■味の効用part.2 基本となる6つの味:「甘味」「酸味」「塩味」「刺激性の味」「苦味」「渋味」~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.118

さて、前回から味が体に与える影響をテーマにお伝えしていますが、今回は味の効用を語る上で知っておきたい、アーユルヴェーダの専門用語がいくつかあるので、ご紹介したいと思います。

アーユルヴェーダで一見やっかいなのは、難しそうな梵語系の専門用語が山ほど出てくることではないでしょうか。
しかも、英語をカタカナ表示にするようにカタカナにしてみても、まるでなじめなさそうな雰囲気がムンムンです。
このため、とっつきにくく、難しそうなイメージがあると思います。

そんな私も、インド生活の中でアーユルヴェーダに興味を持ち始めた当初は、アーユルヴェーダの専門用語に拒絶反応のようなものを感じたものですが、

物は少なくともハーブの種類や自然素材には豊富に恵まれていたインドの日常の中では、日々の生活や健康維持に役に立ってくれる知恵ならなんでもよく、

特にドクターになることを目指していたわけでもなかったので、インドのローカル書店で手に入る、一般人向けに書かれているアーユルヴェーダ関連の書籍の数々は、専門用語の羅列に惑わされることもなく、ひとつの読み物として楽しむことができました。

(インドのローカル書店は、レアなアーユルヴェーダ書籍の宝庫)

 

さて、味の効果を考慮する上で知っておくと便利な専門用語は、
次の4つです。

★ラサ Rasa
→6つの味(甘味、塩味、渋味、苦味、刺激性の味、酸味)

★ヴィルヤ Virya
→それぞれの食物がもつ特定の作用。「熱くする」「冷却する」「湿らす」「乾燥させる」など。例えば、一般的に動物性食品は「熱くする」ヴィルヤがあり、甘い食べ物は「冷却する」ヴィルヤがあります。

★ヴィパカ Vipak
→消化プロセス後の効果。例えば、一般的に甘味または塩味のものを食べた後の効果は「甘い」ヴィパカで、カファを増加させる、など。

★プラバヴ Prabhav
→その食物が持つ特別な資質。

これを知っておくと、普段の生活の中で不調を感じたときなどに、健康上のバランスをとる上で、それぞれの食物が持つ治癒特性を最大限に利用できるようになります。

 

例えばこんな感じです。

夏の暑さで、体のピッタバランスが崩れてしまい、湿疹や発疹がよく出て痒くなる(体内の熱が過剰な状態)とします。
さらに腸に炎症があり、お腹がごろごろ、ガスが発生しているような、不安定な状態だったとします。

……ここで上の4つは、どう役立つでしょうか。

(夏に最高のインドアイスクリーム「クルフィ」)

まず最初に、ピッタのバランスが崩れてしまっているので、腸の炎症(熱さ)を鎮めるために、冷却するヴィルヤを持つ食べ物が有効です。

甘味、苦味、渋味のラサ(味)を持つ食べ物は大抵、冷却特性があるので、そういった食べ物、たとえば甘味と渋味の両方をもつじゃがいもを食べると、腸の炎症を鎮めるために効果的です。

また、熱で消化が弱くなってしまっているため(ガスの発生は消化力が弱いサイン)、冷却のプラバヴをもつ野菜の代表選手、コリアンダーは完璧なチョイス。
コリアンダーはピッタ緩和ハーブとしても有名です。

というわけでアーユルヴェーダ的には、この症状へのひとつの処方例として、食事にコリアンダーを入れたじゃがいもスープ(苦味のある野菜をさらにプラスしてもOK)を食べることがよしとされる、というわけです。

……なかなか、奥が深い世界ですね。

◎次回からは、この「ラサ」「ヴィルヤ」「ヴィパカ」「プラバヴ」について、さらに詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
http://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/コリアンダーはピッタ緩和に最高のハーブ)