アンガーマネジメント Vol.4「小学生でもできる!アンガーマネジメント」

先日、NHK教育TV「大!天才てれびくん」にアンガーマネジメントが登場しました。今回はせっかくなので、小中学生向けのアンガーマネジメントのポイントを、番組内容に沿った形でお伝え致します。

子ども相手の番組かと思ったら大間違いです! 皆さんは下記のシチュエーションで、どうやったら怒りを伝えられると思いますか? 回答を見る前にセリフを考えてみて下さいね。

1.「はた迷惑な人に怒る場合」
2.「目上の人に怒る場合」
3.「親友との関係を壊さずに、怒りを伝える場合」

どうでしょう?これは1→3の順で難易度が高くなっていきます。
陥っていまいがちなポイントと供に、それぞれのアドバイスも見て行きましょう。

1.はた迷惑な人に怒る場合
番組では「授業中にうるさい人に怒りを伝える」ケースを想定。うるさい生徒を注意したはずの男の子も、結局は大声で怒鳴ってしまい、結局二人が一番うるさくなってしまいました。

この場合、丁寧な言葉で伝えたのは良かったのですが、「正しく怒るには冷静に自分の意見を伝える」のがポイントとなります。「うるさーい!!」と怒鳴っても、相手は全く怒られている気がしないのです。

かなり応用編になってきますが、これは「叱る技術」に係る「論点を絞る・目的とルールを明確化する」のがポイントになります。これだけでレポートになってしまうので、後日ご紹介しますね。

2.目上の人に怒る場合
番組では「先生に怒りを伝える」ケースを学習。先生は理不尽な理由で生徒役の男の子を叱責。今回は生徒役の男の子のセリフが、逆に先生を馬鹿にするようになってしまいました。

目上の人に怒りを伝える場合、相手の話を最後まで聞くことがポイントです。そして「実はこうなんです」と自分の意見や事情を説明するのがポイント。皆さんは、上司に自分の怒りを上手に伝えられていますか?仕事に支障があるからと抑圧したり、陰で同僚と文句を言っても何の解決にもなりません。

3.親友との関係を壊さずに、怒りを伝える場合
これが一番難しいですね。でも多感な子ども達にとっては一番気になるテーマ。今回は、自分と遊ぶ約束をしていた親友が、その約束を破って他の子と遊んでいたというシチュエーションを設定。まったく反省の態度を見せない親友役に、子役の女の子も奮闘しました!

このケースの場合、女の子のセリフで良かった点は、「淋しかった、ショックだった」と自分の気持ちをまず伝えた事です。怒りは空から急に降ってくるものではなく、その前段階として「不安、淋しさ、恐怖、苦痛」といった一次感情があります。プンプン怒るのではなく、相手「本当はこんな気持ちなんだよ」と伝えればより自分の意見が伝わりやすくなります。

ただ良くなかったのは「これで約束破ったのは5回目!」など過去を引っ張り出してしまった点。怒りを伝える時は、昔の事を持ち出してはいけません。怒るなら「今」問題になっている事のみに集中しましょう。

大人の皆さん、ご自身が考えた回答と、アドバイスは合致していましたか?

子どもはスポンジのように何でも吸収します。
これは諸刃の剣で、周りの親や先生が上手に感情をコントロールできればその術を学び、逆に怒りに身を任せる気分屋のような振る舞いをしていれば、それを見本として言動をコピーします。

「何も子どものうちから感情のコントロールなんて、学ばなくてもいいじゃないか」

というご意見もたまに耳にしますが、思春期に入る前だからこそ学んでおく必要があるのです。小さなうちから「自分の感情は自分で選ぶ」のを習慣としていれば、大人になってからどれほどの可能性が広がるでしょうか。

私にも5才の娘がいます。
私が娘に一番伝えたいこと。それは勉強で高い点数を取る方法でもお金儲けの術でもなく、「自分の感情は自分でコントロールできるんだ」という事実。
そして自分の人生を、自分で切り開いて行って欲しいと願っています。

今回は「小学生でもできる!アンガーマネジメント」というタイトルでお届けしましたが、小学生でもできるシンプルな内容だからこそ、大切なのです。皆さんもぜひ意識してみて下さいね。

 

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