令和4年5月メッセージ —— 戦乱と経済危機の足音におののく私たちは、皐月の空を泳ぐ鯉のぼりに未来への希望と平和への願いを賭ける

5月

戦争、円安、舌禍と混乱極まる社会情勢の渦中で — 八白土星5月は、言動/行動に注意を払いつつ迫りくる経済危機に備える時

5月を迎えました。

ロシアとウクライナの交戦は、マウリポリを中心に激しい戦闘が続いています。戦火により貴重な人命が多く失われている一方で、原材料の高騰、原油高に伴う物流コストの上昇が、日本経済を本格的に圧迫し始めています。先月は1ドル=130円台と、“悪い円安”が進みました。今年の年運である五黄土星には、戦争や凶悪犯罪、自然災害の象意がありますが、これに加え下半期は、本格的な食糧危機の可能性が高まっていると言えるでしょう。また、先月は、大手牛丼チェーンの常務取締役を務める人物が、大学の公開講座で極めて反社会的な発言をし、ネットに拡散後わずか3日で解任されるという出来事がありました。西洋占星術の観点では“風の時代”に入りましたが、“風”はインターネットを指します。“地の時代”だった昭和時代なら、局地的な発言で失脚することもなかった言動、行動が瞬時にして拡散され、社会的信用を失墜させる時代です。これまでカジュアルに行われていたネット上の名誉棄損も、自殺者が出たことで厳罰化の動きが広がりました。軽いつもりで発した“舌禍”が、人生を狂わす命取りとなる時代に入っています。他人の尊厳を傷つける汚い言葉ではなく、自分も、それを聴いた相手も幸せになるような、プラスの言葉を心掛ける事が、“風の時代”に成功するキーポイントと言えるでしょう。

立夏を迎える5月5日、月運が九紫火星から八白土星に移ります。
八白には“交代、曲がり角、断絶、廃業、終止”といった象意があります。
また“改革、連絡、再起、復活”
といった面も強調されます。
八白は、“山”を表す星です。山の天候は変わりやすいという意味から、今月は気分がコロコロ変わりやすく、周囲に迷惑を掛けやすくなるかもしれません。
運気も急変しやすいので、特に問題もなく好調だった状況が突然、視界不良になるという可能性があります。“廃業”や“終止”の象意があるように、今月は資金ショートで中小企業が破綻したり、また自営業者がコロナ禍に持ちこたえられず廃業を余儀なくされるなど、経済は復活の糸口を見出しにくい状況でしょう。

一方で、“連絡”“復活”の意味もあるように、ここ数年、関係が途絶えていた旧友と再び行き来するようになったり、またはSNSを通じてご縁のある方から連絡が来たりと、まさに大きな時の流れの中での“人間交差点”を肌で感じる一ヶ月となりそうです。

5月の月運の干支は、“乙巳(きのとみ)”。
初夏に生い茂る、蔓草のイメージです。
今月は、天に向かってどこまでも伸びてゆく蔓草のように、誰かと夢を語り合い、励まし合うと良いでしょう。また、誰もが魅力的で、色気を放つ暗示もあるので、恋愛関係も華やかさを帯びそうです。不倫や三角関係のお誘いには、注意しましょう。

二十八宿は“危宿”。

今月は、好奇心旺盛で新しいものに目がいきがちとなりそうです。思考も行動も奔放になり、妖しい色気も放つ傾向があるので、夜の盛り場などでの危険な恋には注意しましょう。また、船や車に乗るのは避けた方が良いかもしれません。女性は、夜道の一人歩きには特に注意しましょう。なお、今月は東北の方位が暗剣殺となりますので、この方角への旅行等は控えるのが得策です。

 

アウェイクニングカード&タロットによる個人面/社会面の月間リーディング — “表現せよ”“あなたは鏡”、そして“塔(正)”“星(逆)”のカードが暗示する2022年4月の暗示は

5月の月間カードリーディングですが、社会情勢は先月に引き続きタロットカードを使用し、個人の生活面に関しては新機軸として、私の友人であるエネルギーアーティスト・森下陽子先生が制作された“アウェイクニングカード”を使用し、それぞれスリーカードで占いました。

5月

アウェイクニングカードリーディングで出たのは、『まっすぐ進め!(1番)』『表現せよ(9番)』『あなたは鏡(22番)』のカード。アドヴァイスカードは『花開かせ飛ぶ(11番)』。
『まっすぐ進め!』は“自己信頼、覚悟、許可する、前進”を、
『表現せよ』は“諦めない、口に出す、恐れ、本能に従う”を、
『あなたは鏡』は“本当の望み、メンター、魂の繋がり”を、そして『花開かせ飛ぶ』は“願望成就、自己実現、新しい出会い”といった意味を表します。
今月の個人面では、先月、入学や就職などで新しい環境に入った方、また新たに開設したSNSの場で知り合った人との絆が強まり、互いに魂の再会の喜びを噛みしめる場面がありそうです。新たなスタートを切った自分の人生を、支えてくれる登場人物が揃うタイミングです。周囲の人々に自分の夢や目標を、口に出して伝えてみましょう。協力者の支えの中で、夢が実現するスピードが、速まるかもしれません。

5月

社会情勢を占ったタロットカードで出たのは『ペンタクルの5(逆位置)』『ワンドの5(正位置)』『戦車(正位置)』。アドヴァイスカードは『ペンタクルの8(逆位置)』。
“ペンタクルの5(逆位置)”は、“経済的な好転、金銭の援助、苦しい状況からの改善”を意味します。“ワンドの5(正位置)”は対立、妥協できない闘争、衝突、徹底抗戦といった象意を、“戦車(正位置)”は短期決戦、押しの一手を暗示。そしてアドヴァイスカードの“ペンタクルの8(逆位置)”はやる気が失せる、技術の悪用、反社会的な裏稼業といった意味を表します。

