【記憶力が低下し、うつ病にも!】
また、コルチゾールは「脳にも影響」を与えます。コルチゾールが大量に放出されることで、「脳の海馬が萎縮する可能性」が指摘されているのです。海馬というのは、「記憶を司る部分」であり、こちらが影響を受けるというのは、トラウマのような衝撃的な記憶を消し去ろうという人体の防衛本能なのかもしれませんが、記憶力の低下を招きかねませんので、あまりいいものではありません。
さらに、前述したようにセロトニンの分泌が抑制されることで、脳の神経がコントロールされなくなります。ノルアドレナリンが過剰に分泌され、セロトニンがそれを制御できないと「神経症やパニック障害」の原因となりますし、逆にノルアドレナリンもセロトニンと同様に抑制されると、今度は「うつ病」になってしまうのです。
【気になる方はコルチゾールをチェックしよう】
このように、生体にとって必須でありながら、一歩間違えると心身に重大な影響を与えるコルチゾールですが、「血中濃度をチェックする」ことで、過度なストレスにさらされているのかを知る事が可能となっています。ストレスというと、精神的なものばかりがイメージされますが、「肉体疲労もストレス」となります。負荷の高いトレーニングなどは、精神的にはストレスでなくとも、身体はストレスとして受け取っている可能性があるので注意が必要といえるでしょう。
【コルチゾールを分泌しないための方法】
最後にコルチゾールを不必要に分泌しないためには、どうしたらいいのかを紹介しましょう。まずは、「しっかりとした睡眠をとる」こと。コルチゾールは睡眠中に分泌されますので、ここで必要な分を分泌させておきましょう。こうすることで、日中にストレスを受けても必要以上のコルチゾールが分泌されにくくなります。
そして、「リラックスしストレスを感じないようにする」ことも重要です。ストレスを感じそうになったら、無理に立ち向かうのではなく、ちょっと気分転換してから取りかかることで、コルチゾールが分泌する前に対処することが可能です。また、サプリメントを使うことでも、ある程度の対処が可能です。
「Steroidogenesis Inhibitors Inc.」という会社が主催している「抗コルチゾール会議」が存在しています。アメリカで毎年開催されるというこの会議で発表されたところによると、「ビタミンC、ビタミンA、DHEA」などのお馴染みの栄養素がコルチゾールのレベルを低下させることがわかっています。また、脳を明晰にするとして知られている「ギンコビロバ」というハーブにも、コルチゾールを抑制する力がるということですので、こちらも要チェックといえるでしょう。
ストレスを感じずに生きて行ければ、それにこしたことはないのですが、私たち人間は、「ストレスにさらされるのを免れない世界で生きています」ので、その中で、どのようによりよく生きていくかを模索していく必要があります。そのためには、コルチゾールのような存在もしっかりと把握しておきましょう。
【参考サイト】
コルチゾールについて
岡山大学病院 (http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/fukujinh/cor.htm)
コルチゾールの血中濃度について
うしおえ太陽クリニック(http://www.taiyou-clinic.jp/blog/archives/805)
抗コルチゾール会議について
Bodypower MAGAZINE(http://www.bodypowermag.com/online_article/rehanjehali2.html)