令和5年7月メッセージ — 厳しい時代の修練に耐え忍んだ私たちは、夏を告げる“雷鳴”の向こうに人生の果実を味わう

7月

物価上昇、インボイス、マイナカードと不安、混乱が極まる夏に — 三碧木星7月は個人や社会に“雷鳴”の如き出来事が起きる時

7月を迎えました。衆議院の解散が焦点となった国会は結局、内閣支持率の急落を理由に岸田首相が解散を回避し閉会となりました。先の国会で成立したLGBT法案は、与野党双方からその内容の曖昧さが批判されるなど、法律の存在意義に疑問が呈されています。この法案の審議中には、トランスジェンダーを自称した男性が女装した姿で銭湯に侵入し逮捕されるなど、既に社会に混乱が齎されています。

経済面では牛乳やヨーグルト、アイスクリームといった乳製品も、原材料や物流費の高騰により値上げされるなど物価は上昇する一方です。秋に導入予定のインボイス制度をめぐっては、芸能・芸術分野の一端を担う声優や若手クリエイターなどから、廃業を余儀なくされると反対の声が上がっています。マイナンバーカードの問題についても、同姓同名の別人への交付や専用サイトでの不具合など、続々とトラブルが判明しました。

こうした相次ぐ混乱への国民の不安、不満の集合意識が表面化したかのように、先月は闇バイトで21歳の女性が逮捕されたり、自衛隊射撃場内で隊員の射殺事件が起きたりと、暗い世相を表すニュースが報じられました。希望を持つことが難しい時代ですが、どのような厳しい状況にあっても自らが放つ波動を下げることなく、日々を精一杯生きたいものです。

小暑を迎える7月7日、月運が四緑木星から三碧木星に移ります。三碧木星は、“雷”を表す星です。 “新芽、発芽、雷雨、雷鳴、爆発、噴火、顕現”といった象意があります。“木”と“雷”の星ですので、今月は恋愛面、人間関係面で、まさに雷鳴のような出来事や、今まで頑張ってきた成果が出る暗示です。また論争、短気、露見、喧嘩、銃声といった象意もあります。

この7月の社会は、世界的に政治思想の相違を理由としたデモや紛争、また自然災害に十分注意をすることが求められる月となるでしょう。先月は首都圏で立て続けに震度4の地震が起き、文字通り人々を震撼させました。トカラ列島近海も変わらず、不穏な情勢です。三碧の今月は“震”の暗示がありますので、引き続き今月も、大規模な地震を起因とする火山の噴火への細心の注意が必要と言えるでしょう。

先月はロシアで、民間軍事会社『ワグネル』による反乱が起きましたが、海外で大小のテロが起きる可能性が、この7月も懸念されます。誰もが興奮しやすく感情の起伏が激しくなりがちな月になるので、舌禍や口論による傷害トラブルの多発に注意が必要です。心を落ち着かせて、努めて穏やかな心理状態を心掛けたいものです。

7月の月運の干支は、“己未(つちのとひつじ)”。夏に広がる、広大な田園のイメージです。今月は、現実的に何か夢や希望が叶ったり、仕事で大きな成果や実績と挙げたりと、喜ばしいことに恵まれそうです。単独行動ではなくチームワークを重視し、仲間を大切にすることが求められる月となりそうです。管理職など指導的立場にある方は、部下を育てる才能を発揮できるでしょう。

二十八宿は“張宿”。今月は、他者からの思いがけない援助に恵まれ、バイタリティーに溢れ健康的に過ごせそうです。仕事での出張先、プライベートでの旅行先で良い出逢いに恵まれたり、就職活動中の方はホワイト企業に内定が決まったりと、これまで積み重ねた“徳”の配当を味わえそうです。女性は美容に力を入れると、より輝きを増すでしょう。なかなか結婚縁に恵まれなかった方は、お見合いや合コンに積極的に参加すると、実を結ぶかもしれません。ただ、あまりに好調で自信過剰になる傾向があるので言葉遣いには十分、注意しましょう。

