令和5年9月メッセージ — 苦難の夏を過ぎて秋に辿り着いた私たちは、心ある仲間の支えの中で待ちわびた“心の豊かさ”を収穫する

9月

世界的に相次ぐ自然災害と経済破綻、医療崩壊の足音が忍び寄る秋に……一白水星9月は、周囲との協調と思いやりを心がけることで未来に希望を見出す時

9月を迎えました。先月は異常な猛暑が続く中、マウイ島では大規模な火災で100人以上が犠牲となり、スペインのカナリア諸島でも山火事で1万人以上が避難を余儀なくされました。また、アメリカでは大型ハリケーン『ヒラリー』が上陸し、日本では相次いで発生した台風6号、7号も九州や近畿で大きな爪痕を残すなど、まさに二黒土星の月らしく、自然災害が猛威を振るった月となりました。経済面では、中国の不動産大手・恒大集団が債務不履行に陥り、金融バブルの崩壊が指摘されています。また、日本では福島第1原発の処理水海洋放出により、日本産水産物の最大の輸出先であった中国が全面取引停止を通告するなど、両国関係の悪化が懸念されています。

国内に於いては、電気代・ガス代の補助の終了が相次いで予定されており、更なる物価上昇による家計の逼迫が見込まれています。コロナウイルス禍で苦しむ中小企業の資金繰りを支えた『ゼロゼロ融資』も今夏より返済が本格化し、過剰債務に苦しむ企業の倒産数の増大は、避けられない見通しです。そのコロナですが、首都圏では新たな変異株『エリス』の脅威が指摘されるなど、生活面での不安は払拭されていません。引き続き、未来への明るい材料は乏しく厳しい状況が続く模様ですが、希望を失わずに日々を過ごしたいものです。

白露を迎える9月8日、月運が二黒土星から一白水星に移ります。一白には“交合、色情、親愛、引力、慈愛”といった象意があります。また“貧困、苦悩、孤独”といった、“闇”の面も強調されます。“水”の星ですので、この秋は皆が水のように多くの人から必要とされ、多くの新しい恋愛や共同事業がスタートする暗示です。月の前半は水星の逆行も重なるので、紆余曲折を経た男女が再会して復縁したり、一気に恋の炎が燃え上がるケースが、増えそうです。一方、苦労を暗示する星でもあるので、一段と厳しい経済状況による、生活苦との戦いを強いられる方も増えるかもしれません。

また今月は“水”の影響から、自然災害の面では“水害”には特に注意したいところです。先月は台風が各地に大きな被害を齎しましたが、今月も雷雨や津波による災害には細心の注意が必要です。繰り返しになりますが、いつ何時天災が起こっても対処できるよう、枕元にリュックと靴を備え、すぐ避難できる態勢を整えておきましょう。また、災害が起こった際は、ATMが使用不可となる可能性があります。万が一の為に、手許には、すぐに使える現金を常備しておきましょう。

9月の月運の干支は、“辛酉(かのととり)”。辛は金属や宝石、酉は親切、世話好きといった意味があります。今月は、魂の純度が高くなり、周囲の人の面倒をよく見たいという優しい気持ちになれる人が多いでしょう。自分がリーダーシップをとるのではなく、周囲との協調に重点が置かれるようです。頭脳も冴える(特に計数関係)雰囲気ですので、副業を見据えた資格取得の勉強なども成果が上がるでしょう。

二十八宿は“軫宿”。今月は精神性が高まり、また勘も鋭くなり、ある種の霊感にも似た能力が備わりそうな一ケ月となりそうです。物事を無駄なく処理し、自分にとって今後必要なもの、不要なものの取捨選択がしっかりとできそうな月となりそうです。気の置けない友人との飲食や会話に、今後のヒントが隠されているかもしれません。仕事面では、書類ミスには十分注意しましょう。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の1日、7日、13日、18日、24日、30日、百事吉の19日、一粒万倍日の3日、11日、18日、23日、30日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は北となるので、この方位への旅行などは控えましょう。

