誰でもふわっと楽になる じぶんにかえる お片付け〜蕎麦屋の女将、大掃除を語る 第一回

■ほぼ一日中、働いています……

はじめまして、蕎麦屋の女将でライターの青柳寧子です。
このたび「青柳は片付けや整理本を読むのが三度の飯より好きらしい」という噂を耳にした編集者さんから、「青柳さんの片付けメソッドがあったら教えて下さい。12月だし、大掃除に役立つことを」というご依頼を頂きました。

もの書きにとって何か書いて欲しいというのは、大変ありがたいお話しです。
ですが正直に言えば、私はお掃除や片付け本が大好きなだけ。

片付けの方法にオリジナリティがあるとはとても思えないし、うちが常にピカピカというわけでもありません。

私は40代半ばにしてスヌーピーグッズを買い集める悪癖が抜けないし、夫はCDや本や写真を散乱させずにはおれないという病気を長く煩っています。
しかしまあ、それらをずずっと横に押し流して別室にどけさえすれば、急な来客には対応できる程度にはいつも片付いている……ような気もします。

何より蕎麦屋は朝から晩まで忙しく、店にいない時はうちで帳簿をつけたり原稿を書いており、とにかくずっとバタバタしていて自宅の手入れをする時間がほとんどとれないので、手抜きというか、時短というか、そういう工夫は知らないうちに身につけているのかも……。

その程度で申し訳ないのですが、片付け本マニアによるうちの片付けのコツ「大掃除編」を書いてみます。

最終回は「おすすめの片付け本」をご紹介します。

 

■働く女子の妥協するお片付け(笑)

大掃除=いつもはできない徹底掃除
という捉え方が一般的だと思いますし、私も長年そう思ってきました。
面倒くさくはありますが、やればけっこうスッキリする、それが大掃除。
頑張れば日頃の「きれいにしなきゃ〜」という義務感や罪悪感も一掃されますね。

しかし年が明け、正月休みが終わる頃には早くも家は荒れ始め、またぞろ「片付けなきゃあ、きれいにしなきゃあ」というどんよりした気持ちが……。

せっかく頑張って大掃除したのに、気が休まるのは長くて2週間なんてとてももったいない。
というか、無駄。
せっかくやるのであればこれを機に楽になるベースを作ってしまいましょう。

実は大掃除とは「来年が楽になる仕組み作り」なのです。
仕事に家事に子育てに、毎日くたくたの私たちが時に手抜きしたり妥協しても、そこそこ大丈夫なシステムを作ってみましょう。

まず、機械的にやるべきことは

☆ゴミが出せる日をチェックしてカレンダーや手帳に書き込む
燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミなど
燃えるゴミの年内最終日が、大掃除のゴールという目安です。
この日に人を招いておく、という自分を追い込む手もありますが、こういう奥の手は後ほど詳しく書きます。

☆大掃除にあてられる日を確保
多い方がいいですが、最低1日でも大丈夫です。
1日15分とか細切れの場合は、時間を一定にした方が継続しやすいようで(毎日8時~8時15分、といった具合に。スマホのアラーム機能を使うのもおすすめ)

☆どうしてもなんとかしたいところを1〜数ヶ所決める

☆明らかに足りない掃除道具を買う
※無駄なものを買うと家をせまくするだけなので明らかに足りないものだけです。ゴミ袋は必須。個人的にコロコロはおすすめです。大掃除をはじめたが、ほこりで噎せて鼻水がとまらなくなり頓挫した……などという話もあるので、マスクもあるといいかもしれませ ん。

 

—— 次回に続く ——

 

☆初回ご紹介プロフィール☆
テキスト・青柳寧子(あおやぎやすこ)1973年生まれ。日本大学芸術学部で文芸を学ぶ。東 京は緑が丘の蕎麦屋「ありまさ」で女将をしつつ、書評・インタビューなどのライター活 動をしている。ありまさ公式ホームページ http://soba-arimasa.com/

イラスト・生嶋なぎ(いくしまなぎ)1971年生まれ。東京造形大学で絵画や写真、銅版画を 学ぶ。2004年より「絵画教室おえかきごや」開室。家事育児と造形活動で過ぎる日々。 生嶋なぎ公式ホームページ https://www.nagiikushima.com/