重要な契約や勝負事に関しては、大安の6日、12日、23日、29日、百事よしの20日、一粒万倍日の14日、23日、26日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は東南ですので、この方位への旅行等は控えましょう。

ドラゴンヘッド/ドラゴンテイルが移動し、情熱と協調のバランスを求められる7月 — 真夏の果実は、ゆったりと備えている忍耐強い人だけが味わえる

西洋占星術の観点で言えば、今月は1日の朝方より、魚座の海王星が逆行を開始します。これから年末までは、むかし思い描いた夢や理想を、再び取り戻したいという気持ちが強まりそうです。木星が牡牛座にいる影響で、経済面では活況を見せ、企業の夏のボーナスも比較的好調でしょう。経済的余裕から精神的な幸福感を得られる人が多く、個人が発信する新たなエンタテイメントから、大きな動きが出てくるかもしれません。

3日20時39分には、山羊座で満月を迎えます(バックムーン)。この時期は、これまで情熱を持って取り組んできたプロジェクトや仕事面で、何か新しい展開があるかもしれません。自身を取り巻く人間関係もクリーンアップされ、新たな人生の基盤が築かれてゆくでしょう。この時期に新たに出逢う異性を大切にすると、道が開けそうです。10日には火星が乙女座に移動します。獅子座にいた頃は、世間では誰もが闘争本能を強め、激しやすい雰囲気だったのが、少しは緩和されそうです。

翌11日には、水星が獅子座入り。言葉によるコミュニケーションが、非常な大事な時期となります。金星も10月まで獅子座にいる影響もあるので、好きになった相手への告白を考えるなら、態度ではなくしっかりと対面して言葉で伝えましょう。 18日3時32分に迎える蟹座の新月は、自分のホームグラウンド、居心地の良い場所を創ってゆくフェーズに入ります。出逢ったばかりなのに何故か懐かしい、家族同然の仲間のつつみ込むような愛に支えられ、素敵な下半期の予感で、満たされていることでしょう。

またこの日は、ドラゴンヘッドは牡牛座から牡羊座へ、ドラゴンテイルが蠍座から天秤座へ1年半ぶりに移動します。より情熱を持って、直感に従って行動しつつ、周囲との調和も図ってゆくことが求められる時です。社会人としてふさわしい振る舞いをしつつ、プライベートでは趣味の充実や副業の活発化など、バランスをとりつつ自己実現を図ってゆきましょう。

23日には、獅子座の金星が逆行を開始します(~9/4)。今夏は、結婚や婚約など、恋愛にまつわる重大な判断は避けた方が良いでしょう。魚座の土星も、11月まで逆行しています。過去の傷や、自分の本心と向き合う時期です。まだ切れていない昔の恋人等との関係はしっかりと清算し、現在進行形で交流のある人、好きな人との関係をじっくりと深め、大切にしてゆきましょう。

夏が再び、巡ってきました。今月は、私が10代の頃に感銘を受けた、ドイツの詩人・リルケが詩人志望の青年、フランツ・カプスに宛てた『若き詩人への手紙』の一節を再び、引きましょう。

「木というものは、自若として春の嵐の中に立ち、
夏はこれに続いて来ないかもしれぬというような心配はしません。
夏は必ず来ます。
しかし、夏は、あたかも目の前には永遠があるとでもいうように、
なんの懸念もなく静かにゆったりと備えている、
忍耐強い人々のところにだけ来るのです」

今から100年以上前、リルケが若き詩人に宛てた手紙の一節は、時を超え、現代に生きる私たちへの、温かい励ましの言葉のようにも思えます。厳しい春の嵐を耐え忍んだ木々は、この夏、優しい太陽の光を浴びながら、鮮やかな緑を燃やすことでしょう。未来に向け、静かにゆったりと備えながら人生の試練に耐えたあなたが、燃え上がるような友情と真実の愛につつまれ、人生の果実を味わえる7月となりますよう、祈念しております。




 

(了)

 

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