世界最古の“皇室”をもつニッポンの宝物——玉・鏡・剣

天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)は、古事記や日本書紀に八岐大蛇(やまたのおろち)の尾から出たとされ、またの名を草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれます。代々の天皇に引き継がれる三種の神器の一つとして良く知られています。

天皇の即位式で重要な三種の神器の引継ぎ

2018年に今上天皇が譲位され、2019年に新しい天皇が即位されることが決まったようです。

初代神武天皇から数えて126代目となります。
三種の神器である鏡・剣・玉が天皇であるしるしとして即位の際に継承されます。

 

世界最古の皇統をほこる日本

神武天皇のご即位が紀元前660年とされているところから2677年続いている計算になります。

それで海外メディアにも「世界最古の世襲制王室」と紹介されています。

二番目に古いデンマーク王室の初めは早くて8世紀といわれ、三番目のイングランド王室の初めは1066年だそうですから、日本の皇室の古さはダントツなんです。

 

『世界最高の国』日本は何番目?

英BBCによる世界世論調査『世界に良い影響を与えている国』によると2014年には5位だった日本が2017年には17か国中3位へと順位を上げています。

ちなみに1位はカナダ、2位はドイツです。

また、アメリカのメディアによる9つの指標をもとに80か国2万人以上への調査をもとに集計した『世界最高の国』にも日本は5位にランクインしています。
客観的にみて、世界に対する日本の影響力が向上しているということでしょう。

 

外国人が日本観光に来る理由とは?

国が観光ビジョンを打ち立てた2012年以降、外国からの観光客は増え続け、リピーターは57%、再来日を希望する人は93%にも及んでいます。
その中でもここ2年外国人客がもっとも評価している場所はなんと“伏見稲荷神社”なのです。
「伝統的な美しいたたずまい」に癒されるのは日本人だけではないんですね。

アニメやゲームなどアキバ系の文化だけでなく、電化製品やトイレの快適性の技術だけでもなく、日本が持つ2000年を超えた悠久の世界観や伝統に惹かれるのだと思います。

世界に注目される日本ですが、当の日本人があまり知らない事実もあります。
とくに歴史や文化についてはよくわからないという面もありますよね。
世界で一番古いなんてちょっと驚きですよね。
でも、なんでそんなに長く続いたんでしょうか。

 

なぜ皇室は長く続いているか

伊勢神宮の建造技術が1300年前の古式そのままに行われる20年ごとの式年遷宮という神宮建てかえの行事があります。
「しきたりと技術を維持保存し次世代に継承する」ということを丁寧に行い続けた結果、国民の大御祖神(おおみおやがみ)である伊勢神宮が今も年間900万人が訪れるほど愛されています。
あの独特の空気に心が洗われたという人は多いのではないでしょうか。

暮らしやすい国が長く続くことは、住む人の幸せに大きく貢献していることは確かです。

国が長く続く秘訣は何かというと、それは
「天皇が125代にわたり継承し続ける三種の神器に秘密がある」
と筆者は踏んでいます。

そんなわけで、三種の神器に付いて調べていきます。

 

三種の神器とは―玉・鏡・剣

三種の神器としてウィキペディアには以下のように記されています。

日本神話において、天孫降臨の時に、瓊瓊杵尊が天照大神から授けられたという鏡・玉・剣のこと。また、神話に登場した神器と同一とされる、あるいはそれになぞらえられる、日本の歴代天皇が継承してきた三種の宝物のこと。
三種の宝物とは、八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣を指す。Wikiより引用

神話に登場し、現在まで現存する神宝として知られているのですね。
しかし、なにせ神話として扱われているので、その起源やどうして大切な宝なのかについてはよくわかりません。

 

天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を生んだ出雲の砂鉄

それで、三種神器の一つとされる天叢雲剣をうみだした八岐大蛇の生誕地—移動行程—経緯などをずっと調べてみたのです。
神社の社伝、土地の伝承、祭り、地域産業の歴史、土地の人のあり方や古事記などの神話、アニメに至るまで見てきて、邪悪であるはずのオロチがなぜ天叢雲剣を生みだせたのかについてはだいたい見えてきました。

けれども、です。

天叢雲剣が三種の神器に加えられた理由と経緯については、まったく謎なんです。
モヤモヤがむらくものように残ります。

 

天叢雲剣の霊威をつたえる御代神社(島根県雲南市)

天叢雲剣について、わかっていることは「モノすごい道開きのパワーを持っている」ということです。
なにせ天叢雲剣を手に入れたスサノオは、その後タカマに復帰したかと思うや、スサノオを祖とする出雲の国はグングン豊かになったのですから。
タカマをも脅かすほどの盤石な経済力と武力を持つにいたったのです。

天叢雲剣にあやかってみたいですよね。
そう思うのは誰しも同じことなのでしょう。
天叢雲剣の名声はいやがうえにも広がったに違いありません。
その名声故、三種の神器に加えられるなんらかの機縁につながった可能性は残ります。
天叢雲剣にご縁の神社を巡ることで、インスピレーションを受け取れるかも?

 

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