢山のフォルダのどれかにしまい込んでから長く時間が経つと、どこにしまったのか忘れてしまいます。
パソコンならば何らかのキーワードで検索をすれば目的のファイルを呼び出せます。
それと同じように自分の問題となっている記憶を呼び出す作業が必要になります。
さて、こんなことありませんか?
何かをしているときに、急に別のことを思い出して腹が立ち、怒りがおさまらない。
もう、りっぱに大人なのだから気持ちをコントロール出来るはずなのに、どうしても感情が溢れだして、止められなかった……。
そんなようなことはありませんか?
それこそが、あなたの脳が「記銘・保持」してしまった感情を、あるきっかけを通して期せずして思い出してしまったという事なのです。
例えば職場で、上司のものの言い方にとても腹が立ったとします。
ものの言われ方が悪いと誰でも腹が立つのは当然ですが、ではなぜそれに、そんなに腹が立ってしまったのか? です。
無意識に記銘してしまったあなたの脳は「こんなことがあって、このように感じたので悲しかった、苦しかった。」といった明確な内容で覚えていません。
その時のイメージや感情で記憶しているのです。
だから、どうして腹が立ったのかその明確な理由は分からないものなのです。
さあ、では私は質問します。
「過去に、貴方の上司と同じ様なものの言い方をした方は誰ですか?」とそして「えー……あっ! お父さん……」と思い当たると、お父さんとの関係を思い出すことが出来ます。
「お父さんのものの言い方は、私のことをバカにしているみたいで本当に嫌だった。だから上司の言い方がお父さんに似ていて腹が立ったのかも。」
という事に気がつきます。
これが「想起」です。
気づいて悲しみを消してください。
消すには、まず、語ることです。泣くことです。
では、それは誰に語ればいいのか?
出来たら、友人や彼氏、彼女など、「うん、うん、そうだったのね。悲しかったね。」と傾聴してくれる方たちを思い出してください。
そんな方たちに話して、自分の悲しい気持ちを脳の中から消してしまいましょう。
「悲しかった、嫌だった」という「記銘・保持」した内容を書き換えるのです。
「昔は嫌だったお父さんの言い方」→「そういうものの言い方しかできないお父さん。
昔は嫌だったけど、今は嫌いじゃない」という風に……。
人は思い込みのまま生きています。
その思い込みをしっかり切り替えて生きることが「楽になる」という事だと思います。
こころを癒すことは、玉ねぎの皮を剥くようなものと私は話すのですが、1枚皮を剥いたら、またその次の皮が出てくるものなのです。
「楽になること」に気が付いて苦しみや悲しみの皮を剥いていきます。
でも、苦しみが深すぎて皮むきの枚数が多い人はどうすればいいのですか?
なかなか楽になれないのですが……という状態もあります。
そのような時にはどうしたらいいのでしょう?
それはまた次回でお話させていただきますね。
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