■身近なものでヘルスケア&美容。第六回 ~キッチンにいつも置いておきたい、アーユルヴェーダの ヒーリングフード15品。part.4~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』~vol. 175

はちみつ

アーユルヴェーダでは、はちみつを、「ナビハ・マドゥー(新鮮なもの、採取されたばかりのもの)」「プラナ・マドゥー(1年以上置いて熟成したもの)」の二種類に分けて区別しています。
これらにはそれぞれ違う質と作用があります。

前者のナビハ・マドゥーは、体を滋養する下剤としての作用があり、一方、後者のプラナ・マドゥーは抗利尿薬で、脂肪を減少させ、老廃したドーシャを擦り落として除去する作用があるといわれています。

体重管理や肥満予防には、熟成させ結晶化したはちみつ、プラナ・マドゥーがすすめられています。

実際、古くなったハチミツは、巣箱から出たばかりのハチミツよりも治癒力が強く、3つのドーシャすべての素晴らしい薬と考えられています。

 

★はちみつを作るミツバチへの敬意

古典的なアーユルヴェーダ文献では、はちみつにはたくさんの名前があり、

・マドゥー(甘く、心地よく、魅力的)
・プッシュパラサ(花のエッセンス)
・マクシカ(ミツバチから得られるもの)
・クスマサバ(花酒)

とさまざまな名前で呼ばれ、薬としての効能だけでなく、はちみつを作り出すミツバチ自体を神聖な生き物として、深い敬意が示されています。

ミツバチは、はちみつを作るために信じられないほど一生懸命に働きます。
そんなミツバチは、今日、多くの脅威に直面しているといわれています。
ミツバチがいなくなれば、この神聖な薬を手に入れることができなくなってしまいます……。

実際、はちみつは古い時代から、ブドウ糖と果糖に加え、さまざまなアミノ酸、ビタミンA、B、C、D、E、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。

現代の研究においては、抗アレルゲン、抗貧血、抗酸化物質、抗菌性、防腐性、解熱性、抗毒素性、抗炎症性、鎮静性、緩下剤性が確認され、また免疫機能を強化することも示されています。

 

★はちみつを使った家庭薬

・視力改善に「はちみつ+ニンジン汁」
はちみつ小さじ2をニンジンジュース(生のニンジンから絞った100%野菜汁)に入れて定期的に飲むと、視力改善薬になります。特にコンピュータの前に長時間座ることが多い人におすすめです。このレシピはまた、血圧のコントロールにも役立つということです。

・風邪、咳、胸のうっ血に「はちみつ+生姜汁」
はちみつと生姜汁を各小さじ2ずつ混ぜたものを頻繁に飲みます。

・喘息の症状を和らげる「はちみつ+黒コショウ+生姜汁」
毎日3回、これを混ぜたものを飲むと、症状が和らぐといわれています。

・血液浄化と脂肪減らしに「ホットはちみつレモン」
コップ一杯のお湯にレモン汁小さじ1を加え、お湯がほどよく冷めた時点ではちみつ小さじ2を加えて、朝起きがけに飲みます。

はちみつ

(質のいい生はちみつは、熟成すると結晶化する)

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はちみつは古代からの「長寿」と「健康」の伝統薬です。
1日1個のリンゴは医者知らず、とはよくいわれますが、生はちみつもしかり。

毎日小さじ一杯のはちみつで、医者知らずな日常を!

 

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(トップ画像/おいしそうに蜜を吸うミツバチ)