重要だけれども危険なコルチゾール

よく、ストレスを受けると「やけ食い」をしてしまうという人がいますが、その体内では、コルチゾールが分泌されているということになります。

【生体に必須のホルモンであるコルチゾール】

コルチゾールとは、「副腎皮質」から分泌される「生体にとって必須のホルモン」。その主要な役割は、「体内にあるタンパク質を糖分に変化させる」というものであり、それによって血糖値を高めてくれます。血糖値が高くなるというと、ネガティブな印象があるかもしれませんが、適切に糖分が生成されないと、脳を初めとした各種臓器が機能しませんので、生体に必須のホルモンとされているのです。

睡眠中に分泌されることで、脳や身体に糖分を補給してくれるために、基本的にコルチゾールの血中濃度は、起床時が最大となります。そこから徐々に低下していき、また夜の睡眠時に濃度が高くなっていくわけですが、日中であるにも関わらずその数値が高くなるケースがあります。

 

【コルチゾールはストレスで増加する】

特定の疾患がある場合もありますが、最も身近なケースとしては「高いストレス状態」にあるとコルチゾールが分泌されていまします。通常、ストレスを受けると人体は「アドレナリン」を分泌し、それによって肉体的、精神的な痛みに対抗しようとするのですが、あまりにもストレスの負荷が高かったり、継続的にストレスが加わると、アドレナリンだけでなく、コルチゾールも分泌されます。その結果、「血糖値があがり、免疫組織の活動を抑制し、心身を安定させる」ことが可能になります。

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【ストレス太りの原因はコルチゾールだった】

しかしながら、コルチゾールが過度に分泌されると「セロトニン」や「成長ホルモン」の分泌を抑制し、さらに「テストステロンのレベルも低下」させてしまいます。そうなるとどうなるのか? 様々なことがおきますが、複合的に引き起こされるもっともわかりやすい現象は「太る」というもの。

セロトニンには「食欲を抑制する」働きがありますので、それが分泌されなくなると食欲が増してしまいます。さらに、テストステロンが減ることで「筋力も低下」し、それを埋めるかのようにコルチゾールによって作られた「糖が脂肪へとかわり、体脂肪に沈着してしまう」のです。よく、ストレスを受けると「やけ食い」をしてしまうという人がいますが、その体内では、コルチゾールが分泌されているということになります。