免疫を高める食品選び〈5〉~気忙しい現代の心のバランスを整え、 安定感をもたらす食べ物・米~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.87

米をはじめとする穀物類は、鉄分、カルシウム、ビタミン、炭水化物、タンパク質などの様々な栄養成分を私たちの体に提供し、組織や筋肉、骨を構築し、体のエネルギー源と耐久性を強化してくれる重要な食べ物です。

◎「白米と玄米」

さて、白米と玄米は、色も明らかに違いますが、その質も全く異なります。

西洋では、白米よりも糠といった繊維質が高く含まれている玄米が、理想的な食べ物として高い評価を得ていますが、アーユルヴェーダでは、長細い形をした香り豊かなバスマティライスが推奨されています。

これは、バスマティライスが純粋でとても消化が軽い米で、生理化学のバランスをとるための食べ物としてとても優れているからです。

玄米の外殻は、たくさんの繊維、ビタミンB類、微量ミネラル分に覆われています。
この部分が除去されると、米は白色になります。

白米は玄米に比べて必然的に繊維が好くなくなりますが、それでも栄養価はあり、私たちにタンパク質とエネルギーを供給します。そして、外殻が除去されている分、消化がずっと軽いのです。

このため、消化能力が低下している時に食べる米は、白米の方がすすめられます。
アーユルヴェーダによると、私たちの消化力が自然に落ちやすい時期は、暑い夏の時期や暖かい月です。こういった季節の変化に応じて、食事を調整する必要があります。
このため、夏の間は、玄米よりも白米の方が、よりよい選択となります。

(細長くて消化が軽いバスマティライス)

一方玄米は、消化が重たいので、より涼しい、冬の時期に食べるのがベストです。
冬は私たちの消化力がもっとも高まり、なんでもおいしくたっぷりと食べることができる季節です。

一年のうち、どの時期に玄米を食べてもかまいませんが、冬以外の時期に食べる場合は、玄米を炊く前にたっぷりと水に数時間浸し、消化が簡単になるような下準備をしておくことがおすすめです。

また、アーユルヴェーダでは、季節的な要素だけでなく、その個人の体質も考慮します。
いつも強い消化力を維持している人にとって玄米は、一般的によい食べ物のひとつです。

一方、消化力がまばらだったり、普段から弱めの人は、玄米よりも白米の方が消化が軽いので、体への負担が少なくて済みます。

 

★ドーシャ別・適した穀物

米をはじめとする穀物類は、鉄分、カルシウム、ビタミン、炭水化物、タンパク質などの様々な栄養成分を私たちの体に提供し、組織や筋肉、骨を構築し、体のエネルギー源と耐久性を強化してくれる重要な食べ物です。

特に、ヴァータ体質やピッタ体質の人たちは、穀物をより多めにとることで、身体面とメンタル面において、安定がはかれます。(ピッタの人たちは基本的にドーシャの中で一番強い消化力を持っているので、どんな未精製穀物も、気にせずに食べれる得な体質です)

一方、穀物は基本的にカファを増大させる効果があるため、体重を気にしているカファ体質の人は、米や小麦をとる量を少なくし、代わりに大麦やライ麦のような痩身効果のある穀物を多めに混ぜて食べると、バランスがとれます。

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米をはじめ、大地と太陽の両方のエネルギーをたっぷりと吸収して育つ全粒穀物類は、私たちの体を作り上げて安定感をもたらしてくれる、グランディング効果バツグンの食べ物。

「ダイエット中だから食べない」などといわず、賢く食べてみてはいかがでしょうか。

 

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