本気な菌活シリーズ 6〜短鎖脂肪酸について〜+プレバイオティクスたっぷりオヤツレシピ

胃腸の不調な人は、腸内環境が整う事で、通常の食欲が出て、食後の不快感も軽減される可能性があり、虚弱体質から脱出できるかもしれません。

◎腸内細菌が作る短鎖脂肪酸

牛は草食動物(反芻動物)で牧草を主に食べますが、それであのような立派な体格になります。

人が牧草を食べたとしても、そもそも消化できないので体格になるどころか、消化不良で衰弱していく可能性が高いです。
彼らは草だけでどうやってあれだけの体格を維持するエネルギーを得ているのかと言えば、体内にいる微生物、腸内細菌が牧草(食物繊維)を食べて「短鎖脂肪酸」を作りだします。

牛自体は体内の微生物が食べる食材を届けている、という格好で、人間が食物繊維を食べる事と同じです。
反芻動物の場合は発酵する胃や消化する胃など多くの胃があり、人間とは違う構造になっていますし、体内に住んでいる菌も違います。
人間でも大まかな仕組みは同様で、野菜や穀物に含まれる食物繊維を腸内細菌が食べる事で短鎖脂肪酸が生成されます。
牛などの反芻動物はこの仕組みで、身体を作り維持するためのエネルギーを得ています。
ですから、食物繊維は実質的にはエネルギーゼロでは決してありません。
考えてみたら当然で、牧草や雑草といっても太陽の光エネルギーや、土中様々なミネラル等の栄養素から成長しているわけですし。

 

◎短鎖脂肪酸の優れた機能

人がエネルギーや利用できる形としての短鎖脂肪酸は、「酢酸」「酪酸」「プロピオン酸」の主に3つ。
反芻動物ではさらに多くの物質を利用しているようです。
短鎖脂肪酸は牛が主にエネルギーにしているように、人もエネルギーに出来ますが、それは糖や蛋白質の摂取とは違った吸収のされ方と効果が有ります。
とりあえず今回は人が利用する短鎖脂肪酸という事で、上記の3つを主に取り扱います。
因みに糠床には(糠床によりますが)、酪酸と酢酸を生成する「酢酸菌」「酪酸菌」が生きています。

主な効果3つ

1、短鎖脂肪酸は、マグネシムやカルシウムなど人体に必須のミネラルの吸収を助ける。
昨今ではミネラルの重要性が叫ばれていますが、短鎖脂肪酸はその吸収を助けてくれます。
2、大腸の粘膜を修復する
大腸の粘膜修復、炎症などに効果があり、様々な疾患の予防が期待できます。
3、肥満防止
細胞レベルで脂肪の余分な取り込みを抑えます。異常な食欲を抑える効果もあります。

 

◎短鎖脂肪酸効果まとめ

上記の三つは主な機能でありますが、腸内環境と免疫は密接な関係であるために、免疫の向上や大腸がんの予防も期待できますし、脂肪の吸収と食欲両方を整えてくれますから、暴飲暴食等が減る事が予想され、無理のないダイエットが進む可能性が生まれます。

胃腸の不調な人は、腸内環境が整う事で、通常の食欲が出て、食後の不快感も軽減される可能性があり、虚弱体質から脱出できるかもしれません。
実際私は虚弱体質なのですが、糠床(酢酸菌・酪酸菌)を毎日そのまま食べる事で、今まで無かった食欲が出てきて、大変美味しく食事が出来ています。

特にミネラルに関しては様々な重要な要素がある事が解ってきており、現在サプリメント等で沢山ありますが、しかしせっかく摂取しても吸収されなければ意味がありません。
ミネラルの吸収を助けるのが、巡り巡って腸内細菌が担っていた、というのも意外なところではあります。

このように見ていくと、人体がカロリーゼロとしていた食物繊維が様々な菌のエサになる事によって、人体に良い影響を与えてくれているという事が解ってきます。
本当に腸内細菌とは仲良くやっていこう、という気持ちになってきますね。