神社カフェ発信 タロットについて 6 「日・太陽」後半〜偽装する太陽〜

占いは、感性で流れを感じることが重要です。神話と象徴を感じ、流れをつかむことができます。そうして、自分やクライアントの、心のありようや、未来がそのままに分かってきます。

東京新宿区 高田馬場にある、「占いカフェ 神々の森神社カフェ」からの、タロットカードについての発信です。
今回は、「日・太陽」の後半です。

タロットカードは、15~16世紀のイタリアに突然現れた神秘のカード。
おそらく、現在一番知られている占いの一つですが、親しみやすそうな外見と裏腹に、使いこなすのは意外に難しかったりします。

その理由は色々あると思いますが、ひとつは、カードがヨーロッパで作られたものであり、ヨーロッパ文化を前提としないと意味が分かりにくいということがあると思います。

【日・太陽 神々の森神社カフェ発行「神々の心のタロット」とマルセイユタロット】
タロットカードには、番号順で並べると最後のほうに、星・月・太陽の天体のカードがあります。

こうした天体のカードはヨーロッパ文化のみでなく、これらの天体が持っている普遍的なイメージを感じることで、信じられないほどに豊かなものとして立ち上がってきます。
そうした普遍的なイメージに至るために、こうした天体に対する日本の精神性までを、広く感じ取っていくことが重要なのです。

前回は日・太陽は「現実としての恵み・絶対的な存在」を表していたということでした。

前回の内容はこちらからご覧ください。

今回は日・太陽のもう一つの側面「危険さ・あやうさ」についてみていきたいと思います。

「占いカフェ&スクール 神々の森神社カフェ」では、占いを深める講座をいろいろと行っているのですが、先日受講生の橘真莉奈さんと、太陽と占いや人間の意識のつながりについて話す機会がありました。

橘さん「しかし、太陽については危うさがあることも、感覚的にも文献的にも明らかです。なぜ、絶対的で恵みをもたらすものが危ういのでしょうか? この危うさの本質は何なのでしょう」

北澤「たとえば、日蝕などは不吉さを感じさせますね」

橘さん「そうですね。日蝕は不吉さのシンボルともいえます。以前金環食があったとき、確かになんともいえない、不気味さや危うさを感じました。あの時の太陽などは、どういうものだと捉えればいいのでしょうか?」

北澤「太陽には、偽装を感じさせるところがあるのではないかと感じます。太陽はその明るさが明確であり、絶対的でありすぎるために、偽装する」

その日はちょうど、アフリカなどでは日蝕が起きていた日で、そうした力が気づきに導いたのかもしれません。

 

偽装する太陽

神話の中では太陽は、その明るさや絶対性が強すぎるために転落したり、偽装します。

文化を超えて、日・太陽には、絶対性や恵みの神話だけでなく、転落の神話や隠れる神話が常につきまとっているのです。

ギリシャ神話では、太陽神アポロンは、そのあまりの明晰さのために馬車から転落しました。
イカロスは、太陽の前に空から落ちました。まさに自分自身の感性を見失い、転落する・悪を為すことを象徴しています。

【ギリシャ神話 アポロンの金の戦車とイカロス】

【ギリシャ神話 アポロンの金の戦車とイカロス】

中国神話でも、10の太陽により灼熱地獄に見舞われた地上において、弓の達人ゲイにより9つの太陽が撃ち落とされ、ようやく地上の民が救われます。