台風にも地震にも負けず 心に花火を上げよう〜鎮魂に慰霊、疫病や飢餓の退散を花火で

●鎮魂に慰霊、疫病や飢餓の退散を花火で。

多くの花火がこれまで、魂を鎮め慰め、さまざまな苦しみを吹き払うために打ち上げられてきました。
今も多くの花火大会が、無病息災を祈願をするなど神社への奉納として行われています。

隅田川花火大会は、毎年多くの人で賑わう有名な花火大会のひとつです。
そのはじまりは、飢餓や疫病が猛威を振るい多くの死者を出し人々の心に影を落としていた時代だったと知られています。
八代将軍吉宗によって慰霊と疫病退散を祈願し、川施餓鬼として花火が打ち上げられました。

 

●施餓鬼(せがき)は仏教の法会。

施餓鬼とは、餓鬼道にあって飢えと渇きに苦しむものに飲食を施して供養する仏教の行事です。
餓鬼は、自らの罪深き行いによって食べるもの、飲むものがすべて炎となって燃えてしまうため飢えと渇きから逃れられないのです。

この餓鬼への供養によって長命を祈願するのが施餓鬼もしくは施餓鬼会です。
施餓鬼を行うのに特定の日はなく、僧院によっては毎日行うこともあるそうです。
現在の日本では盂蘭盆やお彼岸に、お寺で僧侶のお話を聞き食事をするといった形で行われることが多いようです。
川施餓鬼は、川で亡くなった人のために川岸や舟で行われる法会なのだそうです。
隅田川花火大会の発端となった徳川吉宗の川施餓鬼のように、花火を打ち上げたり、灯ろうを流したりする形で、今も群馬県の千代田などで行われています。

 

●未来を夢見て上げる花火。

宗教的な背景のない花火大会もありますが、そこには地域の発展や住民の幸せへの願いが込められています。
大阪の淀川花火大会は、今年2018年30周年の記念の年を迎えて、大阪での万博開催への願いを込めた大会になりました。
この花火大会は、企業の協賛などによって地域の運営で行われています。

淀川花火大会では今年、都市の中心でありながら上空300mに直径300mの大きさに広がる一尺玉が打ち上げられました。
川の上から打ち上げる利点で幅1kmに渡る水上花火、夜空に広がる打ち上げ花火、音楽とのコラボレーション、昔はなかったパステルカラーの花火など、新しい花火が取り入れられどんどん進化しています。

福井県の三国花火大会は京福電鉄によって開催されたのがはじまりで、現在は民間の有志によって運営されています。
海上花火で今年、大きいものでは上空高く450mに打ち上げられらた二尺玉が、夜空に460mに広がって咲きました。

 

●今こそ、花火を打ち上げる心意気になりたい。

花火には、単なる楽しみというだけでなく純粋な感動があります。

わずか数秒の美しさために命をかたる花火師さんはもちろん、多くのスタッフ方々の力、多額の寄付もあって実現します。

台風や地震などこれまで経験したことのない事態が次々と起こった今年、厳しい状況で花火を打ち上げてきた昔の人々の心を思うと、そこにある奇跡的で感動的な強さが実感されます。
力が弱っているときに、花火を上げる勇気をもつ素晴らしさ。
被害を受けられた方々の一日も早い安心して幸せを感じられる復興を願っています。
辛い時厳しい時でも心の中で花火を咲かせられたらと願います。

 

 

●これから見られる秋の花火大会。

夏の花火大会だけでなく秋にも実施予定の花火大会があります。
実際の開催予定、実施内容は主催のweb サイト等をご確認ください。
・茨城県土浦全国花火競技会:10月6日(土)
・秋田県大曲花火大会:10月13日(土)
・川崎市多摩川花火大会:10月13日(土)
また現地に足を運ばなくても、家で花火が楽しめるブルーレイなども販売されています。

※画像はすべて大阪の淀川花火大会、映像は福井の三国花火大会で撮影。

 

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