シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.47~「嗅覚障害を招く蓄膿症」

蓄膿症も味覚障害の一因

PART43では、味覚障害について書きましたが、嗅覚に障害を持つ人も増えています。嗅覚障害が生じるのは、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)によるものが多いようです。
においは、鼻の粘膜全体で感じるわけではなく、鼻腔の上方にある特殊な粘膜(嗅上皮)の嗅細胞によって感知されるというしくみになっています。

嗅細胞は、神経細胞の中でも特殊な細胞で、変性と新生を繰り返す能力を持っていますが、抗ガン剤などで嗅細胞の再生が障害となったり、交通事故で嗅覚の神経が損傷された場合で、重い障害の場合は改善が難しくなることもあります。
蓄膿症の人は、甘い食べ物や飲み物を好み、早食いで暴飲暴食、胃腸の弱い人に多く見られます。現代医学では、手術やステロイド剤で対処する傾向にあるようですが、家庭でステロイド剤を使用しても、嗅細胞が存在する嗅上皮まで薬が到達しない場合が多いようです。また、手術をしたとしても、普段の食事を改めていかない限り再発することもあります。とくに、子供の蓄膿症は早めに完治させないと、若年性痴呆症を引き起こす恐れもあるので注意が必要です。

長年に渡る喫煙の習慣のある人も嗅覚機能が低下している場合があります。これは、局所的な炎症によるものだけでなく、中枢神経をも含めた嗅覚神経系全般への影響が考えられ。その他、認知症や若年性痴呆の発症においても、病気の初期段階から嗅覚の低下が現れるということが明らかにされているようです。症状としては、鼻が詰まる、鼻水が多く出る、鼻血が出る、頭痛。視力や聴力の低下も挙げられています。

蓄膿症・嗅覚障害を完治させるには、症状が改善されるまでの食生活は玄米、根菜、海藻中心とした私がすすめる玄米菜食を基本とし、甘い食べ物や化学調味料、食品添加物、人工甘味料は摂らないようにすること、そして、食事の際はゆっくりとよく噛んで食べる。また、食べ過ぎや間食はしないようにすること。飲み物は、清涼飲料水やペットボトル飲料は避けるようにし、茶葉からいれたほうじ茶やスギナ茶、びわ茶、どくだみ茶にすることをおすすめします。お茶は、がぶ飲みはせず、必要な分だけ摂るように。また、自然療法として、どくだみやつわぶきの煎じ汁をぬるくしたもので鼻うがいするのも効果的です。

【松茸】

香りを楽しめる日本特有の秋の食材といえば、やはり松茸でしょう。私は、傘が開いたものを好んで使います。網焼きや土瓶蒸し、お吸い物といった料理にすると、松茸が持つ独特の香り高さをふんだんに味わうことができます。