■身近なものでヘルスケア&美容。第六回 ~キッチンにいつも置いておきたい、アーユルヴェーダの ヒーリングフード15品。part.4~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』~vol. 175

はちみつ

このシリーズ最終回の今回は、ヒーリングフードの15番目の食品、「生はちみつ」についてお伝えしたいと思います。

はちみつに「生」「加熱加工」されたものがあることは、実は私自身もインドで生活することになるまで、全く知りませんでした。

はちみつといえば、子供の頃に学校の給食で出てきた小分けパックになったものをパンに塗って食べるという印象が色濃く、また「おいしいもの」というイメージがまるでなかったはちみつでしたが、

インド暮らしをするようになって、「生」のはちみつの存在を知り、そのおいしさに、「ホンモノのはちみつって、こんなにおいしいものだったんだ……」と、当時は感動したものです。

この違いは、一体何なのでしょう?

今回はそのあたりのことにも触れながら、生はちみつのミラクルな効果についてご紹介したいと思います。

****

 

★「なぜ生のはちみつ?」

アーユルヴェーダでは、はちみつは数ある食品の中で最高の部類に入り、多くのアーユルヴェーダ薬の中に材料として含まれる重要な成分です。

ただし、はちみつを加熱すると、体にとって除去することがとても難しい毒素に変わってしまうことが大きな注意点です。
このため、はちみつは生のものを使い、調理したり熱い飲み物に加えないことが基本的なルールとなっています。

残念なことに、ほとんどの市販の液体状はちみつは、ウルトラフィルター加工(超ろ過)され、また低温殺菌の加熱プロセスを経ています。

これにより、自然の状態なら時間が経つにつれ結晶化し、凝固したり濁ったりするはちみつが、長時間液体のままで、しかも見た目も艶やかな外観に保つことができるため、スーパーでは消費者受けのいい加工はちみつが好まれます。
ですが、このプロセスの中で、はちみつが本来もつ自然治癒特性(健康促進酵素、ビタミン、抗酸化物質、抗菌特性)が失われてしまいます。

このため、信頼できる生産者から質のいいものを手に入れることが大事です。

はちみつ

(はちみつは加熱厳禁)

 

★神の薬

アーユルヴェーダの古い文献によれば、はちみつは甘味料以上のものです。
はちみつには甘みがありますが、後味に渋みが残ります。

また、乾燥作用と冷却作用があり、消化によく、顔色、軟化、強壮、寄生虫殺生剤、鎮痛薬、媚薬です。
このように、はちみつ自体が薬で、若返り食品であり、ヨガの食べ物です。