~銅製の容器に保存した水は「癒しの水」! その得られるメリット part.3~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 159

銅製の容器

さて、これまで、銅製の容器にためた水の魅力的な効果についてお伝えしてきました。

すでに銅製のものを一度でも使ったことがある人はお気づきかと思いますが、はじめはピカピカでなんともいえない光沢があり、見た目にもゴージャス感のあるこの銅製容器。

使い込んでいくうちに瞬く間に茶色のくすみが進行し、さらにはまるでカビ? にも似た、緑色と白が混ざったような毒々しい色の物質(炭酸銅)が現れ、放置しておくとどんどん増えていきます。

こういったくすみや毒々しい変色は、食器を洗う洗剤などではきれいにならず、意外と手入れ方法がわかりにくいのが銅製容器……。

最初のピカピカ状態とのギャップがあまりにも激しいため、正しい手入れ方法を知らないと、使い続ける気も失せてしまうほどです。(私自身、インド生活時代に銅の正しい手入れ方法がわからず、すっかり使う気が失せていた時期がありました)

そこで今回は、いつでも最初のピカピカ状態にもどすことができる、銅製容器の正しい手入れ方法をご紹介したいと思います。

そしてまず何よりも大事なことは、「銅100%のもの」を選ぶことです。

銅製の容器や調理器具は、わりと簡単に手に入るのですが、やかんなどの形で売られているものは、内側が他の金属や材料で加工処理されているものが多いです。(これは先に説明したように、銅は基本、一旦使い始めたら手入れしないとすぐに変色しやすいからだと思います)

このため、内側に加工が施されていないものを選ぶ必要があり、これは外観からだけではなかなかわかりにくいので、購入するときはよくチェックしてみることをおすすめします。

銅製の容器

(銅は、酸化していくと徐々に炭酸銅ができてくる)

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★銅のお手入れ方法

~正しい洗い方で、いつもピカピカ状態をキープ!~

銅製の容器の洗い方は、通常の容器の洗い方とはちょっと異なります。
食器洗い用洗剤は、銅製の容器を酸化させ、損傷させることさえあるので、注意が必要です。

銅の手入れは基本、レモンや水などの自然の酸性溶液を使って磨くか、溶液に15~30分程度浸しておきます。

インドでは、タマリンドの果肉と塩を混ぜたものでこするように磨くのが定番ですが、レモン(あるいはかぼす、すだちなどのレモンに似た酸味の強い柑橘系でも代用可)と塩さえあれば、まるで新品のようにピカピカになります。
※他、重曹や酢を使ってきれいにする方法もありますが、ここでは省略します。

◎用意するもの:

レモンと塩(シーソルトなどの自然塩)

1.レモンを5mm程度にスライスし、塩をたっぷりとつけます。
2.銅容器をいったん水で塗らしたあと、塩をたっぷりとつけたスライスレモンをたわしがわりに、こするようにして磨きます。こうすると2~3分程度でみるみるピカピカしてきます。※スポンジやスクラブなどは不要です。

または、レモン1個分のスライスと塩50~100gをボールに入れ、さらに水を少量加えて薄め、レモン塩水を作ります。

このレモン塩水の中に銅製の容器を数分浸しておきます。

⇒頻度の目安: 週1~2回。

銅製の容器

(レモンと塩でピカピカ)

★注意が必要な「炭酸銅」

銅を手入れせずにそのまま使い続けると、緑と白を混ぜたような鮮やかな色の炭酸銅が、まだら状になってできてきます。

この炭酸銅は、最近では他の金属と比べてそれほど害はないという説もありますが、体に有毒という説も多くあるので、きれいに洗い流すようにしましょう。(これがあると水もまずくなります)

 

◎「作り方、飲み方のまとめ」

・銅製容器に水をどのぐらい置いておいておくのが適切?

銅製の容器に水を入れ、ふたをして、室温で少なくても4時間以上置いてから飲みます。(室温のまま飲むのが理想的です)

12時間以上置くと、水の中に銅が溶け込みすぎるので逆によくないという説もありますが、WHO(世界保健機関)ではこれを否定し、銅の量が許容限度内にとどまることが研究で明らかになっていますので、一晩置いたものを翌日には飲み切り、また新しい水を入れて補充する、という感じでよいでしょう。実際、一晩以上置きすぎると、水の味がまずくなっていきます。

また、一日を通じて、ずっと銅製容器の水だけを飲み続ける必要は全くなく、あくまでも一日グラス2~3杯で十分なのがポイントです。

(銅が多すぎると、嘔吐、下痢、胃のけいれん、吐き気、肝臓の損傷、腎臓病などの健康への悪影響が出る可能性があるといっている専門家もいますので、一日の目安となる量を守るのがおすすめです)

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銅製の容器に水をいれておくだけで、水は自然に体に有毒な可能性のあるすべての微生物が殺菌され、自然の浄化プロセスをたどり、銅イオンは水に溶けこみ、体のpH(酸アルカリ)バランスを維持するのに役立つ飲用に適した癒しの水ができあがります。

これは、最も古い医療体系といわれるアーユルヴェーダがすすめる、驚くべき健康効果がある水です。
是非活用してみてください。

 

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(トップ画像/インドでは、タマリンドの果肉で銅をみがく)