「暑さや湿気に身体が適応できない!」~夏バテや暑気バテが起こる原因とその解決法とは?(前編)

東江英行先生は、オステオパシーという高度な整体(正式には整体とは異なるのですが、わかりやすくするために高度な整体としておきます)を体得され、藤沢で、オステオパシー治療で、多くの方々の身体の悩みの解決に尽力されています。先生はアメリカの有名なオステオパシーの先生でバイオダイナミクスと言う施術を開発されたトム・シェイバーと言う方から直接、指導を受けられています。

今回は、ちょうど今の時期体調を崩す方が増えている「夏バテ」について教えて頂きましょう!

「夏バテ」にはどうしてなるの?

最近、暑くなってきましたね。「だるい」「疲れやすい」「やる気が出ない」「食欲がない」「眠れない」など、いわゆる夏バテといわれる症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか? 夏バテには定義はありませんが、高温多湿の日本の夏に身体がうまく適応できていないことが原因で起こる適応障害です。「慢性型熱中症」などと診断される場合が多いようです。
夏バテとは、暑さにより、だるい、疲れやすい、無気力、不眠、食欲不振、手足の冷え、腰や膝の痛み、便秘、下痢、頭痛、めまい、吐き気、などの症状が出る事を言います。
そして、夏バテの一番の原因は、体の過緊張による体調不良です。一般的には、食欲不振、水分不足、睡眠不足、室内外の温度差などと言われています。

生体の防御機構と人間の体内環境

人間は、様々な生活環境に可能な限り対処して、身体を適応させようとします。そのため、人間の身体は環境の変化に伴って、いろいろな反応を起こします。例えば、暑さや寒さにさらされると身体に生理的な変化が生じて、暑さ・寒さに耐えられるような身体に変化します。これを「生理的適応」とか「気候馴化」と呼びます。しかし、気候に適応するまでには、ある程度の時間が必要です。数日程度の短期の急激な気候や湿度の変化では獲得されません。
それでは、適応にはどのようなものがあるでしょうか。
まず、人間の身体には、体温を一定に保とうとする働きがあります
「暑い」と感じるならば、身体は次のような反応をします。

①血管の拡張によって皮膚の血流を増加させ、体内の熱を外に逃がす。
②汗腺の活発化によって汗を流し、体内の熱を外に逃がす。
③骨格筋(関節をまたぐように結びついている、骨格を動かす筋肉)の弛緩によって、熱の生産を抑える。
④バソプレッシン(利尿を妨げるホルモン)分泌増加により、尿の量を減少させる。
➄アルドステロン(ナトリウムの再吸収を促進するホルモン)分泌増加により、汗の中の塩分を減少させる。
⑥のどが渇く事によって、水分の摂取を促進する。

例えば、かき始めはベトベトしていた汗が、たくさん汗をかいているうちにサラサラしてきたというような経験はありませんか?これは体液の喪失を防ぐ(=脱水症状にならない)ため、身体が自然に汗の中の塩分を減らしているからなのです。暑い時期にはトイレに行く回数が寒い時期より減るのもこのためです。これは⑤の例です。

また、体内の熱を外に逃がすには、骨格筋を充分リラックスさせる必要があります。前回お話したように、夜寝ている時には身体の力が抜けていなければなりません。もし抜けていないとすれば、身体の熱を外に出して体温を必要なだけ下げる働きが悪くなっている、と考えられます。骨格筋が緊張していると皮膚血管が拡張しにくくなり、皮膚からの放熱がうまくいかないため、体温が下がらないのです。③の例です。

ところで、ホルモン分泌に関する指令は、脳の視床下部から出されていますが、脳に必要な栄養を送るのは主に血液です。脳への血液循環は首(頸部)を通して行われているので、もし首の筋肉が緊張していて脳に充分な栄養が送られなくなると、いろいろな不都合が生じる、と考えられます。④⑤などがうまく働かなくなることが考えられます。

PART.2では具体的な解決方法をご紹介します。

■東江英行先生のトーエ治療院(トーエオステオパシーオフィス)

これまでの患者さんたちのお悩みと治療の成果への感謝の声、先生の治療に関する考え方が書かれたブログなどが掲載されています。ぜひご覧ください。

■『日本ふしぎ発見番外編』ヘルシー&ナチュラルの冒険~「オステオパシー編」
PART.1
PART.2

■『うつは心の病なのか』

■『つらい腰痛は、文明生活が原因?どうすれば腰痛をやわらげられるの?』

■「だるい」「やる気が出ない」……5月病はうつ病と何が違うの?その正体は?