出版不況の今でも、「本を出版したい!」と誰もが思うもの~最近の本の出版事情はどうなっているのか、客観的に推測する~

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専門的な職業に携わっている人であれば、その多くが「自分の本を出版したい」という願望を持っているものです。特に占いやスピリチュアル界では、ブログなどで自己アピールをしている人の大半が、出版したいと思っているのではないでしょうか。

しかし昨今は、どんどん出版不況に陥っているといわれています。一昔前は100万部のベストセラーが出ていたのが、今はほとんど出ていない、という話も耳にしました。本を出しても、赤字になる可能性が高いのです。そんな状況の中、最近の本の出版事情はどうなっているのでしょうか?あくまでも客観的な視点から、推測したいと思います。


立派な内容だから出版できる訳ではない

 本を出したい人の多くが誤解していることに、「内容が素晴らしく立派であれば、出版にこぎつけやすい」という考えがあると思います。

例えば、難しい専門知識がぎっしりと詰まっていたり、複雑な分析内容が書かれていたり……。そんな内容をブログなどで公開し続けていれば、やがて出版の声がかかるのでは……と期待している人も多いかもしれません。それは、本がどんどん売れる時代であれば叶ったかもしれません。しかし最近は、全く違っていると感じられます。

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多くの出版社が求めるのは「売れること」

まず多くの出版社が、本の出版で最も求めているものは、「とにかく売れること」、このひと言です。赤字にならないように、重版がかかるかどうかが切望視されます。

また、軽く読めるネットが普及した昨今は、人々が本を読まなくなり、難しい文字も追わなくなりました。出版されている本を開くと分かりますが、一昔前に比べると文字が大変 大きくなり、イラストも増えているように感じます。あまり文字を読まない人でも簡単に読める本が、一番の売れ線である……という状況だと思われます。

 

出版の声がかかる人とは

 それでは、今まで出版の経験がなくても「出版しませんか」と声がかかるのは、どのような人でしょうか。まず最も多いのは、「知り合いの紹介」と感じます。編集者の知り合いに声をかける場合もあるようです。

それ以外では、SNS でフォロワーが数万人以上いる人が、非常に可能性が高くなります。それは単純に、「本を出せば、フォロワーの何割かは買うだろう」という期待が持てるからです。2万人いれば、 1000人くらいは買うだろう……と期待するのです。 それ以外にテレビなどに出ていて知名度が高い人にも、当然声がかかるでしょう。

また保守的になっているため、過去に出版してある程度は売れた実績のある人は、また声がかかる可能性が高いといえます。本は誰でも書ける訳ではなく、せっかく出版が決まっても書き切れずに終わった、という人も結構います。普段から文章を書き慣れていないと、いきなり1冊分を書くのは難しいのです。

ですから一度も書いたことがない人に声をかけるのは、博打のような勇気がいるでしょう。多くの出版社にとって「売れるかどうか」が一番の基準のため、内容は二の次になっている場合が多いと考えます。

 

複雑な専門知識を披露したいなら

多くの人が、本で自分の複雑な専門知識を披露したい、と願うのではないでしょうか。ただし内容が難しくなるほど数が売れないため、出版の可能性は低くなります。その場合は、「自費出版する」という手があります。声がかかるのではなく、自分でお金を出して出版するのは「負け犬だ」と考え、嫌悪する人も多いでしょう。

しかし、私はそうは思いません。ただジッと誰かから声がかかるのを待っていても、一生本を出せない人が9割以上だと思います。本当に自分の書きたいこと書くのであれば、自費の方が自由に書けます。出版社から声がかかる場合の多くは、「売れるように」と操作が入るため、本当に書きたいことは全く書けないことが多いと思います。

自費で出しても「これは自費ですよ」と書いてある訳ではなく、周りは普通に、「この人は本を出版した人」という目で見ます。

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これからは電子書籍の時代へ

出したいと思いつつも、一生本を出すことなくジッとこまねいて待ち続けるのか、それとも自費で書きたいことを自由に書き、1冊出してみるのか……。特に最近は、電子書籍が自分自身で簡単に出せるようになっています。これからは、電子書籍の時代がやってくるともいわれています。

本が売れない分、出版社のお金で紙の本を出してもらうことへの垣根は高くなっていますが、電子書籍を視野に入れると、一昔前よりも出版自体の垣根はグッと低くなっています。今後の流れを考えても、出版に関しては、ある程度自分から動いた方が得策だといえるでしょう。



  

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