ココロセラピストが語る!? 『都市伝説とイジメ』とは?~あいつ、〇〇〇らしいぜ……~

噂話

あのね、友達の友達から聞いたんだけどね……。    

「あのね、友達の友達から聞いたんだけどね……」から続く物語。

「その友達も別の友達から聞いたらしいんだけど」。

その『友達』を辿ろうとすると、場合によっては先輩だったり、親だったり、親戚だったり、近所の人だったり、様々なヴァリエーションがあったりします。

はい。これは都市伝説の話です。

身近で起こっているもっともらしい話ではありますが、実は話の出所が曖昧になっていて、「なんとなく、そうらしい」という感覚で話だけが一人歩きして広まってしまう。とてもよくある話です。

ちなみに、この都市伝説特有の『友達の友達(結局よくわからないけどなんとなく繋がっていそうな人たち)』のことを『FORF(フォーフ)』(FRIEND OF A FRIEND)と呼びます。

有名どころでいうのであれば『口裂け女』とか『トイレの花子さん』が思い浮かぶと思います。出所不明、根拠不明。でも、あたかも、その出来事や存在が実在したようなこの感覚。僕は、幼児性が強いと言われればそれまでですが、都市伝説が大好きです。

ただし、これはあくまでも「信じるか信じないかはあなた次第です!」という感じで、「信じなければいけないよ」ということではないんですね。

FORFを辿って特定するとか、根拠を探すとか、そういうことを専門的に行っている人は別として、そうでなければ話半分で楽しむ程度が望ましいと思います。

 

火のないところに煙は立たない?

「火のないところに煙は立たない」という言葉がありますよね。これも、もっともらしく感じると思うのですが、よくよく考えると頭にクエスチョンが浮かんできませんか。

これは、「疑われるようなことをしなければ、そもそも疑われないよね」という意味ですよね。噂には根拠があるという前提で。

さて。では学校のトイレに花子さんが出るという話を子供たちが怖がっていたとします。そうすると子供たちも困るし、学校の先生も困るわけです。怖くてトイレに行けない子が出てくるわけですから。

しかし、これって、地域限定というより日本人なら誰でも知っていると思うので、正直今更感はありますよね。「誰ですか、そんな意味不明な怖い話を広めたのは!」と言ったところで、既に手遅れ。何十年も昔から語り継がれているわけですから。

たまたま、その話題を口に出したAくんが出所で、責任が発生するかというと必ずしもそうではないと思いますし。広めるつもりがなくても、広まってしまうから都市伝説なわけで。もちろん、意図的に情報操作しようとするパターンもあると思いますが。たとえばクチコミを利用したマーケティング戦略とかが、まさにその類ですよね。

そんなことで「君が余計なことを言うから、みんながトイレに行けなくなっちゃったじゃないか!」と言われてもAくんは困ってしまうと思います。

どうしても、誰かに責任を擦り付けたいのであれば、学校という存在があることが問題だ、ということになってしまいます。なにしろ花子さんは学校のトイレに出るのだし。

比喩的な表現ではありますが「火のないところにも煙は立つ」可能性もありますよね。これこそが、都市伝説っぽい話ではありますが。

 

イジメと都市伝説。

たとえばちょっとしたケガをした子(Bくん)がいたとします。本当は転んだだけです。でも、いつの間にか、それこそ『FORF』みたいに尾びれ背びれがついて、「なんかさ、Bってヤバいらしいじゃん……。だってさ、顔にケガしてたじゃん? あれってさ、隣町のC校の不良(死語?)と乱闘して出来た傷らしいぜ……」なんて話になってきたら厄介です。

『FORF』たちの間で、狙ったわけではなくても追加設定がどんどん増えたり変化したりしていくことってしばしばあるんですね。そうするると「Bって、そもそも目つき悪いしね。前から、なんかヤバいヤツだと思ってたんだよね。やっぱり、そういうことだったのか……」なんてなると、転んだ話は何処へやら。「Bってヤバいヤツだよね。関わらない方がいいよ……」なんて話になって定着してしまうと、もはやイジメですよね。

