不倫について
最初に断っておくと、僕は不倫を肯定しているわけでありません。
言うまでもないことではありますが、念のため強調しておきます。
自分の事に置き換えて考えれば分かりやすいと思います。
たとえば自分の親が不倫していたらどういう気持になるか。
世間体も悪いですし、周囲から興味津々な目で見られても悲しいですよね。
それ以前に純粋に、悲しいと思います。
自分の家庭を蔑ろにされているわけですから。
なんとなく裏切られた気持ちになるかもしれません。
親ではなく、兄弟姉妹が不倫している事実が発覚しても、やっぱり「楽しそうだね!」とか「応援するからね!」という気持ちにはなれないと思います。
芸能人が不倫すると……。
毎度毎度思うのですが、芸能人の不倫のニュースが表沙汰になると、必ず、なんちゃって正義の味方がたくさん出てきます。
その芸能人を悪一色で染め上げひたすら叩くのです。まるで正義の鉄槌を下すかの如く。
確かに不倫は良い事ではありません。僕も、さきほど、不倫についての考えを述べました。
でも、不倫芸能人を裁く権利はありません。
もし、自分がその人のファンで今まで応援していたのに裏切られたような気持になったのであれば、応援をやめる程度で良いのかなと思います。
「ガッカリしたよ……」「嫌いになったよ……」と思ってしまうのは、自然なことだと思います。
だからといって、罵詈雑言が許されるというわけではありません。
芸能人の不倫はネタとしてはおもしろいので、ネットや雑誌などで喜んで書かれます。
でもそれは、決していい趣味とはいえません。
そして、仮にネタとして面白かったとしても、その芸能人に対して何をしても良いというGOサインではないのです。
正義の味方。
僕は時々怖くなることがあります。
「コイツに対してなら何をしても許されるだろう……」と無意識に思ってしまう現象に対してです。
どういうことかというと、相手を悪人として、自分を正義の側の人間だという設定さえ作り上げることができれば、相手にどんなに制裁を加えても許されると思いこんでしまう人って多いと思うのです。
確かに法では裁けない問題もたくさんあります。
必殺仕事人的な人も、場合によっては必要なのかもしれません。
テレビや漫画のスーパーヒーローたちは警察とは別の正義感を持っていて、私刑を下します。
僕も含めて、視聴者や読者たちは、そんな物語にある種の清々しさを感じたりします。
でも、それはフィクションだから楽しんでも許されるのであって、そこを履き違えては危険だと思うのです。