少し前、なんだか目がかすむことが多くなり(老眼?)、目にいい何か自然なものはないものかと考えていたところ、ふと思い出したのが、インド生活時代に愛用していたアーユルヴェーダ目薬。
インドは目にいい、あるいは目ヂカラを強くするためのアイテムが充実していて、アーユルヴェーダの目薬、カージャル(アイライナーのように使える、ハーブの灰でできた目の冷却剤)、スルマ(粉状の目薬で、小さい細長いスティックのようなものの先につけて目の中に入れる目薬)などが有名です。
当然日本にはそのようなインドのマニアックなものの代わりになるものはないので、先日、そんなハーブ目薬の中でも使ったこのないレアなメーカーのものをインドから取り寄せてみました。
届いた後、さっそく使おうと開けたとたん、独特の刺激臭。
原材料名をチェックしてみると、こう書いてありました。
「原材料:玉ねぎの汁、ショウガ、レモン汁、ハチミツ……(略)」
この小さなボトルから放たれる、やや嗅ぎ覚えのある刺激臭は、インド時代によく料理に使っていた紫玉ねぎの匂いでした……。
レモン汁やハチミツが入っているアーユルヴェーダの目薬は以前使ったことがあったので、材料として使われていることは知っていたのですが、玉ねぎの汁??
玉ねぎの汁が目にもよかったとは、今回はじめて知りました。
(ちなみにインドでは、「玉ねぎの汁を頭皮に塗ると育毛できる」と信じられています。)
このように、アーユルヴェーダの薬には、日本の常識では考えられないようなものがよく原料に使われていたりします。
ところで玉ねぎといえば、ヨガの世界ではにんにくと同様に「ラジャス質(活動、野心、熱望、性欲などを刺激する質)」の食べ物として、瞑想の邪魔になるため毛嫌いされがちです。
ですが、そのことは別として、薬効が高いとされる野菜のひとつでもあります。
玉ねぎをほとんど毎日食べるインドの人たちの免疫が強いのは、ある意味当然なのかもしれません。
日本では玉ねぎは今や、コンビニでも買える手軽な野菜です。
そしてこの野菜をインド風に使えば、りっぱなヘルスケアアイテムに、さらには美容アイテムとしても使えます。
というわけで、新年明けの今回からは、新シリーズで、こういったごく身近にあるもので簡単にできるアーユルヴェーダ的ヘルスケアや美容法をお伝えしていきたいと思います。
そのひとつめが今回から数回に分けてご紹介する、「玉ねぎ」です。
玉ねぎは、普段お料理に加えるだけでも多大な健康効果が得られ、さらには美容にも使える優れものです。(お洒落感はまるでありませんが……)
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★世界中どこにでもある、玉ねぎの歴史
アーユルヴェーダの教本「チャラカサンヒタ」には、玉ねぎは薬用植物として記載され、遥か遠い昔の紀元前一世紀のギリシャ人医師さえ、この野菜を医療目的で使っていたということです。
つまり、筋金入りの医療野菜というわけです。
玉ねぎは保存が長くできることから、中国で使われ始めたのは紀元前5000年頃といわれ、また古代エジプトでは、球形で同心円状の輪が「永遠の命のシンボル」とされていることから、玉ねぎは崇拝さえされていたのだそうです。
コンビニでも当たり前に買える手頃で身近な野菜に、そんな歴史があったとは。
驚きですね。
さて、そんな玉ねぎには、当然ながら驚くほどの薬効があります。
◎次回では、そのさまざまな薬効、食べ方などについてお伝えしたいと思います。
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(トップ画像/インドは目ヂカラをアップさせるアイテムが豊富)