とどまらぬ自然災害、疾病、生活必需品の値上げと苦境が続く中で……九紫火星10月は、楽観的に日々の生活を楽しむことで運が開ける時
10月を迎えました。先月は第2次岸田再改造内閣が発足しましたが、70代以上の閣僚が多く、また自民党役員を含め数々のスキャンダルが発覚するなどで国民の不信感を招き、期待された内閣支持率の上昇はありませんでした。この状況で、岸田首相が年内の衆議院解散・総選挙を決断するかどうかが注目されます。
国外に目を遣ると、月運であった一白水星の影響か、リビアでは大洪水が発生し、2万人以上が犠牲となりました。また、モロッコで起きた大地震では、3000人以上の人命が失われています。インド南部のケララ州ではニパウイルス感染症のアウトブレイク(集団感染)が発生し、死亡者が出るというニュースが報じられましたが、日本でも首都圏を中心にコロナ感染者の増加が指摘されるなど、再びのパンデミック発生が懸念されています。
経済面では、先月の恒大集団に続き中国の不動産大手・融創が20兆円の負債を抱え米連破産法を申請するなど、中国の不動産バブルの本格的崩壊が指摘されています。また、日本国内に於いては、今月はハムやソーセージ、アイスクリーム、第3のビールに加え、日本郵便のゆうパックや三井住友銀行の振込手数料が値上げされるなど、庶民の生活が更に逼迫する状況が見込まれています。厳しい環境は続きますが、どうか希望を失わずに過ごしたいものです。
寒露を迎える10月8日、月運が一白水星から九紫火星に移ります。九紫には陽気さと共に、“物事をはっきりさせる”という意味があります。また“高貴さ”を表すので、気位が高くなり、他者への思いやりに欠けるという点もあります。象意としては“破壊、分裂、対立、戦争、解雇、憎悪、離婚”といった特徴があります。また“再会、二度目”といった、“復活”の面も強調されます。
“火”の星ですので、今月は小競り合い、口論からくる喧嘩、暴行や傷害などに要注意です。また“解雇”の象意があるように、今月は企業の倒産や事業の不振で雇い止めに遭ったり、職を失う方が増えるかもしれません。自然災害の面では、“火事”(火山の噴火)には特に警戒が必要となるでしょう。
10月の月運の干支は、“壬戌(みずのえいぬ)”。今月はこれまで重ねてきた苦労が活き、楽観的になることで成功するという暗示が出ています。恋人探しや婚活などで重ねてきた努力が、漸く実るようです。“壬”の字は織機に巻き付けられた糸を指しますが、“母親=羊水”が語源でもあるので、女+羊=“妊”で、妊娠の暗示もあります。恋人、配偶者がいらっしゃる方は、お腹にお子さんを宿す可能性があるかもしれません。
二十八宿は“角宿”。今月は社交性、美意識が高まり、おしゃれで楽しいことを追求する一ケ月となりそうです。遊興に惜しみなくお金を使うので、お財布の中が寂しくなるかもしれません。華やかな生活からコミュニケーションは活発となり、異性の友人との飲食や会話を重ねるプロセスが、恋愛に発展する可能性も高いでしょう。注意力が散漫になる傾向があるので、盗難には注意しましょう。また持病の悪化や突然の精神不安にも、気をつけたいところです。
重要な契約や勝負事に関しては、大安の6日、12日、17日、23日、29日、よろづよしの17日、百事吉の20日、一粒万倍日の5日、15日、18日、27日、30日に設定すると良いでしょう。特に17日は、天赦日、一粒万倍日、よろづよしが重なる最強大吉デーです。デートや告白、プロポーズを考えている方は、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は南ですが、2日から17日は天一天上となるので、自宅の掃除さえしっかりしておけばこの期間は方位に障りはありません。
金環日食と部分日食という2つの“食”が世界に動揺を齎す10月 — 激しく入れ替わる人間関係の中で、これからの運命を共にする異性を選び取る