総合すると、この5月の社会は、日本では長期化するコロナ禍対策として、給付金などの公的援助の動きが出て、経済的に困窮する人々にはやや希望が出てくる気配です。しかしロシアーウクライナ間の戦闘状態を要因とする物価高の上昇は止まず、貧困層は努力を放棄し、違法な稼業などの反社会的な仕事に手を染めるケースが出てくるようです。またウクライナ情勢は、短期決戦や奇襲などで、武力による被害が拡大する危険性が高まる暗示が出ています。給付金の支給に関しては、与党の参院選対策という面もありますが、どこまで効果があるかは不透明なところです。今月の月運である八白土星の象意が廃業、破綻であることからも、破産や倒産を契機に、まっとうな生活を諦め、裏稼業へと転落してしまう人が増えてしまうかもしれません。先月も記しましたが、コロナ禍から丸2年が過ぎ、生活困窮者、うつなど心的な障害に苦しむ人は増加の一途を辿っています。本当の意味での、セーフティネットの構築が求められています。悲しい涙を流す人を一人でも多く減らすのが、本来の政治の在り方でなければなりません。余裕のない状況の中にあっても、国の行く末を考える時間を持ちたいものです。

 

再び巡ってきた“食”の季節に — この5月は、目まぐるしく入れ替わるご縁と景色の只中で魂を輝かせ、生命の喜びを噛みしめる時

西洋占星術の観点で言えば、1日は5時28分に牡牛座で新月が起こります。ドラゴンヘッド近くで起きるこの部分日食は、強いご縁のあるソウルメイト、今後の新たな生活の鍵を握る重要人物との運命的な出逢い、愛の深まりが期待できそうです。5日には、太陽と天王星が重なります。電子マネーの浸透に代表される社会構造の変化が、より一層促進される流れが出てくるでしょう。10日には、水星が双子座で逆行を開始(~6/3)。交通機関の乱れやメールの不達など、コミュニケーションの行き違いが起きる時ですが、一方で過去に出会い、疎遠になっていたご縁で今、必要な存在が戻ってくるタイミングでもあります。翌11日には、木星が牡羊座へ(~10/28)。これまで手を付けていなかった、未知の領域へ情熱を持ってトライする時です。木星の魚座→牡羊座への移動のタイミングでは過去に、先月も触れた1856(安政3)年の“安政3年の大風災”で江戸の町民10万人以上が死亡という惨事が起きています。先月は知床半島で観光船が沈没し乗客が多数犠牲になるという痛ましい事故がありましたが、今月も十二分に、水害などへの注意が必要です。そして16日の13時14分に起きる蠍座での満月(フラワームーン)は、皆既月食となります。副業、複業による収入革命、これまで趣味にとどめていた造詣の深い分野への知識、特技のSNS上での発露が、思いがけない強固な友達ネットワークと副収入を与えてくれそうです。言葉によるコミュニケーションを大切に、自分の思いを具現化する一歩を踏みしめましょう。30日の20時30分には、今月2度目となる新月が双子座で起こります(ブラックムーン)。これからの人生で実現したい魂の願いを、改めて宇宙に向けて願いましょう。趣味、余芸を楽しむ仲間内の盛り上がりが、大きな収入をもたらすムーブメントに変貌するチャンスの兆し。運命が大きく切り替わる、まさにその時です。

今月は、“こどもの日”があります。
電車に乗っていると、鯉のぼりが家々に並び、風に泳いでいるのを、車窓からよく見かけます。

この時期になると思い出すのは、俳優としても活躍する絵師・片岡鶴太郎(1953~)さんの、『虹鯉』という名作です。
鮮やかな色を湛えた恰幅の良い鯉が、口を大きく開き、その生命力の力強さを観る者に見せつけ共振させる、まさに味わい深い一作です。
今月は、昨年のこの時期も当コラムで引いた、『虹鯉』を発表した際の鶴太郎さんの言葉を、改めて引きましょう。

 

二百三十年以上生きた鯉がいた。

緋鯉の花子。鯉は長寿である。

それに肖(あやか)り、男子が生まれると鯉のぼりを上げ、

元気で逞(たくま)しくあることを願った。

鯉は歯を持たない。

仲間たちと争うことを嫌った。

どんな状況下でも、その環境に順応し、

健(したた)かに生き抜く生命力を持っている。

しかし、一旦俎板(まないた)に載せ、目を塞ぐと決心をする。

その潔さ、その生き方に私は敬服致しているのである。

幾多の生き物たちが、

挑んでもなしえなかった登竜門への滝を、

この鯉だけが登りきった。

鯉とはそれ程に気高く、

崇高な魂を持ったお方様なのである。

 

海を隔てた向こうでは、元は同じ国同士だった人々の、血で血を洗う戦闘が続いています。

しかし私たち日本人は、“和”の精神で争いを極力避け、互いに話し合い、助け合ってきた民族です。

“歯をもたないという強さ”を選んだ者には、生命の滝を登り切る崇高な魂が、備わっているのです。

私たちは、絶望ではなく、“希望を選ぶ鯉”となり、できることから、始めてゆきましょう。

引き続きの厳しい状況の中に在っても、読者の皆様におかれては、強いご縁で結ばれた仲間の支えの中で、希望に満ちた5月となりますよう、祈念しております。

 

(了)

 

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