第55回★絵本の世界コッツウォルズへ
英国の美しいカントリーサイドのなかでも、とりわけ人気の高い風光明媚なコッツウォルズ地方。
美しい村々が並ぶこの地域のなかで水辺の町として有名なボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton on the Water)へやってきました。
コッツウォルズのリトル・ベニスと呼ばれるこの町には、築200年の石橋がかかるウィンドラッシュ川が流れ、澄んだ川面と緑の緑地、はちみつ色のコッツウォルズストーンで建てられた家々が並んでいます。
また町の中心には709年に建てられた歴史あるセントローレンス教会はじめ、香水工房、雑貨屋、ティールームも並び、その美しく牧歌的な町の景観は、まるで絵本の世界に迷い込んでしまったかのよう。
広大な丘陵地帯におよそ100の村や町が点在するコッツウォルズ地方は、東京都とほぼ同じ広さなのだとか。
かつてはローマ人によってもたらされたコッツウォルド・ライオンと呼ばれる毛の長い羊によって、コッツウォルズ地方は羊毛貿易が盛んになりました。
けれど18世紀以降に毛織物から綿製品へと時代が変わり、コッツウォルズ地方は時代から取り残されていきます。
けれどそのおかげで産業革命期にも影響を受けることなく、数百年前から続く田園風景が今もなお保たれることとなります。
めまぐるしい発展を遂げる現代社会は、さまざまなものが便利になっても、気づけば時間に追われるばかり……。
けれど、ゆっくり時を刻んでいるかのようなコッツウォルズ地方の町を散策するだけで、そんな日々の忙しさも忘れてしまいそう。
蜂蜜色の家が並ぶ静かな村々であなたも心から癒されてみませんか?
絵本からそのまま飛び出してきたような可愛らしい蜂蜜色の家々が並び、美しい街並みが残るボートン・オン・ザ・ウォーター。
豊かに広がる田園と小さな村が点在するコッツウォルズは英国の特別自然美観地域に指定されています。
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