先月のスーパームーンの影響が劇的な心情の変化を齎す9月 — 心身を休めつつ、思いもよらぬ展開を楽しむ“収穫の秋”を

西洋占星術の観点で言えば、先月末の31日には魚座での満月(スーパームーン)が起こり、その影響で今月は自分自身の今後の身の立て方、誰と一緒に生きてゆくかという壮大なテーマに、思いを馳せる一ケ月となりそうです。先月の27日より、火星は天秤座にいます(~10/12)。今月は感情の激しさを抑え、周囲との協調を最優先に信望を集めてゆくことを重視する月です。パーティーや食事会の席では、スマートな気遣いを心掛けつつ、自身のセールスポイントをさりげなくアピールすると良いでしょう。多くの人との出逢いの中で、パートナーシップを成長させる時です。

また、獅子座で逆行していた金星は4日、順行に転じます(~10/9)この時期は、逆行中にあった新旧入れ乱れる人間関係の中での予想外の展開を現実に落とし込み、ドラマティックな恋愛を楽しむ時期です。同日、木星は牡牛座15度で逆行を開始(~12/31)。年末まで、お金の使い方、健康面の問題がなんらかの形で浮上するかもしれません。不健全、不健康な状態の人間関係の清算を迫られる流れともなりそうです。

15日10時40分には、乙女座で新月を迎えます。しっかりと過去を整理整頓し、後悔ややり残したことを浄化することで、現状が良い方向に大きく動き出すタイミングです。過去から遡ぼり、最近改めてご縁を結び直した人が、新たな副業や収入がアップするような転職先を紹介してくれるかもしれません。大きな、ターニングポイントの時です。16日には朝方に乙女座の水星が順行に戻り、23日には太陽が天秤座へ。ここから冬にかけて、篩(ふるい)にかけられそれでも残った人間関係の中から、強いパートナーシップを繋ぐ恋人や結婚相手の候補と、親密になるきっかけがあるかもしれません。秋分でもあるこの時は、社会では贈収賄や利権などの政界スキャンダルや、外交などの国際問題が浮上し、政権が大きく揺らぐ暗示もあります。

そして29日18時58分の牡羊座満月(ハーベストムーン)の頃は、ここ最近の大きな心情、環境の変化にいささか疲れを覚え、情緒が一時的に不安定な状況となるかもしれません。可能なら有給休暇などを行使し、ゆっくりと心身を休めると良いでしょう。新たな恋人ができた人は、遠慮せずパートナーにSOSを発してみましょう。早くも、年末まで残り3ケ月となります。冬までにどんな自分になっていたいか、何を“収穫”したいのかを、じっくりと考えてみましょう。


最後に、今月はピュリッツァー賞を受賞したアメリカのジャーナリストで、『愚か者の船』等の作品で小説家としても活躍した、キャサリン・アン・ポーター(1890~1980)が残した名言を引きましょう。

 I was right not to be afraid of any thief but myself,

who will end by leaving me nothing.

(わたしはどんな泥棒も恐れません。

でも、自分に何も残さずに生涯を終える、

わたし自身を恐れるのです

キャサリン・アン・ポーターは、離婚や結核の罹患、再婚後の死産や子宮摘出といった人生の悲劇に見舞われながらも、数々の短編やシナリオを世に送り出し、戦後は多くの大学に招聘され教鞭を執るなど、晩年までアメリカを代表するジャーナリストとして活躍した、不屈の女性でした。彼女に人生にはいつも不運がつきまといましたが、その度に彼女は絶望から立ち上がり、自らの才能を恃(たの)み今生の使命と悟った文章の執筆に、文字通りすべての精力を傾けました。

上に挙げた彼女の名言は、そんな幾度の人生の試練をくぐり抜けた彼女の、まさに強靭な魂から出た、宝石のような言葉と言えるでしょう。人間は気の遠くなるような輪廻転生を繰り返す中で魂の向上を目指す存在ですが、この名前、この肉体で生命を燃やすのは、たった一度限りです。人は、何かを残すために、幾度もこの地上に降り立ちます。

あなたは現在の名前で、現在の肉体を纏って、何を達成するために、この世に生まれて来たのでしょうか。この人生で、どうしても成し遂げたかったこと。この人生で、どうしても、叶えたかった夢。過去と未来の狭間で、心ある仲間や友人の支えを得ながら、それについて実現が今から可能か、真剣に考えてみる季節があっても良いでしょう。TRINITY読者の皆様にとりましては、この9月が、自分自身の魂の願いと真摯に向き合う、実り多き時間となるよう、祈念しております。





 

(了)

 

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