西洋占星術の観点で言えば、10/22までは太陽は天秤座に入っています。今月は対人関係、パートナーシップの中に、あなたの魂の成長が用意されていそうです。ご縁の強いソウルメイトとの出逢いや、交際の可能性が高まる気配です。5日は水星が天秤座へ、9日には金星が乙女座に移動します。男女間のコミュニケーションが活発になる時ですが、社会的地位や財産などの打算よりも、純粋にときめく気持ちを大切にした方が良い結果を生むでしょう。
11日には、山羊座に滞在中の冥王星が順行に転じます(~2024.1.21)。これまで命脈を保っていた“昭和的な”古い価値観、慣習が見直しまたは批判の的とされ、急速に社会から影響力を失ってゆく時です。誰もが正義感を強める中で、これまで隠蔽されていたタブーが露見したり、著名人の失言が糾弾され社会的に抹殺されるなど、“闇”が晴れると同時に緊張感、ある種の窮屈さを感じる場面があるかもしれません。一方で会社や組織の縛りも解け、フリーランスやテレワークといった自由な仕事の仕方も更に浸透してゆくでしょう。“個人”としての底力、剝き出しの実力が問われる、ある種厳しい時代の到来となりそうです。
12日の13時頃には、火星が天秤座から蠍座に移動します。この時期は、誰もが“熱さ”を抑えられず、口論や舌禍などでトラブルとなったり、ヒートアップした行動で社会に迷惑をかける気配が感じられます。何かを起こす前には、一呼吸を置く習慣をつけると良いでしょう。
15日2時55分には、天秤座で新月を迎えます。金環日食となるこの新月では、皆のフットワークが軽くなり、ネットを介しての活発なコミュニケーションが展開されそうです。勇気を出して動き出すことで、“運”も大きく動く時です。その中から、新しい恋愛や共同事業がlaunchする動きも出てくるでしょう。日食は日本では見ることができず、北アメリカ、中米、ブラジルで観測できます。全てを飲み込む=リセットの暗示があるので、上記の観測可能な地域では大規模な自然災害や伝染病の発生に、注意が必要です。
22日には水星が、24日には太陽が蠍座へ。仕事面、プライベートに於いて、人間関係の大幅な入れ替えがありそうです。思いもよらなかった場所で出逢った異性とすぐに深い仲になるなど、(善きにせよ悪きにせよ)予想外の展開があるかもしれません。別離の場合は、男女の愛憎も含め、激しい亀裂を伴う訣別となる場面もあるでしょう。
そして29日5時24分の牡牛座満月(ハンターズムーン)は、部分月食(ブラッドムーン)となります。この満月では、男女関係、パートナーシップに焦点が当たり、刷新された人間関係の中から、スムーズな恋愛の交際がスタートする環境が整えられる流れです。女性から男性をハンティングに行く際は、赤や橙色の装い、メイクをして勝負を賭けると吉です。この時期は、クリスマスまで2ケ月を切ります。聖夜にどんな男性と鐘を鳴り響かせたいか、具体的な戦略を練って行動してみましょう。
今月は、旧暦の神無月です。出雲大社の鎮座する島根では“神在月”と呼ばれ、日本中から八百万の神々が集まって一堂に会し、縁結びの会議を行うとされています。
今月の最後は、日本最古の和歌とされる、スサノオノミコトが最愛の妻・クシナダヒメを想って詠んだ歌を、紹介しましょう。
“八雲立つ
出雲八重垣 妻籠みに
八重垣作る その八重垣を”
(訳)何重にも重なり合う雲が立ち上る、ここ出雲に立ち上がるのは、
あの八重垣のような雲だ。
私が妻と住むこの家にも、八重垣を造っています。そう、八重垣を—
クシナダヒメは、ヤマタノオロチに食い殺されるところをスサノオに救われ、出雲に帰った二人は結婚し、須賀という場所に新居を建てました(映画『君の名は。』のラストシーンで、主人公の瀧と三葉が劇的な再会を果たした場所が“須賀神社”です)。その新居が完成した時の喜びを、スサノオは歌にしてこう詠んでいました。
見上げれば、青空には白い雲。その何重にも重なる八雲に、スサノオは最愛の妻・クシナダヒメとの希望に満ちた夫婦生活を、思い描いていたのでしょう。天上で、神々が縁結びの会議をする神無月に、TRINITY読者の皆様が、それぞれに神々のご加護の掌中で、人生の豊穣の秋を噛み締めることができる季節となりますよう、祈念しております。
(了)