■カルマの定義 ~悪いカルマはそもそも存在しない? すべてのバラにトゲがある理由~part.2~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol. 153

カルマ

★過去のカルマはどのように働く?

ドクタージョンによれば、私たちは年を重ねるにつれ、感情的あるいは精神的な負担を常に蓄積させていきますが、すべての子どもはもともと、こういった負担や重荷なしに純粋な状態で生まれてくるかというと、そういうわけでもなく、祖先から受け継がれたストレス要因があることは、科学で明確になっているということです。

私たちは、自分の母親の考えやとっていた食事、また行動からも、精神的、感情的、肉体的な発達に影響を受けており、さらには父親、祖父母、そして曾祖父の感情的なトラウマも受けているらしいのです。

アーユルヴェーダではこれを、サムスカラ samskarasと呼んでいます。
感情的な印象はなんと、何世代にも渡って受け継がれているという考え方です。

私たちは、子どもとしてこの世界へやってきて、自分が身を置く環境や育ち方から受ける印象に基づき、すぐにユニークな個性を伸ばし始めますが、保護的な反応や、パパやママから報酬を引き出すための行動パターンを学ぶことになるのです。

そして成長するにつれ、このパターンは「安全のため」のサバイバルツールとなります。

カルマ

(安全が第一?)

 

・未就学児の研究でわかったこと

最近の研究によれば、未就学児(小学校などの初等教育機関に就学する年に満たない児童)が母親に育てられると、母親にあまり育てられなかった子どもと比べて、感情的かつ学習的な脳のセンターが二倍の速さで成長するということです。

これは、私たちが親の愛と承認を必要とするように脳の中に学習回路が備わっていることを示しています。

私たちのカルマ(行動)は、ほとんどの場合、「安全を期したい」という初期の欲求から生じ、これらの行動はドーパミンに基づく「報酬を受け取る」化学物質を駆り立て、私たちをより多くの物質的欲求へと向かわせます。

「悪いカルマ」は、不正行為として誤って解釈されることがありますが、私たちはこれらの行為を罰するのではなく、「愛されたい」「承認されたい」「安全でありたい」「滋養されたい」という願望から生じていることを理解し、同情することができます。
しかし残念なことに、その「希望する報酬」が常に得れるとは限りません。

カルマ

(親の感情はそのまま子に引き継がれる)

 

★バラは保護のためのトゲを進化させることで、
踏みにじられることがなくなった

例えば、バラの花を見てみてください。なんともいえない優美で甘い芳香を放つ繊細なバラの花は、トゲがなければ何百年もの間、踏みつけられていたことでしょう。

何世代にも渡って踏みにじられ続けた結果、保護のため手段としてイバラを進化させました。
そしてもう、二度と踏みにじられることはないでしょう……。

幼い子どもだった私たちもまた、ちょうどバラのようなものです。

両親から安全と安心を得ようと試み、そして残念ながら代わりに踏みつけられることもあります。
そう考えると、悪いカルマの誤った行動として認識されることがあるトゲ(保護のためのパターン)を私たちが開発しえるのは、完全に論理的なことのようにさえ思えます。

したがって、例えばトゲのある行動をしている人から感情的な投げ矢がとんで来た時、あなたのカルマはそれに対してどう反応するかで決定されます。
それは100%自主的な概念で、私たち次第であり、もし逃げ出したり、あるいは防御のために投げ矢を投げ返すならば、矢を放った人の行動に反応していることになります。

ここでドクタージョンのアドバイスは、人が放つトゲのある行動は、それらの人がこれまで踏みつけられた年月から彼ら自身が開発した防御の鎧の現れにすぎないことを覚えておくことです。
そして、彼らが本当に誰であるかは鎧の下にあることを……。

カルマは、私たち全員の奥深くにある、より真実の部分から行動する目の前のチャンスと関わっています。

高い自己認識によって、逃げたり報復したりしないことを私たちが選び、そして代わりに、そもそもなぜ彼らが矢を投げているのかを理解し、思いやりを持つとき、私たちは変革的なカルマ的行動への扉を開いたことになります。

◎次回は、「何もしないですべてを達成する」という概念についてお伝えしたいと思います。

 

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(トップ画像/バラのトゲはしかるべきしてある)