アンガーマネジメント Vol.3「怒って物を投げるのはアリ? 問題となる4つの怒り」

前回のアンガーマネジメントVol.2「怒る事柄を決めましょう」では、

・「怒り」は、生命を維持するのに必要不可欠な感情
・私たちのエネルギーは無限でないので、まずは「怒る事柄」を決める

の2点をお伝えしました。

アンガーマネジメントは、怒ってはダメ、ということでなく「怒ってもOK!」と聞いて、安心された方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

そう、怒ってもいい。
でも、もしあなたの怒りが下記4つに当てはまるなら、その怒り方を改善していく必要があります。

・頻度が高い
・強度が強い
・持続する
・攻撃性をもつ

皆さん、自分の怒りタイプを振り返ってみて下さい。

頻度が高い‥‥‥あなたは一日に、一週間にどれ位怒りますか?

強度が強い‥‥‥一端怒ると爆発しないと気が済まないタイプですか?

持続する‥‥‥あなたは一端怒ると、それをずっと引きずるタイプですか?

攻撃性を持つ‥‥‥怒ると相手に身体的、精神的な暴力をふるってしまいますか?

程度の差こそあれ、皆さん何かしらのタイプには当てはまります。
今回はこのなかで、『強度が強い』について解説したいと思います。

日本アンガーマネジメント協会では、自分の怒りがどんな特性を持っているのかという、『怒りタイプ診断テスト』を実施しています。私もファシリテーター講座を受講した時、このテストを受けたのですが、お恥ずかしながら『強度』がずば抜けて高い値で、要注意の☆マークがついてきました。

思い当たるふしはありました。
物に当たれば、怒りを発散できると思っていましたもの!

正直に書きますけれど、最初はクッションなど当たり障りのなさそうな物に当たっていましたが、段々とそれでは物足りなくなって、最後の方はリモコンを投げて壁に穴を空けたりするようになってしまいました。

重要な事を書きます。
ぜひ覚えておいてくださいね。

攻撃的・暴力的な態度で発散しようとすると、怒りは余計強まります。

それは脳の仕組みと関係していて、何か暴力的な行為をすると、脳内にはアドレナリンが分泌されます。前回の記事でも書きましたが、このホルモンが分泌されると鼓動が一気に早くなり、筋肉内の血流量が一気に増えます。

結果、じっとしていられなくなるのです。そして暴力的な行為を重ねれば重ねる程、どんどんアドレナリンが出て来ます。

DVを例に取れば、パートナーを一発ぶん殴れば、もう一発ぶん殴りたくなってしまうのです。子どもに対する虐待だって同じ。だって体はもう臨戦態勢に入ってしまっているのですから。
ですので、怒りを感じて何か物や人に当たるという行為は、怒りを発散させる所かむしろ怒りの炎にガソリンをかけているようなものです。

アメリカに、これを商品にしたビジネスがあります。
ショッピングモールなどで、30分30ドル(約2300円)払い、防護服を着てバットやゴルフクラブを持ち、部屋にあるガラクタをガシャンガシャン壊しまくるというサービスです。
興味本位なのか、結構な人気です。しかしただのレジャーとして楽しむならまだしも、これは全くの逆効果。ストレス解消になっていると思い込んでいるだけです。

じゃあどうすれば強度を昇華できるかと言うと、軽い有酸素運動などで自分から筋肉を使うような動きをすればいいのです。
ウォーキングやジョギングは、開始して20分ほどするとセロトニンやエンドルフィンなど快楽系のホルモンが出て来て、副作用無しで脳をハッピーな状態にしてくれます。なのでムカムカしたら、物や人に当たるのではなく、近所を一周走ってきましょう!

皆さんも、ご自身の『怒りタイプ』を分析してみて下さいね。

【今日のまとめ】
・怒ってもいいが、頻度が高い/強度が強い/持続性がある/攻撃性がある怒りは要注意
・ストレス解消で物に当たるのは、逆効果!

 

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