ココロセラピストが語る!?  鬼滅の刃という現象が意味するもの ~作られたブームにせよ、自然にブームになったにせよ~

鬼滅

ものすごく斜に構えた言い方をすると、売り方が上手かったのでしょう。

鬼滅の刃というコンテンツそのものも、もちろん素晴らしいですが、なんだかんだで、それを演出して、世に認知させる何かがあちこちに散りばめられていたのだと思います。
それらが意図的か偶然かは別として、良い感じで噛み合ってブームになったのでしょう。

世の中ってお金で動くので、お金の影響で人気が人気を作り出すなんてことも現実的にはきっとあるのでしょう。
鬼滅の刃がビジネスじゃなかったら、それでも、本当に今ほどブームになっていたか、と言われると、たぶん、そうでもないんです。

鬼滅刃について、賛否あっても結局のところ経済効果を生み出してくれるなら、万々歳なんですね。

だって、そうでしょ。
コロナ不況で、日本が、世界が、どんどん、追い詰められちゃったら困るでしょ。
鬼滅の刃が好きだろうと、興味なかろうと、わざわざアンチにならなくてもいいじゃないかって僕は思っています。

「コロナ、コロナって憂鬱な毎日ですね……」っていうより、「煉獄さん、かっこいい!」って言っていられる方が、平和な感じしませんか。
煉獄さんが好きかどうかは別として。

明るい話、欲しいじゃないですか。
人気作品が生まれて、景気が良くなるならウェルカムですよ。
なんで、文句言うんだろう。

鬼滅の刃、そのものの真価が気になるなら、数年後、鬼滅の刃が忘れられておらず、何かしらの形で評価され続けたら、本当にすごいことです。今の時点で、「この異様なまでの人気って変じゃない?」とか、言わなくてもいいと思うんです。

 

鬼滅の刃とカタルシス

これは個人的な意見です。
鬼滅の刃って何が、そんなに良いのか。
それは、カタルシスです。
……といっても、この記事を書いている現在はまだ完読できてないんですけどね。

僕、見たんですよ。劇場版。
そして泣いたんですよ、不覚にも。

映画館のいたるところからはすすり泣きが聞こえてくる。
だから、余計に同調して泣けてくる。
それを冷めた目で「なんで泣いてるの?」って思う人もいると思うけど、それはそれ。
もちろん、泣かなきゃならないわけじゃない。

だけどね、その時、感じたことがあって。
「泣いても良いんだ……」って思えたんです。
許しと赦しが混在したような感覚。

かならずしもコロナだけの影響じゃないけど、極論を言えば生きるって大変ですよね。
辛いですよね。
楽しいばかりじゃないんです。
ストレスすごいじゃないですか。

日常生活で泣いてるわけにもいかないから、みんなストレスを隠して、無理して笑顔を作って、時には見栄を張り、時にはリア充アピールしてるでしょ。
それが悪いわけじゃないけど。
実際、そうしないと世の中って回らないから。

子供は泣いてもある程度許されるけど、大人って、ちょっと違くて。
「大人だって泣いても良いんだよ……」とは言うけど、現実的に、どこでどう泣けって言うんだよって思うでしょ。
泣くことが悪いわけじゃないけど、泣ける場所がないんですよ。

そこで鬼滅の刃が僕にとっては真の価値を見せてくれて。
「嬉しいことも、悲しいことも、受け入れられないようなことも、全部ひっくるめて、堂々と泣いてもいいんだよ……」って言われているような感覚にさせてくれたんですね。
そう思ったのは、きっと僕だけじゃないと思います。

泣いても誰にも白い目で見られないし、理由も聞かれない。
「なんでストーリーの一部分を切り取って劇場版にしただけなのに泣けるのか意味が分からない……」なんて意見もあるにはあるけど、そこが大事で。

人生の途中でも、泣いても良いんだっていう、この空気観が、僕たちを泣かせてくれていると思うんですよ。

鬼滅

(画像提供・amazonグッズより)

もちろん、作品そのものに感動して泣いてる人が多いんですけど、その心の奥底には、別の要因、自分自身の生き方に対しても、泣けてきてる気がするんです。
だって、みんな、言わないだけで本当は泣きたいほど頑張って生きてるんだから。

劇場版、無限列車編は必ずしもハッピーエンドではないし、犠牲者もたくさん出た物語です。
でも、悲しいけれど、どこかにカタルシスを感じさせてくれる作品でもあります。
ネタばれになるので深くは言えないですが……。

見ているうちに、不思議と自分自身が浄化されていくような錯覚に陥っていくんです。
別に、何か、すごいことしたわけじゃないですが……。ただマンガ見て喜んでるだけだけど。

映画に限らず、原作もTVアニメもそう。
主人公の竈炭治郎の影響が大きいのかもしれないですが、いつの間にか僕たちは癒されてるんです。
バトルマンガなのに。

そうすると、自分自身の人生の問題が解決したわけじゃなくても、ストレスの原因が消えたわけじゃなくても、なんとなく、元気な気持ちになれる。
だから、誰かと鬼滅の話をしたくなるんじゃないか。
関連商品を見ると、ついつい興味を持ってしまうんじゃないか。

作者の本当の意図はわかりません。
ただ、僕は特に今年は鬼滅の刃に癒された。
ありがとう。
そんな気持ちでいっぱいなんです。

 

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