STAP細胞から見た生命の不思議〜白山大地の「毎日がスピリチュアル」第二回

STAP騒動を覚えておられることでしょう。
2014年1月に、理化学研究所が発表したSTAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)による一連の騒動のことです。

 

STAP細胞を論文にまとめたのは、小保方晴子氏。

当初は、マスコミに派手にもてはやされた彼女でしたが、後に論文のミスを指摘され、最後には、科学者としての名誉はもちろん地位までも追われてしまいました。
今ではSTAP細胞自体もなかったことにされています。

せっかくのノーベル賞級の研究が、どうしてこのようなことになったのでしょうか。
そもそもSTAP細胞とは、分化した(すでに役割の決まった)細胞が、酸などの刺激を与えることで未分化の状態に戻った(役割が決まる前の多能性を取り戻した)細胞のことです。
この細胞の研究が進めば、再生医療にとって大きな可能性が広がります。

STAP細胞が存在することは、小保方氏の手記『あの日』(講談社)を丹念に読めばわかります。
STAP細胞が誕生するまでの経緯が詳しく記され、そこに疑問を挟む余地はありません。

彼女は、青春時代のプライベートな思い出も一緒に綴り、一般読者も楽しめるようにしたつもりでしたが、そこだけが注目されたのは残念なことです。

 

それでSTAP細胞は完全否定されてしまった。

(論文で主張されているSTAP細胞・STAP幹細胞の特徴をiPS細胞の特徴と比較したもの/画像提供・ウィキペディア)

理由の一つには、特許のことがあると思っています。

特許が認められれば、莫大なお金が入る可能性があります。
現在、日本では特許は認められず、世界でも、未承認の可能性が大きいようです。
ですからお金が欲しくて画策した人たちがいたなら残念に思っていることでしょう。
ただし、STAP細胞そのものが否定されたのではなく、STAP細胞をつくり出す手順が特許に値しないということのようです。

もう一つの理由は、周りの研究者たちの嫉妬と保身です。
うら若き女性研究者の成功がうらやましく足を引っ張りたい人や自分の地位の保全のために、彼女の足を引っ張り責任を押しつけた人たちがいたのです。

たとえば、博士号をはく奪した早稲田大学。
彼女と同じようなミスをした人はたくさんいたのに、小保方氏だけがはく奪されてしまいました。
大学は彼女を見殺しにして、自らに降りかかるだろう中傷を回避しようとしたのです。

嫉妬と保身は侮れません。
たとえば、森友加計学園問題。

問題が発覚したのにも関わらず、国会で答弁をごまかしたり、はぐらかしたりして、国や国民の利益よりも自らの保身と利益を優先させた人たちがたくさんいました。
その点、元文科省事務次官の前川喜平氏は立派でした。
きっと彼は魂の成熟度が他の人たちとは違うのでしょう。

それはさておき、STAP細胞が認められなかったもう一つの理由に、検証実験がうまくいかなかったことが挙げられます。

実験で、小保方氏が行ったSTAP細胞を作るまでの過程は見事に成功しましたが、できた細胞の万能性を確認する作業はうまくいきませんでした。

元々この部分は彼女が担当していたのではなく、別の研究者が行っていて、彼女はその方法を教えてもらえていなかったのです。

失敗は仕方ありません。
その研究者は保身のために逃げてしまい、検証実験には加わりませんでした。

もう一つ、小保方氏が提唱する方法で、別の研究者が実験を行ったところ、STAP細胞の作製に成功しなかったことが挙げられます。
私は、ここに生命現象の不思議さを感じています。

 

同じことを行っても成功する人とそうでない人がいる。

もちろん、小保方氏本人も気づかないほど手順に細かな違いがあったのかもしれませんが、そうではなく、実験者の精神性が大きく関与したのだと私は考えています。

これに関しては次回掘り下げてみましょう。

 

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