■味の効用part.13~6つの味とドーシャの関係(ヴァータ編その1)~ インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.129

★《塩味》→バランスをとる

塩味がヴァータのバランスをとる理由は、

・塩味は主に「水」と「火」要素から構成され、「重たい」「油っぽい」「湿っ
ている」「熱い」質があります。

・食欲、消化、吸収、同化、排泄プロセスをサポートし、ガスを除去します。
・滋養を与え、成長を促進し、筋力や柔軟性を促進します。
・勇気と自信を培うことに役立つため、ヴァータの恐怖傾向に対抗するこ
とができます。
・鎮痙性で、多くのヴァータアンバランスが発生しやすい神経系に対し親
和性があります。
・体を潤し、過剰ヴァータによって簡単に破壊されてしまう水電解質バラ
ンスを維持します。
・下向きに移動するエネルギーは、ヴァータをグランディングさせます。

「注意点」:
水分保持、潰瘍、高血圧、悪化した血液、過剰ピッタ状態の場合は、塩味を最小限に抑える必要があります。

 

★《辛味/刺激性の味》→悪化

辛味がヴァータを悪化させる理由は、

・辛味は主に「空気」と「火」要素から構成され、「熱い」「乾燥させる」
「軽くする」「鋭くする」質があります。

・この味は、とても乾燥させます。
・とても刺激性があり、震え、不眠、筋肉痛を引き起こす可能性があります。
・生殖組織を枯渇させる可能性があります。
・精神的錯乱、めまい、倦怠感、過剰な渇き、疲労感、衰弱、便秘を悪化さ
せる可能性があります。
・高レベルの興奮(ハイな状態)、明快さ、拡張性、消耗、燃え尽き、軽はず
みさ、気まぐれさ、うんざり感を増幅させることがあります。
・上向きに動く軽くするエネルギーは、ヴァータを不安定にする傾向があり
ます。

 

★《苦味》→悪化

苦味がヴァータを悪化させえる理由は、

・苦味は、ヴァータを構成する「空気」要素と「空間」要素から成り立ち、
とても「冷」たく、「軽」く、「乾燥」させます。

・極端な寒さへと向かいがちなヴァータの傾向を増幅します。
・組織を乾燥させ、体から水分を排水します。
・剥離、削ぎ落とす効果があり、枯渇させる傾向があります。
・口の乾燥、衰弱、便秘、骨の減少、性的衰弱などを悪化させ、オージャス
を枯渇させます。
・混乱、めまい、うめき、倦怠感を引き起こす可能性があります。
・退屈さ、分離、隔離、孤独といった感情をつのらせがちなヴァータの傾向
をさらに悪化させる可能性があります。

 

★《渋味》

渋味がヴァータを悪化させえる理由は、

・渋味は主に、「空気」と「地」要素から構成され、「乾燥させる」「寒い」
「重たい」質のため、ヴァータの微妙で不安定な消化力には負担がかか
りがちです。

・ヴァータの居場所である結腸に特異的な親和性があり、この質がヴァー
タを刺激します。
・削ぎ落とし、枯渇させる傾向があります。
・腸内ガス、便秘、口の乾燥、話しづらさ、痙攣、不眠、性的衰弱などの
状態を悪化させます。
・感情的そして物理的な「収縮」状態を誘発し、停滞させる可能性があり
ます。
・ヴァータを分散させ、混乱させたり、恐怖感や不安感、緊張感を悪化さ
せる可能性があります。

***

(「酸味」「塩味」のピクルスは、ヴァータにいい)

早いスピードで動く現代を生きる私たち現代人は、もともとの体質がヴァータ寄りでなくても、環境的にいくらかのヴァータ悪化が余儀なくされ、慢性化していることが普通です。

上記の症状、いかがでしたでしょうか。
ヴァータ悪化に心当たりがあった場合、ヴァータのバランスをとってくれる「甘味」「酸味」「塩味」をまめにとっておきたいところです。

◎次回/ヴァータ編その2.に続きます。

 

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