カウンセラーやセラピストはプロファイラーではない!
案外悩み相談で多いのが『他人』の話です。
とても重要だとは思うのですがまずは最初に謝らせて下さい。
僕は限られた情報で見えない相手を分析するプロファイラーではありません。
知らない人の事を「分析して下さい」とか言われても、かなり難しいです。
というのも、第一に僕が本人を知らないということ。
第二に情報源が本人では無い人の主観が殆どだということ。
たとえばA子さんから「B美さんって、ものすごく性格が悪いんです!」と言われたとします。
そこから分かる情報はシンプルです。
「A子さんはB美さんのことを、ものすごく性格が悪いと思っている」ということです。
これ以上の分析はできません。
A子さんの話を100%信じたとして「B美さんは本当に酷い人ですね!」と僕が安易に言ってしまうと、それは大問題です。
何故なら僕はB美さんの情報が殆ど無いからです。
A子さんは、いろいろ語ってくれるかもしれませんがそれはすべてA子さんというフィルターを通して得た情報で他の人から見ても悪人なのかどうかは不明です。
「これだけ説明したのにわかってくれないなんてTATSUMIさんは私の事を信じていないんですか?」と激怒されても、そういう問題では無いのです。
「どうしてB美さんの肩を持つの?」と言うのも困ってしまいます。
これも大きな誤解です。
そもそもカウンセラーやセラピストはクライエントの味方です。
クライエントにとって最善の生き方をクライエントさんご自身を通して一緒に探って行くのが仕事です。
A子さんがB美さんを嫌っていることは伝わってきますが、B美さんを分析するのはまた別の問題です。
ですので「B美さんを何とかしてください!」と言われると、本当に困ってしまうのです。
カウンセラーやセラピストは使えない?
……なんていう話をすると「なんだ……。カウンセラーやセラピストって案外使えないのね……」と思ってしまうかもしれませんが、決してそういうわけではありません。
もちろん話の流れとしてはクライエントさんのお話を聞かせて頂いて理解を示してから話を深めて行くので最終的には何かしらのお役には立てると思います。
しかし、セラピストやカウンセラーは基本的に本人の内面と向き合うのが仕事なので本人以外の人を分析して欲しいとか何とかして欲しいというのはちょっと違うということを覚えて置いて貰えるとありがたいです。
ちなみにここで重要なのはカウンセラーやセラピストは、A子さんを信じず、B美さんの肩を持っているわけではないという事です。
A子さんとしてはカウンセラーやセラピストに「B美さん=悪人」というお墨付きを貰った方が安心するかもしれません。
「ほらみなさい。カウンセラーがB美さんは間違ってるって言ってたわよ!」という展開になった方が確かに楽でしょう。
しかし、本当は、そんな事はあまり重要ではないのです。
善悪や勝ち負けだけで問題が解決するのであれば、最初から弁護士に相談するなり裁判をした方が早いです。
でも、割り切れないモヤモヤした何かがあるから心の専門家に相談しているのだと思います。
僕が毎回のように口を酸っぱくしている言葉があります。
「他人は操れない。操れるのは自分だけ」です。
一部の営利のみに追求したマーケッター等は、それを覆そうとあれこれ他人を操って物やサービスを買わせようとするテクニックを日々研究しているかもしれません。
しかし、それってどうなのかなと思う事があります。
そもそも仕事でも恋愛でも他人を操れたら本当に幸せなのでしょうか。
確かにそれが可能なら楽な人生かもしれませんが、楽しい人生になるかと言うと、決してそうではない気がするのです。
話がそれてしまってすみません。
とにかく自分以外の人間を動かそうと思わない事です。
自分が相手をどう思うかで相手と言う人物像は大きく変わって来ます。
自分が相手にどう接するかで相手の言動も大きく変わって来ます。
でも、それは結果論であって、相手と言う人間が確実に変化するというわけではなく、自分が望む方向に動くというわけでもありません。
何故なら、自分がそう思っているように、相手にも心や人生があるからです。