「なんとなく真実味に欠けるような……」と思ってくれる人がいたとしても、ここがまた人間の厄介なところで「B=ヤバい=関わらない方が良い」という情報が、大多数に広まってしまうと、それが真実であれ嘘であれ、間違いであれ、もはや関係なくなってしまうんですね。

もちろん親友だったり、正義感の強い子だったり一部の子はBくんを擁護してくれると思います。でも、イジメというのは妙な同調圧力のようなものがあるので、同調しない子も敵(イジメ対象)として認識されてしまうという。

こうなってくると「イジメられる側にも問題がある」という話題になって「潔白なら自分でそれを証明できるはずだ!」とか論点がどんどんズレて結果的にBくんが追い詰められてしまったりする危険性も出てくるんです。イジメが起きて凹んでいるときに、自分が、いつ、どこで、どのように転倒したかを証明する気になれるのかという話ですよね。そもそも、ただ転んだだけで誰にも迷惑をかけていないのに、なんで周囲に誤解を与えたという罪を着せられなければならないのか。

ここでBくんが、怒ってキレたりしたら、それこそ「ほら。Bが本性を現した! やっぱりヤバいヤツだったじゃん!」なんてことになりかねません。

最初に「Bくんの怪我が怪しい。きっと、何かあったに違いない」と言い出した子を特定して「君のせいで、イジメ問題が発生した! 責任を取りなさい!」というのも、なんとなく違いますよね。責任がないわけではないと思いますが、この不可解な現象の根本的な解決とはいえません。

そうすると、収拾がつかなくなって今度は「そもそも学校の管理不行き届きだったんじゃ……」的な話になって、話はどんどん大きくなっていくかもしれません。これ以上、フィクションを語っても仕方がないので辞めますが、イジメ問題の何割かは、実はこんなふうに、あまり重要ではないが影響力がある小さな情報が一人歩きしてしまって起爆してしまうという可能性もあるのかなと思います。

 

情報の取扱いに注意しよう。

これはあくまでも主観ですが僕は小心者の臆病者ですが、都市伝説は大好きです。『トイレの花子さん』も『口裂け女』も怖いけど、その手の話は大好きです。

でも、この手の情報を扱う時は慎重さも大切です。特に、Bくんの話(※フィクションです)のように特定の誰かを結果的に追い詰めてしまうような要素のある話をするときは本当に気をつけてください。この例は子どもの話にしましたが、大人もかなり、もっと酷いパターンありますからね。

僕も悪評を流されて大迷惑をしたことがあるのでよくわかります。もしかしたら、読者さんの中にも心当たりのない濡れ衣を着せられたり、誰かの情報操作なのか偶然なのかわからないけど、酷い目にあわされた人がいるかもしれません。

今は情報社会です。ありとあらゆる情報が秒単位で飛び交っています。真実だけが素晴らしい。真実だけが美しいとはまったく思いませんが、できれば、誰かが少しでもしあわせになれるよな言葉を選び、お互いがお互いを思いやれるようにコミュニケーションができたらなと思います。

同時に、僕の記事では、いつものように言っていますが、僕の発信している情報も含めて、情報に関しては自分自身でしっかりと咀嚼して、自分なりに解釈してみる習慣をつけてみてください。

「この情報は〇〇ってことなかな?」「私は〇〇に共感した!」「僕はちょっと違う意見だけど、考えるきっかけになったな……」という感じで。くれぐれも、情報を安易に鵜呑みにしたりせず、なんでもかんでも異論を唱えて噛みついたりもしないでください。時には黙り、できるだけ誰かを傷つけないように気をつけてください。共感できなくても必ずしも敵ではありません。共感できても真実とは限りません。また、時代によって解釈も変わるかもしれません。情報は生き物です。

情報は言葉です。言葉は力を持っています。だからこそ、僕たちは未来を明るくするための言葉をどんどん身につけて、使っていきましょう。キレイごとを並べようということではなくて、本質的な問題として。

  

  

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