Trinity読者の皆さま、こんにちは。アーユルヴェーダ研究家の遠田優美です。
本連載では、心の健康のためのアーユルヴェーダの日常生活法「サッドヴリッダ」をご紹介しております。
今回のテーマは『非暴力』です。
身体・言葉・思考において、暴力をふるわないこと
健康な精神作りのために、「非暴力を守りなさい」とアーユルヴェーダの古典書には書かれています。
「暴力をふるってはいけない……とは当たり前じゃないかしら?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、改めてそのことについて考えることで、私達の心はずいぶん平和な方に向かう気がしますので、どうぞ読んでみてください。
暴力には、
■ 身体における暴力
■ 言葉における暴力
■ 思考における暴力
の3種があり、どのような形であっても、暴力行為はしてはいけないと説かれています。
●身体における暴力
身体における、態度や行為による暴力とは、
殴る、蹴る、或いは武器などを使って暴力行為をおこなうこと。
ケンカを売ったり、ケンカを買ったりすること。
嫌がらせをすること。
他人を傷つけるような態度をとること。
暴力を好む者と付き合うこと。
などが上げられます。
ケンカやいじめなどの直接的な暴力行為はもちろんですが、怖がらせるように睨んだり、バカにしたように嘲笑ったり、無視したり、仲間外れにしたり……といった他人を傷つけるような行為や態度も含みます。
一見暴力に見えなくても、相手が嫌がることがわかっていながら行う行為は暴力のひとつです。また、ケンカやいじめなどの暴力行為を好む者と付き合うこともいけない、とサッドヴリッダは説きます。
●言葉における暴力
言葉における暴力とは、
罵り合い、怒声、口喧嘩。
侮辱したり、蔑むような言葉を言うこと。
不安や恐怖をあおるようなことを言うこと。
陰口を言うこと。
欠点や悪口を言いふらすこと。
陥れるようなことを言うこと。
などが上げられます。
相手に直接、傷つけるような言葉を言うこともいけませんが、本人がいないところで、その人の欠点や悪口を言うことも言葉の暴力です。
また、最近は、SNSなどでコミュニケーションをとることも多いので、そういった場での暴力的な書き込みも該当するかと思います。
●思考における暴力
思考における暴力とは、
怒り、妬み、憎しみなどの感情を持つこと。
誰かに敵意を向けること。
争いを好むこと。
暴力的な考えを持つこと。
暴力的なことに興味をもつこと。
などが上げられます。
暴力的なことは、頭で考えることさえいけないというのです。
「◯◯さんなんて、失敗しちゃえばいいのに……」「お隣さんの家のほうがお金持ちで憎たらしい……」など、態度や言葉に表していなくても、心の中で暴力をふるったことになります。
暴力的な思考は、さらに激しい暴力的な思考を呼び、思考した本人の心を蝕みます。
暴力をふるってはいけないとは、「相手も、自分自身も、誰をも傷つけてはいけない」ということなのです。
寛容な心をもつこと、時に逃げること
以上のような、3種の暴力を避けるために、
◇自分への悪口や陰口に寛容な心をもちなさい。
◇忍耐強くなりなさい。
◇怒りの原因から遠のきなさい。
と説かれています。
その人がした暴力の報いは、その人に返ってくるだけなのです。
暴力に対抗して暴力で返せば、自分がした暴力に相応しい報いが返ってきます。
そのことを踏まえて、自分への悪口や陰口はあまり気にせず、たとえイライラすることがあってもすぐに怒りを爆発させたりしない忍耐強さが大切だと言います。
しかし、時には、自分でコントロールできないような、どうしようもないような状況も起こるかもしれません。その時には、怒りの原因から自ら遠のくことも必要です。
非暴力により、デトックスできる!
身体・言葉・思考における非暴力を守ることで、ストレスは驚くほど軽減され、穏やかな心の状態が多くなることでしょう。
まさに、心の奥深くからデトックスされたような状態です。
すると、あなたの周りから、自然と暴力的なことや、争いごとが遠のき、穏やかな人達と、平和な環境の中で暮らすことができるようになります。
暴力を捨てることで、本当の健康と心の平和を手に入れることができるでしょう。
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