『日本ふしぎ発見番外編』ヘルシー&ナチュラルの冒険~「オステオパシー編」PART.2

私(三浦正雄)は、20代の後半にヘルシー&ナチュラルに目覚めて以来、様々な事を試みてきました。何をするにもいちばんの基本は健康だと思っています。その中で発見したことや得た情報を、ご紹介してゆきたいと思います。

日本では、まだまだ東洋的な自然治療の医術は、西洋医学に比して軽視されることも多く、実際に社会制度としても保険が適用されにくいなどの問題もありますが、TRINITYの読者の方はそうした偏見から自由な方であると思います。

若い頃に整体の素晴らしさを知りましたが、しかし、そのなかでも、飛び抜けて効果のあるオステオパシーという整体(?)に出会ったのはかなり後のことでした。
これから数回にわたって、オステオパシーという高度な整体(?)とそれを体得された先生にインタビューを行ってみたいと思います。

痛みと筋肉の関係

では、湘南の中心地である藤沢で、オステオパシー治療で、多くの方々の身体の悩みの解決に尽力されている東江英行先生をご紹介いたします。それでは、東江英行先生、よろしくお願いいたします。

 

――東江先生は、アメリカで有名なオステオパシーの先生に直に教わられたそうですね。

アメリカで有名な先生に教わった事はあります。トム・シェイバーと言う方で、バイオダイナミクスをされてきた方です。トム・シェイバーのバイオダイナミクスについては、後ほど説明いたします。

――先生の素晴らしい治療技術には、そういう背景があるのですね。
ところで、身体の痛みの原因というと、すぐ骨や臓器の異常を言うお医者さんもいますね。

身体の痛みは、どこであっても嫌なものです。しかし、実は、痛みがないと人は生きていけません。
痛みとは、一言で言えば体の安全装置なのです。痛みは、体の損傷を教えてくれる警報器のようなものなのです。
例えば、指を切ったり角にぶつけたりすれば、当然痛いわけです。
ところが、もし切ったり、ぶつけたりしても痛みが無ければ気をつける事もないわけですから、
何度も指をぶつけたり切ったりしてしまい、そのうち指が大変な事になってしまいます。
痛みが出るのは、火災報知器と同じような仕組みなのです。

――へえー、そうなんだ!まさか自分自身がわざと痛みを発しているとは、思ってもみませんでした。

例えば、今の時期は寒いので、腰が痛い人が増えています。
レントゲンを撮ってみると、良く言われる事は、「骨と骨の間が狭くなっている」 「骨が曲がっていて神経を圧迫している」です。
もちろんレントゲンには、このように写っているわけですから、こういう説明をされると当然そう思われる方が多いと思われます。
「骨と骨の間が狭くなっている」のは確かですが、骨の間にはクッションのような役割をしている椎間板があるわけで、そこには神経はありません。
ですから、もし椎間板が潰れていても、そのために痛いわけではないのです。

 

――えー!それは驚きです!よく言われる「骨に異常があるのが痛みの原因」と言う考え方は誤りだというわけですね。

「骨が曲がっていて神経を圧迫している」――これもよく言われる言葉ですが、実は神経は圧迫にはかなり強く、多少圧迫されても痛みなど出ません。
もし本当に少しでも神経が圧迫されて痛みが出るのでしたら、体を動かす度に痛みが出るはずです。神経の圧迫が極端に強くなると、痛みではなく麻痺をおこします。
場所によっては、生命が危険にさらされる場合もありますので、こういう場合には、即手術が必要です。
しかし痛みが強くても、ほとんどの場合は神経圧迫の痛みではなく、周りの筋肉の痛みなわけです。
ですから、「骨が曲がっていて神経を圧迫している」というような事もほとんど起こりません。

――神経の圧迫もまたレアケースであり、痛みの原因をそこに帰するのは誤りということですね。

ですから、病院でこのような説明をされて手術を勧められても、ほとんどの場合がその必要はない場合が多いわけです。
痛みについてはまだいろいろ皆さんにお伝えしたい事がありますが、次回以降にいたします。
ただ骨や神経圧迫が原因ではなく、筋肉の変性が原因と言う事だけはご理解いただきたいのです。

――そうですか?西洋医学では、筋肉の変性を軽視しすぎるのですね。筋肉の変性を、もっと重視する必要があるのですね。

大部分の痛みの原因は、筋肉の変性が原因だということですね。
そして、筋肉の変性による痛みには、オステオパシーのような東洋的な治療法が有効だということですね。
ところで、オステオパシーは他の整体やカイロとは、どのように違いますか?

オステオパシーには、独自の原理・原則や哲学があります。以下の4つです。

1.身体は、一つのユニットである
2.身体は、自己調整機能をもつ
3.機能と構造は、相互に関与している
4.オステオパシーの治療は、上記の3原則に基づき行う

オステオパシーは症状のみに焦点をあてて診るのではなく、何故そのような状態になってしまったのかの原因を、身体だけでなく心や精神も総合して全体を診て探します。
例えば腰が痛ければ腰の痛い所を治療するのではなく、何故腰が痛くなっているのか?その原因をみつけたらそこを治療して、あとは自然治癒力に任せます。
その場で痛みが全て取れなくても必要なことをやれば、あとは原則2の「身体は自己調整機能をもつ。」により、しばらくして症状は消えるはずです。
また、治っても痛みが再発しないようにするには、日頃どのような事に気をつければ良いかなどのアドバイスも行います。
もっと詳しい説明は、またの機会にいたしますね。

――では、先生がオステオパシーにたどりついた経緯を教えてください。

中学生の時に、部活(柔道)で、怪我をして腰痛になった際に、病院で全く治らなかったのに、近所の整体か鍼灸の先生に行ったところ、施してくださった治療法ですぐに治りました。
そこで、その先生に、この治療法は何ですかと尋ねると、これはオステオパシーというんだよと言われました。その時に頭の片隅に記憶が残りました。
後に東洋医学に目覚め様々な治療法を学び試みているうちに、オステオパシーを知り、中学時代にオステオパシーで治癒した記憶がよみがえりました。

――ずいぶん早い時期にオステオパシーと出会われたのですね。当時は、今以上にオステオパシー治療院は少なかったでしょうから、不思議なご縁ですね。
ところで、先生が治療上、心がけているいらっしゃる信念のようなものはありますか?

患者さんのニーズにお答えする。より早く、より確実に結果を出す事です。

――なるほど。身体の痛みは少しでも早く解決したいものですね。
では、治療を受けに来られる方に対しては、どのようなお気持ちで接しておられますか?

常に、治療させていただけると言う感謝の気持ちで接しております。

――素晴らしいお心構えですね。
では、次回からはいよいよ具体的な体の各部位の痛みの原因とその癒し方について、一つずつ教えていただこうと思います。