魔法少女まどか☆マギカ あなたは誘導されていませんか? — 契約の手口・悪魔は善意につけこむ —

魔法少女

崇高な目的は、時として、内容の邪悪さを隠ぺいする

このアニメでは、少女たちはみな「友達を救うため」という「愛に溢れた動機」に心を奪われて、「契約とはどういうものか?」「契約すると、この先自分はどうなるか?」を、深く考えずに、キュウベエと契約してしまいます。

後悔してももう後の祭りです。キュウベエにつめよっても、「聞かれなかったから、話さなかっただけで、嘘は言ってない」といわれてしまいます。確かにそうなんですが、キュウベエは、自分にとって都合の悪い事は、決してふれません。

なんだか、キュウベエはルシファーみたい……そしてキュウベエと契約する純粋な少女たちは、うっかりルシファーと契約してしまう心優しい日本女性(こっちは少女ではなく大人ですが)のようなのです。

 

ルシファーは男女様々な存在に変化する

ルシファーが、自分はルシファーと名乗って契約することはあまりありません。彼は、ある時は観音様や弁天様に、ある時は美しい天使に、ある時は日本の神様に、またある時は龍神に、様々な姿に変化して現れます。そう! 彼は、男女両性の変化神なのです。

ルシファーはコスプレ神といっていいほど、姿かたちが変化するので、多くの人がルシファーと気づかずに、知らない間に契約してしまっています。もっとも、普通の人は、神様も天使も見えないわけですから、そういわれてもピンとこないと思いますが、

彼は、様々な存在になりすまして、チャネリングで話しかけたり、ビジョンに現れるのが得意です。

あ、誤解のないようにいっておきますが、すべての観音様がルシファーというわけではないですよ。ルシファーが化けた観音様が混じっているのです。

 

「動機が愛に基づいているならば、すべて良いことに違いない」という刷り込み

話を、まどか☆マギカにもどしましょう。まどかのお母さんがいいます。「まどかは本当に、嘘もつかない、優しいよい子に育った……」本当にそうでしょうか? この心優しい少女たちが次々と破滅していく様を見て、この発言には疑問を挟まざるを得ません。

少女たちは、ある価値観に洗脳されているのです。「他人のために尽くすことは尊いことで、愛に基づく行いは、なんであれ素晴らしいに違いない」と。そう、そのように育てられたのです。キュウベエはそこに付け込みます。「友達を救うために、僕と契約するよう」にこやかに、執拗に勧誘するのです。

 

キュウベエの「人たらし」が凄すぎる!

キュウベエの勧誘の仕方がこれまた凄いのです。

見た目=モフモフの大きいつぶらな目、子供のような声
この可愛らしい容姿のおかげで、少女たちは、この未知の生物に対して警戒心をいだきません。もし声だけでも、大人の男性の声で、同じことを言ったらずいぶん怖いですよね。そう、人間は、見た目にごまかされるのです。

決して無理強いしない、ソフトな勧誘
キュウベエは、決して相手を否定せず、ゆっくりと時間をかけて、自分の意図する方向へ誘導してきます。少女たちは、もはや、キュウベえに契約を勧誘されている事実すら、自覚していません。

そう! 21世紀の勧誘は、声高に主張したりしません。相手の話をよくきいて、穏かに同調することによって、少女たちの心をつかんでいくのです。

魔法少女

自らの意志で選んだように仕向ける
そして、自の意志で契約したかのようにしむけるのです。

「友達を救うため」という愛に基づいた自己犠牲の精神と、魔法少女となって「悪い魔女と戦って人々を守る」という正義感が、少女たちの「善意と良心」に訴えかけます。

「これはいい事なんだ」「正しい事なんだ」という思いが、契約の邪悪さを覆い隠してしまうのです。