ココロセラピストが語る!?『引き寄せの法則』ザ・ビギナーズ~大切なものを本当に大切にしていますか~

大切

使い捨ての時代。

バブル……ということばも、若い人には通じなくなっているかもしれない。簡単にいうと、ウハウハして生きていた時代と思っていい。もちろん、イヤなことが何一つなく、万人が幸福に満ち溢れているということはないので、それはそれとして。

当時は、『使い捨ての時代』だった。幼少期の僕は、なんて便利な時代なんだろうと思った。たとえば、僕が子供の頃。落書き帳は当然、売っていたし利用していた。でも、場合によっては広告の裏などをリサイクルして使っていた。まぁ、最近では片面印刷の広告そのものを見かけなくなった、と言われればそれまでなのだが、できるだけ、使えるものを有効利用しようという時代だった。

少しだけ大きくなって塾に通い始めると、カルチャーショックを受けた。塾の先生たちは、真っ白な紙を容赦なく使い、容赦なくゴミ箱に捨てていた。といっても、記憶が間違っていたら申し訳ない。それは一例に過ぎないが、ちょっとでも不要と感じたら容赦なく捨てる。「また買えば済む話じゃん」みたいな価値観が美学だった。

僕は単純だったので「すごい時代が来たな。世の中は何でも溢れかえっていて、どんなに無駄に使っても困らない時代になったんだな……」と妙に感心してしまったのを覚えている。そんな時代だったのだ。僕も、今覚えば、徐々にモノもお金も大切にしない人間になっていってしまっていた気がする。そういう時代だったので仕方がないといえば、それまでなのだが。

勘違いの源流。

勘違いした『ダンジャリ』は、この流れの延長上にある気がする。なんでもかんでも捨ててしまう美学。それこそ、必要ならば、いつでもどこでも『引き寄せ』できる、と。ただ、もし、必要なモノがいつでも簡単に手に入るからといって、どんどん浪費していたとして。ちょっとでも気に入らないものは容赦なく捨てまくっていたとして。

じゃあ、『平成大不況』って何? 『超氷河期』って何?……という話になる。ものすごく些細なことだけど、うまい棒、小さくなったよね。生々しい話をすると、生活豊かになった? なってないよね。でも、過激過ぎるスピ系の人は「それは、引き寄せの法則を理解できていないからでしょ……」と言うかもしれない。だが、僕は違うと思う。

僕も引き寄せの法則は大好きだ。だが、それは魔法でも何でもない。スピっぽい表現も多用してきたが、実際のところは考え方だと思う。でも、なんでもかんでも、プラス思考していれば人生はばら色になる、という考え方ではない。引き寄せ体質になる考え方こそが大事だと思うのだ。

だって、使い捨ての時代は、どんどんモノもお金も消費しまくっていたのだ。「望めばなんでも手に入る!」って、たぶん終始ポジティヴだったはずだ。単なる度を越えたプラス発想は、決して人生を豊かにはしない。

それ、本当に無駄なの?

僕が『ザ・ビギナーズ』で伝えたいのは、まさに、そこなのだ。そこを理解しないと、いつまで経っても次のステップには進めない。勘違いといえば、「本当にそれ、必要なの?」という問題。たとえば、レジ袋。レジ袋はかつて無料だった。でも、無料だから無駄に使われ、無駄に捨てられ、環境にもよくない。じゃあ、有料化しようじゃないか。マイバッグを持てば資源の節約になるよね、的な。

というわけで、無料レジ袋は無駄説。僕は今もこれには疑問を持っている。僕は無料のレジ袋を無駄に使っていた記憶がないのだ。多くの人がそうだと思うが、ゴミ袋として再利用していなかっただろうか。エコバッグほど丈夫ではないが、それこそ、ちょっとしたモノを入れておいたり、持ち運ぶときに使ったりしていなかっただろうか。

結果的に、エコバッグに近い使い方をしていなかっただろうか。それこそ、不要だと思えば店員さんに「いらないです」と言えば良いだけではないのか。家に帰るや否やゴミ袋をゴミ箱に捨てていただろうか。たぶん、していないと思う。

無駄だから、敢えて有料化して使わせないようにしよう的な発想は、何か根本的に間違えていると思うのだ。だって、結局、買ってないですか、レジ袋。ちょっとしたゴミ袋も、お金を出して買っていませんか。それこそ、無駄じゃないですか。なんでもかんでも無駄無駄いう傾向があるけれど、あなたはディオですか。通じなかったらゴメンナサイ。

もっと、生々しい話をしよう。会社で、よく耳にするキーワード。それは、人件費。無駄なんですか、人件費。人件費を削減する話ばかり聞かされてうんざりしませんか。残業は増えてもサービス残業は増えていませんか。労働によって生活は豊かになりましたか。「やりがいはあるけど、食べていけないから転職しようかな……」って思ったことはありませんか。給料が増えないのに、責任が重くなったり、仕事量が増えたりしていませんか。経験年数が増えるほど、求められるものが大きくなるけれど、収入は増えないんですよ。嬉しいですか。

「うちの会社、離職率が高くて。どいつもこいつも根性ないな……」とか言っている人。自分は特権階級で他の人より給料が多いから、そんなことを言っているなんてことないですよね。もしくは、洗脳されてしまって社畜化していることに気が付いていないですか。「君は優秀だね。期待しているよ。これからも頑張り給え」と言われただけで、モチベーション上がりますか。「私は十分に頑張ってきた。なのに、適当に煽てて、さらに頑張れって、何様なの?」と思いませんか。

「お前が辞めても、仕事が欲しい人はいくらでもいるんだよ」的な人もいますが。それも、間違ってます。みんな自分のQOLが上がる仕事が欲しいのであって、何でもいいから就職したいわけではないんです。だから、人はすぐに来るかもしれませんが、すぐに辞めちゃうんです。それが当たり前になってしまうと、どうなるか。非正規雇用がエンドレスで転職を繰り返すんです。

人件費が無駄だというなら、まずは率先して自分の給料を会社に返上すれば良いだけです。もちろん、本当に会社にとって迷惑な存在であれば、容赦なくリストラして構わないですよ。迷惑な存在にまで、好待遇にしろとは、さすがに僕も思っていません。

本当に大切なものを大切にする。

何を言いたいかというと、本当に大切なものは何なのかを日頃から考えていますかということ。存在することが感謝に値するものに敬意を示しているかということ。間違って、本当は大切なものを軽視して、その結果失っていないかということ。これじゃ『引き寄せの法則』は発動しないんですよ。

モノを大切な人は、人も大切にしない。人を大切にしない人は、巡り巡って自分の事も大切にしないってことなんです。だって、その時、その時、自分にとってのみ都合がよければ、何がどうなったって良いと思う人は、幸運を逃します。本当に大切なものを大切に扱っていれば、それこそ無駄が出ないんです。本当は必要なのに、それに気づかず安易に捨ててしまうと、実はダンジャリでも何でもなく、それこそ無駄が生まれるんです。

そうこうしているうちに、本当に必要なものが見えてくれば、何もかもを手に入れようなんて思わなくなるし、無駄な欲も減ってきます。本当に必要なものにフォーカスしやすくなるので、結果的に引き寄せ力もあがる。僕は、そう思っています。





  

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